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DAZN観戦 2024年J1リーグ第1節 名古屋グランパスvs鹿島アントラーズ

2024-02-26 16:00:40 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

待ちに待ったシーズンイン。
一ファンである自分とは違い、当事者の思い入れの方が遥かに強いのは言うに及ばず。
それはホーム開幕戦という立場である名古屋の、試合前の演出を目の当たりにして痛感する事となりました。

とはいえ、それはテンションを上げる要因にはなっても、今後の見通しを明るくするのはやはりピッチ内での事象。
つまりはサッカーの内容であり、現状を把握しながら、勝ち点の積み上げを果たさなければならない長い長い作業が今年も始まる事となり。

前置きはこのぐらいにして、この試合のホームチームである名古屋。
大補強を敢行したうえ、下位カテゴリの選手を数多引っ張って来る豪腕ぶりを発揮し、今季こそ優勝をという意気込みは存分に感じられる編成となり。
しかし補強の目玉とされた、FW山岸やDFハチャンレといった選手が故障離脱を余儀なくされ。
特に後者の影響が、藤井・中谷・丸山らDFが一斉に退団したのと噛み合わさり深刻なようで。
最終ラインはJ1経験の薄い選手が過半数を占める状況で開幕を迎えました。

その名古屋の見所は、今季から落とし込まれたという可変式のビルドアップ。
攻撃時は4バックへと変形し、右センターバックの野上が、右サイドバックの位置へと張り出すのが特徴であり。
早速の前半3分中央の三國からパスを受けたその野上、ワイドからのロングパスをユンカーに届け、そこから逆サイドへの展開。
そして上がってきた山中がダイレクトでミドルシュート(ブロック)とファーストシュートに辿り着き。
その後もJ1特有の素早いトランジション・力強いデュエルを制しつつ、立ち上がりの時間を優勢に持っていかんとします。

まずは上々といった新生・名古屋でしたが、8分には鹿島の攻撃。
何とか断ち切った名古屋ですが、自陣深めからの繋ぎを余儀なくされた結果、安西がミドルパスをカットしてさらに攻撃継続。(その後右サイドに展開した末に知念がクロス)
これが文字通りに名古屋の流れごと遮断するシーンとなります。

以降は鹿島が、地上・空中を使い分けてポゼッションを高めつつ、隙を窺う状況に。
16分、その通りにボールを保持しながら、センターバックへ戻して作り直し。
すると知念が最前線へと動き出し、そこに植田が縦パスを送る事で入れられるスイッチ。
これは遮断されるも同じく上がって来た濃野が繋ぎ、土居が右奥を抉ってのポケットへのパスに走り込む濃野。
稲垣のディフェンスに遭い倒される(反則無し)も、名古屋とは違い局面で一気に仕掛ける可変で崩さんとする姿勢を見せ付け。

その流れを維持したまま、迎えた19分の右コーナーキック。
キッカー樋口のニアへのクロスは跳ね返されるも、植田の落としに素早く反応した仲間。
名古屋ディフェンスが明けたスペースを綺麗に突いてのボレーシュートでゴールネットを揺らし、先制点に辿り着きます。

ペースを失って以降、一度も好機を作れずにリードを奪われた格好の名古屋。
動揺を隠せないまま、その後も鹿島のセットプレー攻勢に晒され。
22分には左からのフリーキック、キッカー樋口はクロスでは無く中央へ縦パスを打ち込む事を選択。
ここから土居のポストプレイを経て知念がミドルシュートというサインプレーを見せ、野上ブロック→GKランゲラックがセーブと辛うじて防ぎCKへ。
このCKからもグラウンダーでの戻し→土居ミドルシュート(森島がブロック)と変化を付ける鹿島。
この徹底ぶりは、流石は新監督ランコ・ポポヴィッチ氏のチームらしい拘りを感じる絵図となりました。

追加点の危機を何とか凌いだ名古屋、反撃体制に。
しかし、こちらの拘りである可変式システムによるビルドアップの成果は今一つ。
左サイドからの仕掛けは、山中の所に鹿島・濃野が高く上がってチェックに来るのに面食らい前進出来ず。
勿論スペースを突く隙が出来る表裏一体の鹿島の守備姿勢ですが、それを下がって埋める知念の動きも良く、活路を見出せません。
一方の右サイドも、武器となる久保の突破力も、前年同様J1のカテゴリが壁といった感じ。
何度か良いドリブルは見せるものの、藤枝時代における「得点源の一つ」のような働きはとてもじゃないが果たせずに時間を浪費していき。
そんな訳で、中盤でのデュエル合戦を制した時が主な好機となります。

名古屋は27分に得た右CKで、キッカー山中のクロスが直接ゴールに向かい、パトリックとの競り合いを余儀なくされたGK早川が触れず。
ボールは直接左サイドネットを揺らし、同点かと思われましたがパトリックの動きが早川への反則を取られてノーゴールと、運も敵に回る苦しい状況。

何とか好循環を築きたい名古屋。
最終ラインから繋ぎつつ、浮き球パスで山中に預ける事で鹿島のチェックをいなす姿勢を取り始め。
33分井上が左へミドルパスを送ると、受けた山中がワントラップから中央へさらにミドルパスを送り。
そしてユンカーがワントラップでエリア内を突いてシュートしますが、ゴール左上へと外れ。

以降、単独突破は厳しいが、左足でのクロスという絶対的な武器がある山中にいかにボールを託すかがテーマとなり。
終盤になり鹿島の攻勢が止み、その課題に取り組み始める名古屋。
井上縦パス→ユンカーポストプレイで左の山中に出したり(40分、カットされる)、下がって受けた森島がサイドチェンジ気味に直接山中に送ったり(41分、その後クロスに辿り着きパトリックがファーで折り返すもシュートは撃てず)と、工夫を凝らして攻め込みます。

こうして左からの攻めを作ったうえで、44分には逆の右から好機。
今度は久保は突破では無くダイレクトパスを選択し、更にパトリックのダイレクトでのスルーパスで奥を突き、走り込んだユンカーがさらにヒールパスとワンタッチでの繋ぎ。
受け直した久保がポケットへのパス、そして追い越したユンカーがシュート(ブロック)、跳ね返りをさらに稲垣がミドルシュート。(ブロック)
さらにその後左ポケットを突いてクロス(ブロックされCKに)と、この試合初めてといってもいい波状攻撃を掛けましたが同点弾は生まれず。
結局0-1のまま、前半終了の運びとなりました。

後半開始の前に、リードしている鹿島の方が動き。
土居→藤井に交代し、右サイドに入る藤井により樋口がトップ下へ移動と、微調整を経て迎えました。

ボールが右往左往する入りを経て、後半2分の鹿島。
中盤でこぼれ球となった所を濃野ダイレクトで縦パス→樋口ポストプレイ→藤井右奥へ切り込みと、トランジションを制して作られる好機。
藤井からのマイナスのクロスは繋がらずも、拾った久保がキープできずに仲間が左ポケットで奪って尚も継続。
戻しを経ての安西のクロスが中央を突くと、ディフェンスとの競り合いを制してヘディングシュートを放ったのはチャヴリッチ。
ゴール右へと突き刺し、後半開始早々の追加点を齎しました。

一方久保の球際の軽さと、CB2人(三國・井上)掛かりでもチャヴリッチに競り負けるという、スタメンの時点での懸念が噴出してしまった名古屋。
その後も良い所無く、鹿島の強度の高さに苦しみ、中々自陣から脱出できない状態を強いられます。

よって、再び攻めの形を作る作業から始めなければならず。
10分の鹿島の左CKからも、クリアしきれず散々に繋がれた末に、最後はチャヴリッチのボレーシュートがジャストミートせず命拾いに終わり。
すると直後のゴールキック、短く繋いで組み立てる体勢を取り。
鹿島が前に出て来るや、戻し→GKランゲラックのロングフィードで前へ送り、和泉フリック→ユンカー→山中と繋ぎ。
奏功すると思われましたが、山中が藤井に奪われて好機は生まれず。

このショートパスからのビルドアップに活路を見出す思惑が見られた名古屋。
しかし直後の12分、井上がパスミスを犯し奪われる失態を演じてしまった(その後鹿島は作り直しを選択)事で、好循環を齎せずとなります。

何とか流れを変えたい名古屋ベンチ、15分に久保・パトリック→中山・永井へと2枚替え。
前年までの主力の永井、早速そのスピードで中山のアーリークロスに猛然と走り込むという具合に、重苦しい雰囲気を変えようという姿勢を見せ。

しかしその効果が表れる前に、17分に鹿島の自陣深めからの右スローインでの攻撃。
名古屋の前掛かりな姿勢を濃野ミドルパス→チャヴリッチ収めでひっくり返すと、樋口とのワンツーを経てドリブル突破の体勢に入るチャヴリッチ。
ポケットまで一気に切り込む彼に対し名古屋は三國が必死に追走するも、最後は転倒してしまった事で、他選手まで引き付けられてのクロスという決定打を許し。
そしてフリーで仲間がヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らします。

ホームの場で3点ビハインドと、屈辱感満載で残り時間を過ごす羽目となった名古屋。
20分にさらにベンチが動き、山中・和泉→小野・倍井へと2枚替え。

これにより倍井が左ワイドに張るのが常態となる名古屋の攻撃。
彼の突破力を盾として他選手が動くという、泉澤(大宮)システムのような形に活路を見出す事となります。
一方の鹿島も交代カードを切り、24分に濃野・チャヴリッチ→須貝・鈴木優磨へと2枚替え。

26分、最終ラインが持つなかで倍井が左ワイドでパスを受ける体勢に。
すると三國は一気にロングパスで飛ばすのを選択し、倍井の前に走り込んでいた小野がこれを受け。
そして永井がクロスに辿り着くという具合に、新たなシステムによる崩しを図ります。
これで流れが来るかと思いきや、直後の27分に再び三國のパスミスで自陣で奪われるという失態。
カットした鈴木優がそのままミドルシュートを放つも、ふかしてしまい4点目はならず。

良い形が出来るかと思われた矢先に、最終ラインのパスミスで雲散霧消という流れを繰り返す名古屋。
余程2失点目の、競り負けのショックが大きかったと思われる三國・井上の2名。(シーズン前の練習試合では井上が中央・三國が左CBだったらしく、この試合ではあえて逆にしたのが悪かったという説があり)
35分に最後の交代を敢行、井上が退き吉田を投入する事となり。

その後も鹿島の強度に難儀する時間が続き。
37分には自陣から左スローイン→ユンカー落としを経て、永井→森島→野上→中山と繋いで逆サイドへ展開。
こうしたターゲットの利用で何とか好機を生み出す事が、逆に苦しさを醸し出している風であり。
ここから中山が奥へ切り込んでクロス、跳ね返りを稲垣落とし→野上ミドルシュート(枠外)と、久々のフィニッシュに繋げましたが実る事は無く。

一方、悠々と逃げ切り体制に入る事となった鹿島。
40分に仲間→ギリェルメ・パレジへ、43分に知念→名古へ交代と、着実に(相手の)投了の体勢を築き上げ。

終盤名古屋は何度か倍井が左奥を突く場面が見られ、今後の光明となりましたが、それだけといった感じ。
結局フィニッシュが生まれる事は無く、最後まで閉塞感を振り払えないまま試合終了の時を迎える事となりました。

尚この試合は、奇しくもJリーグ初年度と同じカード。
今季ヴェルディがJ1に上がって来た事で、開幕節でヴェルディvsマリノスのカードを作りたかったという節が感じられる、リバイバルの流れに乗っかった組み合わせであり。
当時(1993年)のこのカードは5-0で鹿島の大勝となり、以降両クラブのその後の歩み(鹿島=1st優勝→黄金期へ・名古屋=低迷期へ)を決定付けるものとなりました。
この試合も内容・スコアともに鹿島が圧倒したと言っても良く、今後あの時のような明暗を分ける一戦となり得るかどうか。

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