迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

てつみちがゆく──本当の『東横特急』、我が手許で復活。

2018-09-16 00:55:22 | 鐵路
秋葉原の中古鉄道模型即売会へ出かけ、東急7000系と同じく9000系の二品を手に入れる。

東急9000系は東横線のブランドイメージを高め──もっとも登場時には横浜駅で一度脱線してゐるが……──、そして東横線が東横線らしかった時代の、最後を飾った名車である。

その高性能ぶりは、「特急」におゐて遺憾なく発揮された。

──武蔵小杉~日吉間の高架線を最高速度で走り抜けたあのたまらなさは、いまも忘れられない。

現在は五両に短縮され、大井町線の各停専門といふ、本来の良さが封じられた姿を見ると、残念と云ふより悔しくなってしまふ。

今回、御縁あって手に入れた模型では、せめて往年を再現すべく、種別はもちろん「特急」、そして方向幕は「渋谷」に。

東横線の上りは「渋谷」行きこそ相応しく、現在のやうな日本のどこにあるのか見当もつかない駅名を方向幕に掲げた東横線など、もはや“東急”東横線などではない。

そんな情けない姿を愛する9000系で見ずに済んだのが、せめてもの救ひか。


一方の7000系は、赤帯を自作して馴染みある7700系にむりやり仕立て、



美濃国へと売り飛ばされる以前の、本来の姿を偲ぶよすがとせり。


「形あるものは、いつかは滅びる」──

それを阻止する心があれば、滅びませぬ。
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