ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2019年J2リーグ第19節 FC琉球vsヴァンフォーレ甲府

2019-06-26 12:15:54 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の甲府の記事はこちら(9節・水戸戦)

その時歴史が動いた。
某テレビ番組のパクr大袈裟な表現ですが、ついにとある記録が途絶える事となったこの試合。

上位争いを続けている甲府ですが、ここに来て故障者が相次いでメンバー編成に一苦労している感が拭えず。
ピーター・ウタカと双璧を成す存在にまで相成ってきたドゥドゥが肩を痛めて途中交代したのが17節(山形戦)で、もう一人のシャドーである曽根田も離脱と一気に前線メンバーが駒落ち状態に。
ウイングバックの田中・ディフェンダーの小出も前節(ヴェルディ戦)で故障と、苦しい状況の中での沖縄遠征となってしまいます。

試合が始まるや、ペースを握ったのはホームの琉球。
プレスに行かず引いて守る甲府ディフェンスを尻目に、ポゼッションサッカーのように敵陣でパスを回してチャンスを伺います。

ベテランの上里(かつて札幌で司令塔として活躍した選手)が中盤の底でゲームを作りつつ、富所・河合・越智・風間宏希(名古屋・風間八宏監督の息子)がポジションチェンジも交えながら中央突破を図る。そして1トップの鈴木(目下J2得点ランキングトップ)がゴールを狙う、ないしはポストプレイや囮となり他の選手がゴール前に迫る。
そんな攻撃のプランが垣間見えるも、引いて守る甲府の中央の守備は固く、序盤は主にサイド突破がメインとなりました。
前半11分、右サイドでセンターバックの増谷が縦パス、富所が繋いで右サイドバックの西岡がエリア内に進入します。
ここで横パスを出し、鈴木がシュートを狙うも甲府DFがブロック。

その後も両サイド(主に西岡と、左SBの福井)からクロスが上がりますがいずれも合わず。
ただ甲府の守りを崩す効果はあったようで、その後パス回しからミドルシュートというパターンも増え始めた所で、21分に風間が甲府・ウタカに反則を受けます。
そのフリーキックを上里が狙い、壁に阻まれるもハンドとなりさらに近い位置でフリーキック。
今度は風間が蹴ると、柔らかいタッチで壁を越えたボールは見事にゴール左上に突き刺さり、琉球が先制に成功します。

その後もショートパスをどんどん繋ぎつつチャンスを作る琉球。
31分、右サイドで西岡・富所・越智がトライアングルを作りボール回しを続けると、富所がスルーパス。
これに越智が受けるふりをして戻ると西岡が一気に飛び出し、越智の動きに釣られた甲府選手を尻目に右奥からクロス。
これはシュートに繋がりませんでしたが、前半の琉球の快調ぶりと甲府の動きの堅さが目に取れたシーンとなりました。

これを機にリードされた側の甲府も反撃に出ますが、逆にそれが首を絞めます。
前半36分、右サイドで横谷・松橋・佐藤和弘のボール回しから一旦戻し、DFの山本が縦パス。
琉球の跳ね返しを小椋が繋ぎ、佐藤和→横谷と渡ってエリア内に進入するもシュートは撃てず。
逆にここからカウンターが炸裂し、河合がセンターライン付近からのドリブルで山本が突破され、エリア手前まで持っていかれて横パス。
これを越智がフリーで受け、エリア内からシュート。37分、欲しかった追加点が入りました。

沸き上がるホーム・琉球。
今季もホームでは負け知らずでここまで来ており、この無敗はなんと2年前の2017年・9月から継続中。
その間30試合にも上りますが、今季からカテゴリーも上がり(J3→J2)、ホームで強さを見せつけられるか一抹の不安もあったでしょう。

しかし沖縄という地の利はJ2でも健在で、シーズン開幕から福岡・愛媛・徳島を破って不敗を維持。(アウェイを含めると開幕4連勝)
その後も試合終了間際に同点に追いつく試合を幾度も見せるなどして、ここまで無敗を維持してきました。

そしてこの日、前半も終わり際の時点で2-0とリード。
しかも相手の甲府はここまでシュート0本と良い所は殆ど無く、今季最良の内容と言ってもいいでしょう。ここまでは。

前半のその後、琉球はボール支配を重視して終わらせたかった事でしょう。
40分から(正確には39:05頃から)約1分ものパス回しを敢行する琉球、フォワードの鈴木がエリア内へのパスをブロックされる場面があっただけで、リスクを避けてのボールキープを続けます。
しかしこれを最後は上里のパスを受けた富所が奪われるという形で終わると、残り時間は甲府の攻めを受ける事に。
そして44分、横谷のスルーパスで森がエリア内左に抜け出し、グラウンダーで上げたクロスをファーサイドで佐藤和が合わせてゴール。2-1となり前半を終えます。

同時刻に行われていた千葉ダービーと内容的には同じような前半。
しかし千葉と違い前半終了間際に抵抗を見せ希望を繋いだ甲府、後半立ち上がりの出方が嫌でも注目されます。

そして甲府が採った策は、ボランチ・横谷とシャドー・佐藤和のポジションを入れ替える事でした。
本来はボランチである佐藤和でしたが、8節・町田戦で故障で途中離脱。前節で復帰を果たすもその間に本来のポジションを失い、2試合連続でシャドーでの出場となっていました。
それまではドゥドゥに曽根田とシャドーに選手が集まっていた事もあり、シャドーとボランチ両方出来る横谷は必然的にボランチで出場を重ねていた。
シャドーが手薄になっても、ボランチ・横谷での良い流れを切りたくないという思惑が伊藤彰監督にはあったのでしょう。

そして前節で敗戦(0-2)、今節もビハインドを許す危機的状況での決断、早速これが功を奏す事に。
後半2分、内田のエリア内へのロングパスに横谷が走り込み、琉球DF・福井が追いすがるもクリアは届かず。
ワンバウンドしたボールを収めた横谷、悠々とシュートを放ち同点弾を決めます。

早速結果を出した事で、ますます動きが良くなる甲府の攻撃。
4分にはカウンターの流れで、横谷のロングパスをウタカが受けてそのままエリア内までドリブル。
相手GK・石井をフェイントでかわしますが、間一髪でシュートは放てず。
6分、再びカウンターの流れで小椋→ウタカポストプレイ→佐藤和ロングパス→森クロスという流れるような攻めでコーナーキックをゲット。

そこから2本目の右サイドからのコーナーキック、時間は後半8分でした。
一旦跳ね返されたボールを小柳が拾い、キッカーだった内田がもう一度クロス。
これがファーサイドを襲い、中央で飛んでいた小椋と琉球・富所を越え、琉球・岡崎のマークを振り切ったウタカの頭に。
ヘディングでネットに突き刺したウタカ、ついに逆転となります。

逆転された琉球は反撃に転じるも、前半のような余裕を持った攻撃は出来ず。
かなり手前からのクロスや無理目のスルーパスを狙う場面が散見し、惜しかったのは甲府GK・河田のパスミスを拾った風間のミドルシュートぐらい(13分)。

こうなるとカウンター主体の甲府の思う壺で、追加点は後半15分でした。
相手の跳ね返しを拾った小椋、ウタカにパスを送ると、間髪入れずウタカは左へスルーパス。
これに森が走り込み、エリア内からダイレクトでシュートを放ち、飛び出してきたGK・石井を抜いて4点目。
15分間で3点を奪った甲府、完全に試合の流れを手繰り寄せました。

これ以降ボールはキープするものの、パスの出し所に苦労する姿が目立った琉球。
守りを固めつつも、前半に比べプレスの圧力を強めてきた甲府に対し、中盤の選手が躍動する事は無く。
そこには強力なホームアドバンテージを得ていた今までの琉球の姿はありませんでした。

時間が経つにつれて再びリトリート傾向が強まってきた甲府、それでも前半とは違い中盤でパスを回して翻弄させる事は出来ず。
後方のキープを上里とDF陣に任せるため、他のMFは攻めを焦るあまり甲府選手の間に入っていってしまいパスコースが無くなるという場面も見られました。
それでもスルーパスを何度か通して好機は作っていましたが、終盤はそれもほとんど通らなくなると、後はミドルシュートかドリブルで剥がしてからのパスぐらい。
最も惜しかったのは後半42分、途中出場の儀保(富所と交代)が右サイドをドリブルで剥がしてからクロス。
これがこぼれた所、これまた途中出場の上門(越智と交代)がボレーシュートを放ちますがゴールの上に外れた場面でしたでしょうか。

アディショナルタイムに入っても琉球は攻勢を見せ、鈴木や上門がシュートを放つも得点には至らず。
逆に自陣でフリーキックを与えてしまうと、これを内田にゴール右隅に決められて5点目。
そのまま試合終了で、ついにホームで31試合ぶりに敗戦を味わう事となった琉球。
一度ゲームプランが乱され、インターバルを挟んでの修正が上手くいかなかった所ガタガタと崩れてしまったかなと思います。
この結果をバネに再び浮上し旋風を巻き起こす事は可能でしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする