現在、NHKの『朗読』で永井荷風さんの作品が取り上げられている。
彼が筆名を「荷風」と名付けたのは一説に、
16歳の頃入院した時、
看護師の「蓮」さんに恋したところから、
蓮に関連した荷の文字をつけたペンネームにしたと言われている。
荷には蓮の意味があるからだ。
で最近、次第に秋めいてきたので、
読書をしようかと思い立ち『和漢朗詠集』の適当なページをめくっていたら
『蓮(はちす)』の題で、
「風荷の老葉は蕭条(せうでう)として緑なり」
「水蓼(すいれう)の残花は寂寞として紅なり」
という漢詩が目に飛び込んできた。
傍注に、蓮の老い古びた葉が風に吹かれてしょんぼり緑の色もすさまじげであり、散りがたになった蓼(たで)の花は水のほとりにひっそり紅の色もさびしげだ。と解説がある。
荷風と風荷。
ちょっと気になったので、書いて置く。