ありゃりゃサンポ

近現代の建築、町並みと橋が好き。
一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域をGPSで塗り潰し中。

秋の諏訪旅②諏訪湖とその周辺

2023年11月21日 | たびたび旅

片倉館で温泉に浸かり、昭和の和洋折衷の館を見学している間は弱い雨が降っていましたが、外に出て諏訪湖畔を歩き始めると徐々に陽が射し始めました。
上諏訪駅に近い部分は全長1kmに渡って公園として整備されています。公園のデザイン慣習は黒川紀章が行っていたそうです。

大量の鴨が芝生で休憩中で、そこに向かって行くスピードスケートの像があって、奥には銀色に光る円錐が。いろいろと要素の多い風景です。

アイアンのオブジェが並んでいる一角。諏訪市を代表する5つのことが表現されています。
左上から、諏訪湖の漁業(四つ手網)、高島城、諏訪大社と万治の石仏、絹糸、精密機械(SEIKOの諏訪工場が現在のセイコーエプソンです)。

昭和末期に温泉採掘中にこの場所で間歇泉が吹き上がるようになったそうで、それも高さ50mというすごいものだったようです。
徐々に勢いは衰え、それでも5mほどの高さで噴出が見られていたのですが昨年くらいで完全にストップしてしまいました。自然の物ですから仕方ないね。

噴出孔を取り囲むように間歇泉センターという立派な観光施設が建っています。現在は諏訪市で撮影された映画の資料をたくさん展示しています。
夏に見た是枝監督の「怪物」という映画の大半のロケ地が諏訪でした。この映画を見たことも今回の旅行のきっかけの一つです。

間歇泉センターと向かい合うような位置に今日のホテルがありました。上諏訪温泉しんゆさん。「しんゆ」は親湯だそうです。蓼科の老舗旅館の2号館。
最上階付近の三角屋根のデザインが気になりましたが、ひょっとすると蓼科高原の洋館ホテルのイメージを表しているのかも知れません。

館内は2022年に全面リニューアルしたということでとてもきれいでした。部屋の窓からさっき歩いていた湖畔の道が目の前に見えます。
このホテルを選んだのは、ホテル自前のバスで諏訪大社四社巡りツアーを宿泊者無料でやってくれるホテルだったので。
当初は地元のタクシー会社が16,000円ほどで回ってくれるコースを頼む予定でしたが、しんゆの無料ツアーを見つけてホテルごと乗り換えてしまいました。

荷物を置いて私一人でお散歩に出ました。

いきなりすんごい建物がありました。玄関には金文字で梅香荘と書かれています。これほどの物件なのに存在がほとんど知られていないようです。
2015年に「発見」された方のブログによると昭和2年に医院として建てられたものだそう。

温泉寺というお寺を目指して湖と反対側に坂道を登っていくと素晴らしい紅葉とその横に三連のふしぎな建物がありました。地図上では「微笑観音」となっています。
3つの細長いお堂に33体の石の観音様が祀られているそうです。これは今ブログを書きながら知りました。お堂の中もちゃんと覗けば良かった。

道路に面した側は開いていて、坂の下側に冠木門があります。その奥に見事な枝ぶりの大紅葉。

微笑観音から100mほど登った先に温泉寺。三門から振り返ると諏訪湖が見えます。微笑観音は左にカーブした先に。屋根の上に紅葉だけ見えています。

江戸時代末期に建て直された多宝塔。

猛暑で今年の紅葉は例年より遅くなりそうと考えて日程を決めました。
11月に入ったら例年通りに紅葉が進んでこの日はすでに見ごろ過ぎとネットには書かれていましたが、来てみたらきれいな紅葉が待っていてくれました。

本堂の裏を歩いていたら防犯用と思われる照明が急に強い光を放って、側溝に散った葉が煌めいてとてもきれいでした。ありがとう。防犯ライト。

住宅街の中を往く。諏訪市は日本でも珍しい家庭用に温泉を引く事業を市が行っていて、玄関先や駐車場の隅にお湯を溜めるタンクがたくさん見られます。
契約費用が20万円、毎月のコストが15,000円少々で使い放題です。他に設備費用とメンテナンスにそこそこかかりますので安い物ではありませんが、朝晩温泉はいいですね。
残念ながら諏訪市の人口減少や高齢化で契約件数がかなり減少しており、市の事業としての存続が危ぶまれています。

家庭用の温泉とは別に住宅の中に共同浴場もあって市民は300円で入浴出来ます。家族が減って一人ならこちらの方が選ばれるのも分かります。(ここは観光客も入浴可)

甲州街道周辺にいい感じの建物が次々現れます。歴史ある地方都市の散歩は楽しい。

ホテルに戻ってお風呂に入ってから夕食。美しく美味しく、量も過剰でなくて良かったです。ホテルのサイトに全ての料理の写真が掲載されていました。すごいな。
働いている方の対応も素晴らしくて、人手不足が言われる昨今でここまで教育が行き届いているのは素晴らしい。花火大会で再訪したいと思っています。実現するかな?
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