迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

名物と美味の微妙。

2019-11-04 16:21:00 | 浮世見聞記
デパ地下で、飯とネタを山葵の葉で包んだ「わさびすし」と云ふものに出逢ふ。紀州の古い鮨の形態を汲んだもので、出張販賣員の「和歌山県の郷土料理です」と云ふ言葉にふと旅情を覺へたことが、足を留めるきっかけとなる。と云っても、紀州へは大昔に道成寺を訪ねたほかは大して縁のない土地なれど、そのとき試しに購入した“なれずし”の厄介さは、今も印象が鮮明だ。さうした紀州のこの古態鮨、味はごく「素朴」で、舌の肥えた輩 . . . 本文を読む
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錦秋奮舞!

2019-11-03 18:10:00 | 現代手猿樂
今年も地元自治体が後援する文化祭に参加して、現代手猿樂「那須与一」を舞ふ。2019年はこの作品を多く演じたいといふ念願が叶ひ、これで三度目の上演となる。ただし今回は持ち時間が五分以内と決まってゐるので、その時間内に収まるやう少しばかり型を変へたが、もちろん舞ふ心持ちに変更はない。いろいろと“小書(こがき)”──特殊演出──を作っておけば、それだけあらゆる状況にも対応出来る、「財産」となるからの。そ . . . 本文を読む
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重要記憶財産。

2019-11-02 20:47:00 | 浮世見聞記
昨秋に創ったきりそのままになってゐた“新作”を、ほぼ一年ぶりに浚ってみる。覺書を見ながら何度か繰り返すうち、次々と記憶が蘇る。我が身体(からだ)の記憶力に、ただ感謝。それにしても……。「またエライものを創ったもんだな……」ひとつの“財産”をつくった昨秋の自分に、なぜか苦笑ひ。 . . . 本文を読む
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めざせ、せいぜいめざせ!

2019-11-01 17:19:00 | 浮世見聞記
目標……?そりゃもちろん、『日々を何事もなく過ごす』ですよ。台風、水害、そして近ひところでは首里城の全焼──日々何事もないことが、「つまらん……!」と感じてゐる日常が、実はいかに平和で有難ひことであるか、この2019年ほど思ひ知らされたことはありませんよ。そしてさうした日々は、何かをきっかけにして簡単にひっくり返さ . . . 本文を読む
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