アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

新潮美術文庫

2015-11-13 07:03:36 | 画材、技法、芸術論、美術書全般、美術番組
新潮美術文庫(全50巻)  新潮社 各1200円(税別)

 日本で手軽に入手できる西洋絵画の画集として最も推薦できるのが、この新潮美術文庫である(写真上段)。定価も1200円(税別)と買いやすく、大きさも新書サイズなので容易に持ち歩くことができる。大型書店の美術書コーナーへ行けば必ずこのシリーズは置いてある。
 既に全50冊で完結しており、残念ながら新しく追加される画家はないが、その代わり絶版にしない方針のため、店頭になくても確実に取寄せられる。これは極めて重要なことで、いつでも必要なときに安心して買うことができる。出版社が責任と自信を持って、息長く売っていこうという姿勢は、高く評価したい。
 もし店頭で欲しい画家のがなかった場合、いきなり注文して取寄せてもいいが、やはりどんな作品が載っているのかは気になるところ。そこで一度図書館へ行って中身を確かめるのがよい。大きな図書館(例えば自分の住んでいる地域の中央図書館)なら、置いてある可能性がある。もし特定の作品掲載が目当てなら有効な手段だ。
 この新潮芸術文庫とタッシェン日本語版を組み合わせれば、安価で質の高い画集を揃えることができる。
 もしどうしてもお金がないなら古本屋を活用する手もある。私もそうして何冊か揃えたが、やはり掲載写真が色褪せていることが多いのでお勧めしない。しかし背に腹は代えられないから、やむなく買う場合もあるだろう(現に私がそう)。

 追記:この新潮美術文庫の姉妹編として新潮日本美術文庫がある(写真下段)。こちらは日本絵画専門だが、扱っている画家によっては作品の部分しか掲載されていないことがあり、新潮美術文庫のように全面的には推薦できない。買う前に必ず中身を確かめる必要がある。しかしながら日本美術の画集として、常時手軽に購入できるものとして貴重であることに変わりはない。


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