ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

川上光博さん「パン職人の仕事と余談とか」ろっぱやの仕事。

2013-11-19 18:19:05 | ぼくらのありのまま記

第2話「全然ないよ、つらかった」



目標も夢もなくたって、つらいことだらけでも
続けていればできるようになるとこもあるんです。。。

前回までの話しはこちらから

たら
その先輩の店は今もあるんですか?

川上
いや、今はやめて。ハワイでお店だしてる。

たら
あ!!その方なんですね!!。
あれ?ハワイでも
ブルグの名前でやっているんですよね?

川上
前の所も、暖簾分けで
ブルグの名前でやってたんだよね。

たら
そういうことか。
ブルグで10年くらい勤めていた。
って奥さんが言ってたから、
1年半って短いなって思っていたんですよ笑。
ああ、パン屋さんも暖簾分けあるんですね。

川上
ブルグって言っても、
内容は自分たちでやりたいことをやってたけどね。




たら
川上さんは
お見せだすつもりで
最初のブルグで働いてたんですか?



川上
いや全然ないよ。つらかったよ笑


たら
そんな気持ちでやっても
忘れないもんなんですね。
その1年半のことは。

川上
忘れないわ。
1年半のことは。基礎だからね。
同じことを毎日びっちりやったから




たら
ブルグ、ビデオ屋、先輩のブルグで、
7~8年いて、またパン屋さんですか?

川上
つぎは、、、。
菓子屋。菓子屋とパン屋が並んでいる所。
そこは2年いたのかな。


たら
そのころは職人として
どこかに勤めていればいいや
っていう気持ちだったんですか?

川上
うーん、どうだろうね。
で、やめて、警備員やったよ。


たら
まじですか?笑。すげーなー。おもしろいなー。
警備員やっているときはパン焼きたいなとか、
家でつくったりとかそういうことは。

川上
いや、もう、、やりたくなかった。パンの仕事は。

たら
なんか嫌なことというか。
嫌いになるようなことが?

川上
うーん。なんだろうな。もういいやって。
でも、警備員のほうが嫌だった笑

奥さん
はははははは。離れてみてわかるんだよ。

川上
警備員ほどキツい仕事ないとおもったよ。

奥さん
もう絶対やだって言ってたもんね。

川上
今まで、いろいろやったけど、警備員一番キツいや。

奥さん。
あはははは。だっていつも募集してるもんね。

川上
アツいし、夜なんかなまら寒いし。

たら
いやー、パン一筋と思いきや。
自分でお店だすってくらいだから、
19、20歳くらいから、
志をもってっていう。イメージが。



奥さん
いやーみんな思うんだって。
いやー。ほんとに。

川上
でもねぇ、一筋は、、
だめだと思うんだよね。

奥さん
一筋はだめだって、この人はよく言うよね。
だってそれしか知らないってことだから。

川上
いや、いろいろやっておくとねー
出てくるもんだよ、やっぱり。


たら
ああ、引き出しが。

川上
焼き鳥屋にもいたからね。

たら
ははははは

たら
そういうパン屋以外の仕事も含めて、
全部の集大成が今のお店っていう。

奥さん
そうそうそう。全部欠けてはだめっていう。

川上
ビデオ屋のときは死ぬほど映画見たしなー。
その時、音楽スタジオでもバイトしたことあって。

たら
へー!!

川上
それが一番おもしろかったかな。


たら
バンドの練習するようなスタジオですか?


川上
そう、キツかったけどね。
かけもちで深夜やってたから。


たら
でも、おもしろいってスタジオのバイトって、
受付に座ってるだけなんじゃないですか?

川上
そう、だから本を沢山読めた。笑


たら
はははは。本も好きなんですね。
ああ、松本大洋も好きっていってましたもんね!!
僕もこれみて、すごいいいな!!って思ってました。


シロとクロ

奥さん
はははは。


たら
そういう時間も大切ですね。

奥さん
いや、絶対ないとだめだぁ。刺激ないと。


たら
いや、なんかそれ聞くと
ちょっと救われます。
やめるときに鮨屋やめたら
生きてる価値ねぇなぁ。
くらいに思っちゃって。

奥さん
思ってたの?


たら
今でも少し、思ってます。

奥さん
え?どんだけ??
あははははは


たら
実際やめるときも、
もう鮨屋しかできないだろ。
と先輩とか、にも周りにも言われますし。

川上
警備員はできるっしょ。

奥さん
ははははは


たら
ああ、でも一番キツいんですよね。

川上
キツいよ!!笑


たら
そうしたら、鮨屋すばらしいなって
思うかもしれないですね。

奥さん
はははは、逆に警備員がさ、
すごい合っちゃうかもしれないしさ。
そんなのはわからないから。
30歳でもう鮨屋しかできないって思うの

たら
周りもそうやって鮨屋一筋でやってますから。

奥さん
ああ、そうかもね、
鮨屋の人って一筋の人多いかもね。
なんかちょろちょろしてないよね。
結構ルートもないと魚買えないんじゃないの?

たら
いい魚は買えないですよね。
取れる量が限られていますので。
やっぱり毎日買ってくれる、
十何年の付き合いのところには
いい魚を売りたいって思う気持ちもわかるんで。

奥さん
なるほどねー。

たら
市場に行かなくても配達してくれる会社もありますし、
あとは納め屋さんって行って頼んだ魚を市場で買って
届けてくれる人もいますけど、やっぱり、目利きが必要です。

奥さん
そうなんだ


たら
鮨屋の場合は美味しい魚を買える目利きと
付き合いがまず大切なことだとおもいます。

奥さん
それが第一条件だ。
いやー、すごい世界だね。

たら
パン屋さんも小麦粉買えないこととかあるんですか?
買いたい人はみんな買えるんですか?



川上
道産小麦はまだ収穫が安定していなくて、
突然取れなくなる可能性があって、
そういうときはまず、こういう店が切られる。


奥さん
小さい個人店ね。

川上
だからうちはまだメインには使えないよね。

たら
最近なんですか?道産小麦でてきたの。

川上
そう だね。
まだ、合わないパンもあって。
フランスパンに使うと
もちもちしすぎて
なにかわからなくなっちゃうんだよね。
だから全部道産小麦を使うと
全部同じような食感になって
飽きちゃう。




たら
ろっぱやのフランスパンは?

今日はここまで。明日に続きます。
読んでくれてありがとうございます。

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arinomamaki@gmail.com
今井たら竜介


【天然酵母】と【イースト菌】その2

川上さんは酵母が発酵していく過程を
見るのがすごく楽しいそうです。
見ていて、飽きないし、酵母の状態で
仕上がりが全然違うので、
毎日すごく刺激的みたい。
野球に例えると、毎日違うバッターに
投球している感じでしょうか。
相手のクセだったり、今日の調子だったり、
いろいろなことを感じながら、
毎日真剣勝負でボールを投げています。

僕も見せてもらいました。酵母とやらを。
「レーズン酵母」を仕込んでいました。
2リットルくらいの水に、干しぶどうを
つけてあるだけなんですが、それが酵母なんですって。
毎日、刻一刻と変化しているらしいのですが。
僕にとっては「干しぶどう水」でしかなく。
「川上さんすげーや。。。」と関心するばかりでした、、、。


かっこいいね、違いのわかる男は。





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