迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

わすれじのいにしえ。

2014-01-01 21:26:05 | 浮世見聞記
数年間しまったままになっていた三味線を、ふと思い出して、引っ張り出してみた。


三味線はとてもデリケートな“生き物”ゆえ、皮が破損しているのでは、と心配だったが、箱から取り出してみると、まるで中で時間が止まっていたかのように、あの時のままの姿を、わたしに見せてくれた。


かなり久しぶりに手にとるはずなのに、わたしの手は、指は、なんのためらいもなく、あの時のままの音色を、紡ぎだす。


体で覚えたことは、生涯忘れない―


月日は巡れど、変わらぬものが、ここにある。
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