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DAZN観戦 2019年J2リーグ第9節 ヴァンフォーレ甲府vs水戸ホーリーホック

2019-04-16 18:59:47 | サッカー視聴記(2020年以前)

2週間前とは打って変わって、メディアの前で観る甲府の試合。あれからも無敗を続けていて現在4勝4引分ですが、相手の水戸も同じ成績。
前日に首位の山形が引き分けたため、勝った方が首位に立てるという出来過ぎなシチュエーションの下行われたこの試合。

さて水戸はというと、2000年にJリーグ参入してからずっと昇格も降格も無く、順位的にもここ9年間ずっと二桁順位と低水準で安定しているチーム。
しかもJ1昇格に必要なJ1ライセンスはようやく昨年途中に「条件付き」という形で取得しました。(スタジアムの震災被害とか不運もあったけど)
ややもすると「俺達はずっとJ2で暮らせていければいいや」なんて揶揄されかねない歴史を歩んでいます。

しかし近年はハッキリとした形で上昇機運が感じられる水戸。
2017年は13戦連続無敗という記録を作り一時期は4位に居た事もありました。
昨年は前述のJ1ライセンスの件に加え、序盤は首位争いを繰り広げたりと奮闘。最終順位もここ9年で最高の10位まで持っていきました。
新たな練習場『アツマーレ』も完成し、基盤作りも着実に進んでいる節が窺えます。

2018年から就任している長谷部茂利監督の下、支配下選手にもハッキリとした特徴が見えます。
この日のスタメンのうち8人が実に2018年以降に入団・移籍してきた選手。
昨年は札幌から前・大宮から黒川・熊本から木村・仙台から茂木を獲得しては戦力に仕立て上げ、今季も松本から志知・大分から岸田を獲得。
大学からもンドカ・ボニフェイス(埼玉県出身のハーフ)や浅野・村田を加え、彼らを中心に陣容を築き上げ現在上位に居るのは見事の一言です。

さて試合の方は、前半開始早々に甲府がコーナーキックから先制。
クリアボールを小椋がエリア外からシュート、ポストに当たったボールを甲府選手が執拗に詰めに行って最後は横谷が押し込んだものでした。
その後も甲府の時間は続きますが、耐えしのいだ水戸は11分の前のミドルシュートを皮切りに攻勢に転じます。
この前がボランチの位置でボールを散らし、黒川・茂木・白井ら他の中盤メンツを生かすのが巧い。
これに加えて左サイドでは志知のオーバーラップを交え、何度もチャンスを作る水戸。

報われたのは26分。若きFWの村田がエリア内で倒れながらポストプレイ、これを黒川が走り込んで受けて成功させます。
村田の動きに釣られた甲府DFが慌てて対応するも、黒川はそのままドリブル突破でDFをかわしてそのままシュート。見事にネットに突き刺して同点に追いつきます。

その後の戦況はやや甲府有利に展開します。
甲府の持ち味である前線の外国人選手を中心にチャンスを作るサッカーを披露。
具体的にはピーター・ウタカのポストプレイにドゥドゥのドリブル突破が中心ですが、この日は攻め手を増やすとともに、弱点も増やしてしまう諸刃の策を採っていました。

甲府は1トップ・2シャドーに外国人選手3人を並べた事がこれまでとは違う戦術でした。
押しも押されぬ1トップであるピーター・ウタカに、彼がスタメンの際は黒子に徹するイメージがあるドゥドゥ。

そしてもう一人がジュニオール・バホスです。
昨年は点取り屋として活躍しチーム得点王(11点)になるなど、能力に疑いようはありません。
しかし今年はドゥドゥがレンタル先(福岡)から戻ってきただけでなく、昨年徳島でプレーしたウタカを獲得した甲府。
ウタカは35歳のベテランながらJ1での実績も豊富なストライカー。寝耳に水とはまさにこの事で、開幕からベンチを温める日が続くバホス。
6節・8節ではスタメンでしたが、シュート数本打っただけで目立った活躍は出来ずに終わりました。
そして今日もスタメンで起用されたように期待はいまだ大きい。

しかしストライカー成分が高い彼は守備面ではイマイチで、また味方との連携面も未完成な部分を披露。そんな彼をシャドーで使うのは当然リスクが伴います。
前半はパスを上手く回す事が出来ず、さらに守備面では相手のサイドバック・志知を見る事が出来ていなかったのか、自由に攻撃参加させてしまう場面が多々。
終了間際にはウタカとのパスワークでチャンスを作る場面が2度ありましたが決めきれず。

後半ドリブル突破で水戸選手2人をかわす場面がありましたが、それでもシャドーなため受ける位置が低いせいか3人目に止められます。
やはり彼を生かすにはFW起用しかないように思えますが、何せウタカがどっしりと座っておりスーパーサブに佐藤洸一もいるチーム事情。
後半22分からその佐藤洸が投入されると、彼とウタカの2トップにシフトチェンジ。バホスはドゥドゥとともにサイドハーフに回される事となり、一層エリア内でのプレーが減ってしまいます。
こうしたアタッカーが飽和状態の状況にどう折り合いをつけるのか今後甲府・伊藤彰監督の手腕も問われるところですが、それはまた別の機会に譲ります。

試合の方は、後半風上に立った甲府はGK河田のロングフィードも冴え始めて水戸陣内でのプレーが増えます。(前半はフィードが直接タッチを割る場面もあった)
それでも水戸はゴールを許さず、逆に水戸の攻撃の場面では甲府はファールで止めてフリーキックを与える場面が目立ってきます。
後半30分には茂木が直接狙うも枠を捉えられず。
33分には右から茂木がクロスを入れ、クリアボールを浅野(木村と交代)が拾って二次攻撃もシュートまで持ち込めず。

このまま引き分けかという予感が大きくなってきた後半42分、水戸はジョーが茂木と交代で出場。
このジョーはとにかく長身で、完全なパワープレイ要員。
その期待の下、早速43分には中盤でポストプレイを成功させて前にパス。(前はフィードを送るも直接GKに渡る)
そしてアディショナルタイム、甲府・新井のボールロストから前が縦パス、ジョーが収めてドリブルすると小椋がスライディングで止めますがこれがファール。

絶好の位置・ラストチャンスという時間帯で得たフリーキック、この期待に応えたのが志知でした。
壁左からカーブをかけたシュートが見事にゴール左側を襲い、GK河田は一歩も動けず。
値千金のゴールで水戸が勝ち越し、そのまま勝利し首位奪取を果たしました。
この無敗をどこまで続けられるのか、はたまた2017年の記録を超えることが出来るのか。
水戸の旋風に今後も注目していきたいです。


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