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DAZN観戦 2020年J2リーグ第17節 アビスパ福岡vsレノファ山口FC

2020-09-07 18:41:17 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の福岡の記事はこちら(11節・ヴェルディ戦)
※前回の山口の記事はこちら(15節・金沢戦)

調子が全く上向かない、そんな状況を受けて前節・山形戦から3バックへとシフトした山口。
そしてその初戦はスコアレスドローで勝ち点1と、悪くない入りとなり今節も継続されました。

しかしこの3バック化の流れは完全に前年と同じなのが気掛かりな点。
前年も15節終了時点で勝ち点12と伸び悩み、翌節から3バックへと切り替えると好循環が生まれたシーズンとなりました。
それでも原動力となっていた瀬川(現栃木)の移籍で有耶無耶になり、再び4バックへと切り替えざるを得なくなり停滞したのですが……。

霜田正浩監督のコメントから察するに「守備の建て直し」を図っての方策で、確かに失点の多さも目立つチーム状態。
しかし、攻撃的なサッカーを目指している割には得点が少ない(16試合14得点)という点の方が、チームに迷いを齎しているのでは無いでしょうか。
そんな訳で今回の3バック化は「(前年の)夢をもう一度」という感じが拭えない、自分としてはそんな風に映っています。

展開力に欠けるヘニキと、能力は高いが新人故の経験不足が懸念の眞鍋をサポートするかの如く、センターバックの中央に入った楠本。
一方攻め手としてウイングバックには燻っていた田中パウロ淳一を再登用、さらに前節からリザーブに村田を置くなど、チーム力の総結集を図ろうとする意図が伺えます。

立ち上がりは、クロス数を重ねる山口と、シュート数を重ねる福岡のぶつかり合い。
しかしゴールへの近道はシュートなのは言うに及ばず。
遠野や石津・北島がエリア手前から積極的にシュートを放っていった福岡。
やはりフアンマ・デルガドという絶対的なポストプレイヤーが居る故、彼に注意を割かなければならない分他選手が撃ちやすくなる、解り易い攻撃の図を描きます。

しかし11分、一瞬の隙で山口が絶好機を得ます。
GKセランテスの、三國ケネディエブスへのパスを小松がカットに入ると、三國の伸ばした足が小松を倒してしまい審判の笛が。
エリア内であり当然PKとなり、急転直下で山口のチャンス。
初シュートがPKというラッキーな形となりましたが、キッカー・小松の右へのグラウンダーのシュートは読み切ったGKセランテスがキャッチ。
逆に初シュート故の硬さが感じられたキックとなってしまいました。

こうなると福岡の試合展開となり、以降もフアンマへのロングボールを軸にしつつの長短織り交ぜた攻撃で山口を押し込んでいきます。
昇格候補とされながらここまで17位と伸び悩んでいる福岡ですが、この日からボランチには待望の前が復帰。
彼の離脱を境に暗転したというチーム成績だったので、この日の福岡のサッカーの安定感は見違えるように映りました。

そして21分、左サイドでの前のカットから攻撃する福岡。
石津から北島経由で右サイドへ展開し、湯澤の手前からのクロスがニアサイドに入ると、遠野が頭から跳び込んでヘディングシュート。
ダイビングヘッドの形となると共に、ボールも豪快にゴールへと飛び込まれる見事な先制点でした。

ビハインドとなった山口、飲水タイム後に反撃。
29分に決定機を掴み、高の縦パスが入ると浮田ポストプレイ→池上→浮田→パウロと繋がり、左サイドからパウロのクロス。
クリアされるも小さく、エリア内右で田中陸が拾うと、そのまま奥に切り込んでシュート。
GKセランテスを抜いたものの、ゴール手前で輪湖がブロックしてゴールはならず。
これまでは縦パスの頻度が足りず、サイド一辺倒になりがちな攻撃で殆どチャンスらしいチャンスは生まれませんでしたが、ここは巧く縦パス→ポストプレイを交えた攻めで惜しいシーンを作りました。

その後30分頃から、山口はWB同士でポジション入れ替え。(パウロが右・田中陸が左にシフト)
しかしこの策はあまり有効とはいえず、以降一進一退の展開となりペースを掴めない山口。
前半終わり際には元のパウロ左・田中陸右へと戻っていました。

終盤は逆に福岡が好機の連続で、41分には山口のクリアミスからフアンマが前線で収め、彼のヒールパスを受けた鈴木がミドルシュート。(ゴール左へ逸れる)
アディショナルタイムには右サイドライン際でフアンマが残したボールを遠野が拾ってチャンス、右に張り出した石津が奥でゆっくりとカットインしたのちグラウンダーでクロス。
ニアサイドで遠野が合わせましたが、GK吉満がキャッチ。
追加点はなりませんでしたが、福岡が調子を維持したままで前半終了。

後半開始の前に、福岡は北島→増山へと交代。
ここまで本調子とは言えない成績を描いてきた福岡ですが、主力選手の離脱による怪我の功名という要素ながら、手駒は揃ってきたようで。
これ以降も交代策でリフレッシュを図れたのが、この日は好結果に繋がりました。

後半の入りは、ビハインドを跳ね返したい山口が先にシュート。
2分、ここも左サイドからのパウロのクロスが上がり、収めた小松から浮田を経由して戻され高井がエリア手前からシュート。
しかしゴール右へと外れ実らず。

9分という早い段階で山口ベンチは動き、この日はベンチに置き切り札としていたイウリを投入。(小松と交代)
しかしその思いとは裏腹に、いきなり(11分)福岡・篠原との交錯の後、ヒートアップして思わず篠原の頬を叩いて警告を受けてしまいます。(まあよく警告で済んだというべき場面でしたが)
それでも18分、眞鍋の縦パスをイウリがポストプレイで好機に繋げ、その後高の縦パスが高井に渡ります。
しかし高井から受けた浮田がシュートを放つもオフサイドの判定となり、攻め上がるもののリズムに乗れない山口。

直後(18~19分)に両ベンチが動きます。
福岡は石津→木戸に交代。
山口はパウロ・眞鍋→安在・河野と2枚替え、布陣も従来の4-2-3-1へとシフトする勝負手を打ってきました。

そして女神が微笑んだのは、動きが少なかった福岡の方でした。
直後の20分、中盤で受けた遠野がドリブルで前進し、エリア内まで持ち込んでキープ。
溜を作ったのち左へ送り、輪湖が低いクロスを入れ、フアンマが合わせにいったボールがこぼれると木戸の前方へ。
すかさず反応した木戸の放ったシュートがネットを揺らし、貴重な追加点。
木戸にとってはこの日のファーストタッチがゴールとなり、これが今季初ゴール。

采配的中という形となった福岡、以降は山口の攻撃を受けつつもカウンターを狙うスタイルを色濃くします。
焦る山口を余所に、25分にはコーナーキックから、キッカー鈴木のクロスが中央に入るとフアンマが合わせにいきます。
しかし再びこぼれ、三國がシュート体勢に入りましたが、空振りとなってしまい好機を生かせず。
またフアンマにとっては、自身が絡みチャンスを生み出し続けながらも、自身が得点出来ない事もあり若干フラストレーションを貯めているように映りました。(特に2点目のシーン)
このプレーの直前に、復帰の前はお役御免となり松本と交代。

山口は既に21分に、ベンチに置いていた村田を投入。(高井と交代)
これが実に4節(磐田戦)以来の出場となった村田、以降は彼が入った右サイド中心に攻撃を展開。
柏からレンタルという身分の村田、前年は福岡に在籍と勝手知ったるグラウンドで本来の力を……という訳では無いでしょうが、久々の出場で躍動を見せます。
これでクロスはどんどん上がるようになった山口ですが、29分にはその村田のクロスをファーサイドで浮田がヘディングシュートするも、あろう事か河野に当たってしまうなどやはり流れの悪さが目立つ事に。

そうこうしている内に、36分に福岡は試合を閉めに掛かります。
湯澤と遠野に代えて、エミル・サロモンソンと上島を投入。
FWを削ってDFを増やす、3バック(実質5バック)へとシフトという逃げ切り体制へ。

これにより山口はボール支配こそすれど、堅固な福岡守備陣を崩す可能性は限りなく低くなり。
以降全くシュートに持ち込めずに時間を浪費するしか無くなります。
40分に福岡・フアンマがイライラが募ったのか、池上に対しアフターチャージで警告を受ける(これで次節出場停止に)など、追い風にすべき要素もありましたが結局モノに出来ず。

そして攻め疲れからか、ATは逆に福岡に好機が。
田中陸のハンドで左サイドからのFKを得、キッカー鈴木のファーサイドへのクロスを三國が落とし、こぼれたボールをフアンマがバイシクルに。
しかしミート出来ず、さらにこぼれたボールを三國がトラップ、シュートに持ち込みますがブロックされゴールならず。
チーム不調の最中にはFW起用もされた三國ですが、この日は最後までCBで出場。(3バックになってからは右CB)
やはりあのジョーカー的起用は苦肉の策だった……と結論を出すにはまだ早いですが、自身の与PKもあった中とりあえず無失点で終われ、安堵感もあった事でしょう。

そのまま2-0で試合終了を迎え、浮上の切欠となる勝ち点3を得たのは福岡、というゲームになりました。
キーマンの復帰を勝利に繋げる事に成功し、後れを挽回しようという体制に入れたでしょうか。


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