Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~井岡一翔 vs フェルナンド・マルチネス~

2024年07月13日 | BOXING
WBA・IBFスーパーフライ級タイトルマッチ
WBA王者:井岡一翔 vs IBF王者:フェルナンド・マルチネス
結果:マルチネス判定勝ち

■分析~井岡の場合~
意識的に顎を引き後部の首筋に緊張を持たせる。
腰を落とし軸をブレさせないジャブ。 ( 伸びないが )
相手の連打に対するダッキングの多用。
左ボディブローの多用。
右カウンターのとり方。
オスカー・デラホーヤのスタイルに類似しているように見える。
左フックはデラホーヤほど上手くないが。

デラホーヤ vs フェルナンド・バルガスのように
序盤打たせて我慢してボディ利かせて中盤以降挽回する戦略も予想されたが
打たせすぎ、打たれすぎ、髪の毛が跳ねるのも大きなマイナス面。 ( かき上げる仕草はなかったが )
80年代パンチパーマが多かったのは流行りもあっただろうがボクシングには向いていたのかな。

1Rの左ボディがカウンターで入ったのはこ試合最大のチャンスで地味に倒すべく攻撃をしたが追い足にキレがなかった。
1Rゆえ体が温まってなかったか、その前に受けたダメージなのか、相手のかわしが巧かったのか。
全体的に相手が攻撃に出てくる時は戦術は広がったはずだが強すぎて後手に回った。
相手が距離を取る時は摺り足の追いでは詰められなかった。

■分析~マルチネスの場合~
上体の筋肉の大きさは相手と比較しても一回り大きい。
牛肉で構築した体と穀類を主として作った体の違いも感じられる。
人種による体質に合った栄養分もあるだろうが、逆としても日本人にはこの様な体は作れないのだろう。
つくづくフィジカルでは日本人はボクシングは向いてないと思う。

リズムに乗ったりペースを掴んだりすると多彩な芸を発揮するタイプ。
左フック連打は踵を回して下半身の回転を利かせるので空振りで体が一回転するほどの強振。
打ち下ろしの右フックは肘を上げて捻じ込むコークスクリューで空振りしても体が流れない。その分、腕に負担がかかるが。
アッパーも多用し空振りでバランス崩すかと思いきや上体の筋力で返しのパンチでバランスを押し戻すので連打できる。
右からの左の返しは ( ストレートもフックも ) 、ツーワンで体重のせているので重く、相手のガードをこじ開けている。

自身よりも長身な相手には能力を発揮しそう。
逆に小柄でタフなファイター型には苦戦しそう。
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