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DAZN観戦 2023年J2リーグ第42節 栃木SCvsジュビロ磐田

2023-11-20 16:00:31 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(40節・岡山戦、1-1)
※前回の磐田の記事はこちら(40節・ヴェルディ戦、1-1)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 時崎悠監督が今季限りでの退任を発表。次期監督は現段階では未定。
  • 前節(ヴェルディ戦、0-1)出場停止のイスマイラがスタメンに復帰。
  • 前節退場(警告2度)となった石田が出場停止。

<磐田スタメン>

  • 自動昇格の条件は、勝利の場合は清水が引き分け以下(ヴェルディは勝利しても得失点差で5差を縮める必要あり)。引き分けの場合は清水が16点差以上での敗戦……とまず無理。
  • GK八田が今季限りでの引退を表明。今季の出場は、三浦の負傷交代(脳震盪の疑いによる)でATに出場した28節・いわき戦(1-0)の1試合のみ。

磐田にとっては、自動昇格が掛かった最終節。
勝ち点差は1ながら、得失点差から勝利以外は駄目という状況で、あまりにも重い42分の1。

その最終節、一方の栃木は時崎監督の最後の試合という冠が付く事となり。
試合前インタビューで「4局面」というフレーズを出した(初めてかは不明)事から、就任してからそのスタイルを落とし込んだ監督業を自身で(脳内で)振り返っていたでしょうか。
あの「ストーミング」色が濃厚だった栃木でも、ボールポゼッションに取り組むなどこれまでとは一線を成すサッカーを展開。
その姿は、現代サッカーのトレンドを取り入れる事で、J2でも下位を彷徨うクラブが必死にしがみつき生き残りを図らんとするものか。
成績的に浮上出来ない中で、最後にその価値を示すような上位クラブとの対決が待っていました。
前節も上位のヴェルディ相手に、数的優位のなか敗れるという悔いの残る試合を強いられ、何とか存在感を見せ付けたい所。

磐田のボールポゼッションに対し、ストロングポイントであるハイプレスを嵌めにいかんと積極的な姿勢を見せた立ち上がりの栃木。
しかし前回でも触れた通り、イスマイラの規制の掛け方がどうにも今一つであり果たす事が出来ず。
上原を切りながら……という追い方が出来ず、横パスを交えるだけで簡単に彼へのパスコースが生まれるので、揺さぶられて運ばれる事を繰り返します。
それでもハイプレスを貫くものの、前半4分に磐田は松原のロングパスから好機、セカンドボールを繋いで溜めを作り上がってきた松原に再度ボールが渡り。
そしてエリア内へスルーパス→走り込んだドゥドゥのポストプレイ→山田大シュート(GK藤田キャッチ)と流れるようにフィニッシュ。
ショートパス主体な所にロングボール攻撃も織り交ぜる姿勢で、頭の中を掻き回しに掛かる磐田。

そんな盤石な姿勢をキックオフから10分ほど続けた磐田ですが、昇格へのプレッシャーからか次第にリズムが悪くなり。
12分栃木の自陣での右スローイン、大島→イスマイラと強いFWへ託し、磐田のプレッシャーを浴びながらもキープする姿勢。
前に出た鈴木海のディフェンスを受けるも、こぼれ球を佐藤が左へ繋ぎ、吉田が細かいタッチでのドリブルでエリア内を突いてシュート。
グラッサのブロックに阻まれるも、「4局面」を接続するトランジションで優位に立つ事で生まれた好機。
その後は高嶋のロングスローを交えながら、敵陣でサッカーを展開する事で磐田のペースを乱し。
18分にもこぼれ球を西谷がダイレクトでスルーパスを送る事で好機。
シュートには繋がらずも、ゲーゲンプレスで福森がボール奪取して継続、エリア内中央でパスを受けたイスマイラが反転を経てシュート。(ブロックされコーナーキックに)
完成度の高い磐田に対し、トランジションの部分を制する姿勢が冴え渡ります。

そして24分、最終ラインからパスを繋いでいき右から攻める栃木。
福森の早めの中央への浮き球パスに対し、グラッサがクリア出来ず大島に収まると、その流れのままエリア内に進入してのシュートがゴール左へと突き刺さり。
実に変哲の無い攻撃ながら、手前で跳んだグラッサの頭を越えていく姿に、上記の姿勢が磐田へのプレッシャーとなっていたかのようなゴールだったでしょうか。

先を行かれてしまった磐田。
ライバル(清水・ヴェルディ)の途中経過はこの時点ではスコアレスも、重くのしかかる先制点なのは変わり無く。

まずは失いつつあったペースを取り戻すのに着手したか、細かく繋ぐ姿勢を強め。
28分には自陣でのスローインからダイレクトパス重視で前に運び、山田大がドリブルで中央のチャンスエリアへ切り込み。
そして上原→後藤ポストプレイで受け直し、エリア内左からシュートを放った山田大でしたが枠を捉えられず。
しかしその後もポゼッションを高める事で、リードした栃木は次第にリトリート偏重を強いられます。

こうなると磐田の苛烈な攻めが冴え渡る展開で、33分にはエリア内を執拗に突きながら、ポストプレイを経て最後はドゥドゥがミドルシュート。(枠外)
何とか専守から脱したい栃木ですが、続く34分には縦パスをドゥドゥにカットされて反転攻撃を浴びる(その後後藤経由で左ポケットからドゥドゥマイナスのクロス→上原シュートもジャストミートせず)等ままなりません。

そして39分、再びエリア内へ縦パス→ポストプレイという流れでゴールに迫る磐田、エリアからすぐ手前という位置で上原が高萩に倒されて反則。
これで直接フリーキックの絶好機となり、中央~右ハーフレーンの中間という横位置から、キッカー上原が直接シュート。
壁を直撃しこぼれた所を松原が再度シュート、吉田のブロックに阻まれ、跳ね返りをドゥドゥが三度シュートに持っていき。
これも大島がブロックと、三連撃も決まりませんでしたが、続く左CKでそれが無駄で無かった事を証明します。
上原はショートコーナーを選択し、戻しを経てドゥドゥが受けると、(彼にとって)絶好のシュートレンジ故にまたもミドルシュートを狙うドゥドゥ。
当然栃木のブロックが入るものの、これに当たった事でコースが変わり、GK藤田はセービングに入れずゴール右へと突き刺さります。
遠目からのフィニッシュの連続が決壊を齎し、同点に追い付き起死回生となった磐田。

その後は磐田も硬さが取れたかのように攻撃を続け、ミドルシュートの連続では無く、後方からの押し上げも冴え渡り。
上原・鹿沼のドイスボランチも、開幕時は控えとは思えないくらいに躍動し成長を証明。
中盤でゲームを作りながら、サイドで上げられたクロスに対し最前線で合わせにいくなど、多方面で活躍を見せます。
一躍注目を浴びている後藤の働きが今一つに思えましたが、ともかくこれだけ若手が伸びを見せて終盤の緊迫した戦いの輪に加わっているのは好材料であり。

そして1-1のまま前半が終了。
ともにハーフタイムでの交代は無く、磐田にとっては勝負の後半戦となります。

当然ながら、後半に入り再びハイプレスの色を強めに掛かる栃木。
シャドーも果敢に前に出て、磐田のビルドアップを阻まんとしますが、相変わらずイスマイラの守備時の弱点はそのままなので脅威とはなれず。
磐田ペースは後半になっても変わらず、という流れが出来上がるのは必然でした。
栃木にとってはまざまざと差を見せ付けられたような格好で、いかに「4局面」を意識した取り組みを続けても限界があるといった内容でもあり。
選手の力量の差というよりは、それに適した選手を集める段階での差というべきでしょうか。(前者は清水のようなクラブとの比較で使うべきだとうか)
磐田は補強禁止という制約がありましたが、逆に既存戦力を活かす方針をせざるを得なかった事で、以前の鈴木政一監督時代のサッカー(もっと言えば、磐田伝統のサッカーか)に適合する人材を残しての戦いが奏功した感があり。

そんな磐田、後半は右サイドで徹底的にショートパスを繋ぐ姿勢を重視。
そして栃木ディフェンスを密集させて、そのまま右で攻めきるか、逆サイドへ展開して松原中心に薄い左を突くかの二択を掛け。
14分、その姿勢の通りに右サイドで数多パスを繋いだ末に、上原から左へ展開。
そして松原とのワンツーで左奥を突かんとしたのは最後方のグラッサで、収めた所をディフェンスに遭うも左CKへ。
このCKでキッカー上原のクロスが誰にも合わずも、ディフェンスにも入れず中央をバウンドするという具合に、振り回され続ける栃木は如何ともし難いような絵図を描き。

後は決めるだけといった磐田、その直後の16分でした。
敵陣で上原が奪い、パスを繋いでの前進によるショートカウンターを経て山田大がミドルシュート。
ブロックされるも拾って作り直しとなり、栃木サイドもリトリートの姿勢を取るなか、再びグラッサの左サイドでの前進を交えた末にドゥドゥが左ポケットへパス。
これを栃木のブロック間で受けた松原がクロスを入れると、大外から走り込んだ松本が中央でヘディングシュート。
GKの手前でバウンドさせてネットを揺らし、全員で崩すという攻撃を結実させて奪った勝ち越し点。
これよりすぐ後に、清水が(水戸に)先制を許すという途中経過も生まれた事で、昇格ムードを一気に高めます。

ホーム最終戦も兼ねており、意地を見せたい栃木。
ロングボールを交えての攻撃で何とか敵陣に運び、高嶋のロングスローを活用しながら同点を狙います。
しかし以前のような「ストーミング」スタイルに近付く結果となるなど、そこには敗北感もあり。
19分にその高嶋のロングスローから、こぼれ球を拾いにいった高嶋が(ドゥドゥに)反則を受けた事で右サイドからのFKに。
これをキッカー福森が、アウトスイングのキックで、ややもすると直接狙ったかのようなボールを入れ。
GK三浦が辛うじて弾いた所を、高嶋がヘディングで詰めるというほぼ完璧な流れを描きましたが、シュートは左サイドネット外に終わり同点ならず。

ワンチャンスを逃した格好の栃木、22分に吉田→森へと交代。
当初は福森が左に回り、右ウイングバックに入っていた森でしたが、26分のセットプレー(磐田の左からのFK)の流れからそのまま左右を交代し結局左でのプレーに終始した森。

尚も栃木がカードを切っていき、29分に佐藤→矢野へと交代。
これで2トップとなり(イスマイラ・矢野)、高萩がアンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)へシフトします。
その一方で、交代カードを使わずに我慢を選ぶ磐田・横内昭展監督。
そんな彼を試すように、松原やグラッサが反則チャージを受けて長らく倒れ込むというシーンが生まれてしまい。
それでも、好循環を保つ事を第一に選択し粘り。

矢野が入った事でプレッシングも多少の向上を見せ。
激しいプレッシャーでGKに蹴らせたフィードを回収して攻める(31分)という具合に、やりたい事も何とか行えるようになったものの状況は厳しく。
そして37分に最後の交代を敢行し、残っていたカードを全部使って3枚替え。
大森・西谷・イスマイラ→ラファエル・植田・宮崎へと交代します。(高嶋が左CBへ回る)

しかしブーストを掛けるどころか、以降攻撃機会を作る事が出来ず。
磐田がボールキープの意識を一層強めた事で、狙いたいトランジションの機会も中々作れず、時間が進んでいきます。
41分にようやく最初に動いた磐田、山田大・松本→藤川・ゴンザレスへと2枚替え。(後藤・ゴンザレスの2トップとした4-4-2へシフトか)
これ以外ではカードを使わずと、ベストメンバーを貫く人知れずの戦いとなったベンチ。
他方、清水は同点に追い付いたものの、それでもこのままならばOK。
ヴェルディは2-0で勝利濃厚なものの、自身が勝てば気にしなくても良し。
ひたすら自身の勝利への進軍の意識をピッチに高める事に邁進していたでしょうか。

そして突入したアディショナルタイム。
ようやく栃木は、ゴールキックでのロングフィード→宮崎フリック→矢野収めた所に、上原に反則を受けた事で攻撃のチャンスを得ます。
中央からの直接FKとなり、キッカー植田が直接シュートを放つも壁を直撃して決められず。
ここから攻め直しを図る栃木ですが、途切れた所を磐田がカウンターに持ち込み、ドゥドゥ→上原と経由してゴンザレスに渡り。
そしてドリブルで切り込み、ボックス寸前という所で平松に倒されて反則・警告。
PKかどうかという位置でしたが異議もそこそこに、切り替えて直接FKに挑む磐田。
却って近すぎたため狙い辛い位置で、その通りドゥドゥの直接シュートは壁を直撃。
しかしここでの切り替えも見事で、右へとこぼれたボールを拾った藤川、コーナーでのボールキープに入ります。
時間を使い、その後の栃木のスローインも跳ね返して再び右奥へ持ち込む逃げ切りモードに。
それでも、ゴンザレスが入れたマイナスのクロスをドゥドゥが合わせ、ゴールネットを揺らしたもののその前にゴールラインを割ったという判定で無効となる一幕がありましたが。

そして栃木の最後の攻撃、右から高嶋がロングスロー。
跳ね返りを尚も繋いでクロス攻勢にいく栃木ですが、無事に凌いだ磐田。
試合終了の笛が鳴り響くと、堰を切ったかのように歓喜一色に染まり輪を作る磐田ベンチ。
その姿に、ピッチ内の選手も昇格達成を実感するのに時間はかかりませんでした。

清水が引き分けに終わり、逆転で2位に上がった結果、自動昇格の座を掴んだ磐田。
シーズン後には、この日再三倒れ込んでいた松原の長期離脱が判明するなど、まさに満身創痍という戦いだった終盤戦。
今後エレベータークラブと化すのを避けるべくの、前年行えなかった補強・編成に入ると思われますが、まずはその喜びを存分に味わいたい所でしょう。

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