迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ほんとうのをんなのひと。

2015-05-20 19:19:57 | 浮世見聞記
東京都現代美術館の「山口小夜子 未来を着る人」展を見る。


彼女がトップモデルとして活躍した1970年代前半から1980年代後半にかけての時代は、わたしのちょうど生誕から少年期に当たっているため、彼女を見た直接の記憶はない。


しかし、今回展示された写真や映像が、この時代の彼女を克明に記録している。





いちど眼が逢ったら、

惹き込まれずにはいられない、

それでいてどこか近寄り難い、

ニッポン的な、

それでいてどこか違ふやうな、

そんなとらえどころのない、

東洋の女性(ひと)。





切れ長に彩られた双眸が、

蕾が開くやうに瞠(みひら)かれる瞬間、

彼女の美貌は、

いよいよ謎を深める。




真実(ほんとう)の芸術とは、

他人(ひと)が決して模倣(まね)できないものを云うことを、

彼女はその身を以て、

わたしたちに示している。







なるほど。



街なかを行く女性たちが、

どれもこれもつまらないものに映るわけだ。
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