Three frogs which smile.

酒飲みは奴豆腐にさも似たり
初め四角であとは ぐずぐず

わたしゃ白身で きみを抱く

2004-11-26 | 中毒
寒い。
暑がりで寒いのが好きなあたいですが、
急に寒くなるとちとつらい。
だけど、今年は暖冬なの?
スキーにボードに行きたいんだけどなぁ。

よく、火を忘れる同僚が今朝もあたしに火を借りる。
Zippoがかわいいとほめられる。
それだけで・・・しあわせ。

異様に熱かったおでん。
焼き鳥のレバーにつくね。
肉まん。
鮭とばとビール。

毎日毎日夜中に差し入れをありがとう。
どれもこれもおいしかった。しあわせです。
そして確実に肉になってます。

・・・・ありがとう。

食べることがたまにつらくなるのですが、
このままぢゃいかんなぁと思っていたある日の朝ごはん。

ご飯のこげる香ばしく甘い薫り。

最近、あんた食べないからさ。
これなら食べるでしょう。
ままんと差し向かいのテーブルの上には

豆腐とわかめのおみおつけ、
ほうれん草のしらすとゆかり和え
きゅうりと大根の糠漬け
切干大根の煮付け
ひじきの煮物

あと。

なまたまご(笑)

久しぶりに食べました。
玉子かけご飯。

からざをとって白身を箸できる。
ぷつっとした黄身を抱く膜の弾力を楽しみつつとろっとした濃い
橙をゆっくり混ぜる。

ままんと半分こなので醤油の量は慎重にのの字。
色合いを確認してもらって、あっつあつのご飯の上にかけて。
七色唐辛子をちょこっと。

いただきます。

ごはん。おいしい。
たかが玉子かけご飯でなんかうれしくなってしまうあたし。
ちゃんと食べなきゃいけないなぁと改めて実感。
単純だ。

玉子料理はとっても好きです。
家でみんなで呑むことがあると必ずリクエストされたのが
出汁まき玉子。
出汁の量と玉子のバランスと、ふあふあ感。
玉子に味をつけてしまうので醤油はかけずに大根おろしかわさびをつけて。

大きめに豪快に作ります。

冷に合います。

オムレツも好き。
好みによりけりですが、玉子と牛乳と塩コショウ。たっぷりのバターがあれば。
バターの香ばしい薫りに牛乳のコクは定番でしょう。
森茉莉氏のオムレットについての薀蓄はこれがまたバタ臭くて、読んでいておいしい。
このときはバターは牛酪と書くべきか。
彼女の本を読んだ後、必ず食べたくなる一品。

ぷるんとした弾力のある肌にフォークでぷっつりと傷をつけると、
輝く黄色のふくらみから滑らかな甘い湯気が立つ。
中は半熟、優しい肌質のオムレツが出来ると、笑顔で皿にうつして台所に立ったまま
コップにワインを注いでいただきます。

至福のときなのです。

これの応用がオムライス。
ハッシュドビーフが残ったときは次の日にオムライスをします。
チキンライスはあっさりめにつくって、デミソースでも飽きないように。
玉子もあたしはあまりやりませんが、コーヒーのミルクをひとたらしするとコクが増すらしい。

小さめにまぁるく盛ったチキンライスにオムレツ乗っけて突端にナイフでぷつっ。
つるるんと弾んで黄色のベールが出来る。
子供にやらせるとこれがまた喜んでくれたりする。

最後に残り物のデミソースかけて終わり。
おこちゃまにはケチャップでもいいっすけどね。

ビールにも合います。

玉子料理はいわずと知れて時間と火力が命だったり。
なのでなれた台所でつくるのが一番好き。

みなさんの好きな玉子料理ってなんですか?
玉子アレルギーの方もいらっしゃるかもですが・・・

ちなみにあたしは

うずらのうでたまご

が一番好きかも知れません

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書いた後に気がついたが、今日は三の酉。
酉の市ではないですか。
福よこいこい。
三の酉がある年は火事が多いなんていいますが、どうなんざんしょ。
いつでもいろんな火の元に気をつけてお過ごしくださいませ。
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うずく胸の火照り

2004-11-10 | 中毒
昨日私は生まれて初めて見ましたよ。
自分の顔にいる「熊」。
今年は良く出てきてくれるようで・・・
もう若くは無いのだからと会社の人に言われました。
そのとおりですね。

こういうときにどうしても注意しなきゃいけないことがあるのです。
それは

食べ物。

葱・ナッツ・にんにく・揚げ物。

この4つ。
あたしは食べるととても身体が痒くなります。
ナッツも大好きだし、葱普通に食べることが出来ます。
にんにくは昔から食べ過ぎると気持ち悪くなるので適度なんですが。
疲れてなければ大丈夫です。
入っていないと物足りないものが食べられないのはとても悲しい。

味は好きだけど見た目が苦手なものもあります。
「甲殻類」
蟹・海老っすね。
蟹クリームコロッケとか、海老フライとかなら大丈夫ですが、
そのままの姿でお目見えされてしまうともう・・・
海老蒸し餃子を作るとき泣きながら脱がせました。
毛蟹も見ないようにして解体。

あの関節の動きといい、硬い殻に覆われている姿と言い
あやつはきっとよその星から来たものに違いない!
と思ってしまうのです。

あ。味は好きですよ。
おいしいっす。
なので蟹、海老は中身を取って食べさせてくれる人でないと一緒にはくえません。
そんな奇特な方はいらっしゃらないので、なるたけ「海鮮鍋」は頼まないのです。

一番困るのは蝦蛄(しゃこ)。
あれ、うでたてを食うのがとろけるほど旨い。
ですが、解体作業ははさみでチョキチョキなので余計に動きを感じるんです。

寒くなってきましたね。
おいしいものがたくさん出てきます。
あたしは「牡蠣」大好きです。
生でもフライでも、焼きでも鍋でも、ぷりぷりで濃くっておいしいっす。

でもね・・・
あたるんです。必ず。
7年ほど前でしょうか。
生牡蠣にあたってから必ず大ヒットするんですよ。
毎年試してみてますがどうしてもだめ。
去年は牡蠣キムチが一等賞!3日は何も受け付けませんでした。
2等賞は牡蠣フライ。1日は寝てたかな。

あたるのをわかっていて何故食うんだ。
そうおっしゃりたいのは良くわかる。

でも、おいしいんだもん。
今年は何で試そうかな

好き嫌いはありませんし、食わず嫌いも好きぢゃない。
なんでも食べてみます。
普通の日本人が食べるものは多分大丈夫でしょう。
蜂の子、ざざむし、イナゴは足をはずせばおけーですぜ
カエルもくったし、亀もくった。ダチョウ、ワニも食いました。
熊も鹿、猪、兎に鳩。
出された命はなるべく感謝していただくことにしています。
残すときは本当にごめんなさいと思います。

卵食ったり子供食ったり、親食ったり。
ベジタリアンにはならないけれど、やっぱり雑食としているからには
おいしく感謝して食べないとねぇ。

そばにいて

2004-11-08 | 中毒
あぁ・・・固形物が食いたい。
誰が考えたんですかね、ゼリードリンク。
アルミパックでちゅぅっと吸う奴。
この一週間あればかり食ってました。

宇宙食っぽいなぁと昔は思いましたが、忙しいときはお世話になってます。
あたしは気がつくと液体しか摂取していない日があります。
お茶、コーヒー、ゼリーに酒。
肴を作るのは好きですが、基本的に呑む時は食べない。
それが連日続くとですね・・・

噛みたい
噛み応えがあるものをいつまででも噛み噛みしていたい。
ガムよりも硬い噛み応えを求めてます。

だがしかし、今どうしても食べたいものがあり、なおかつそれは噛まないものなのです。

「蕎麦」

麺類が続いても何の苦にもなりません。
その中で一番蕎麦が好きだったりします。
忙しくないときは週に一度は蕎麦屋で飲んでいたりします。

板わさか穴子天、季節によっては山菜のわさび漬けでもいいや。
そんなのをちょろっと頼んで、日本酒か焼酎の蕎麦湯割り。
ぐびりぐびりと味わいます。
お銚子3本倒したところでやっぱり盛りでしょう。
まづは山葵だけちょとつけてたぐる。

先に頼んだものがおいしかったら多分蕎麦もいけるだろうと踏んでいるのですが、
この一口がだめだともう無言です。
蕎麦の薫りとのど越し、舌触り、味に関しては言わずもがななのです。
どれか欠けても二度といくもんか!と思います。

で、そばつゆつけていただきます。
蕎麦の薫りと出汁の薫り。
壊さないようにあわせられたバランス。
田舎蕎麦には甘めでしょうか、更級には辛めでしょうか。
太さもありますしね。
最近は薄めに作ってあるようで蕎麦湯を楽しみにしているあたしとしては物足りない。

こうなったら蕎麦屋の食べ歩きでもしてみようかとも思うけれど、
蕎麦だけじゃすまないあたしとしてはちょっと遠出はつらいのよね。
これがまた、記憶力に自信が無いのでどこのを食ったのか覚えてない;;
店を見るとわかりますが、二度と来るか!と思った店ほど勘違いで入ってしまうあたし。

よく見るサイトは東京蕎麦食(とうきょうそばく)
リンクも充実でうまそうなのです(笑)

用があって横浜に行くときは必ず蕎麦食います。
あたしにとって横浜は中華じゃなくって蕎麦だったりします。
だがしかし店の名前がわからない。
住所も知らない。
足と舌が覚えているお店なのです。

何かココロに悩みがあったり、誰にも言えないことをふと吐き出したくなったとき、
うれしいことがあった時、お願い事があった時。
なぜか行きたくなる、聞いて欲しくなると横浜のある場所に足が向かいます。

ひとり缶コーヒーと煙草をもって畳の匂いをかぎつつ坂を登る。
広い場所のなかを迷い迷い、名前を呼びながらたどり着く。
しばらく話を聞いてもらって一緒にコーヒーと煙草。
ほっと息をついて手を洗い、もと来た坂道を下ります。
角を曲がるとそこにある。
小さなころから変わらないパブロフの犬な場所です。

そろそろ話を聞いてもらいたくなってきました。
月の終わりになるでしょうか。
蕎麦を食べに行き、散歩をして、飲茶でもして帰ろうかな。

しばらくネタとして出してないのですが
有名な都都逸を一節。

信州信濃の新蕎麦よりもあたしゃあなたのそばがいい

都都逸どいどい、浮世はさくさく。

あたしの酌ぢゃぁご不満でしょうが

2004-10-15 | 中毒
なんだかどんどん寒くなってまいりましたね。
みんなで鍋を囲んであったまりたい季節です。
鍋物はもちっとさぶくなって、気持ちも盛り上がってからという感じなのですが、
今日は『おでん』でございます。

嫌いな方も結構多いようで、そしてあたしと交際した殿方たちも殆ど嫌いだったようです。
暖まって、楽なのに・・・
なので大抵ひとりおでんを楽しんでました。

肉屋のおでんはおやつだったなぁ。
ビニール袋に玉子、しらたき、練り物ひとつ。
おつゆをなるたけ沢山入れてもらって、公園で友達と話しながら。

お店のおでんもまた良しです。
味のしみた焼き豆腐。
厚揚げに大根。
変わり者はトマトや水菜。
のど越しのいいさっぱりとした酒に良く合います。

家のおでんは家庭の味だもんね。
そのご家庭によってさまざまなものが変り種として入るのでしょう。
ロールキャベツやオムレツを入れるところもあるらしい。

おでんの屋台は定番かな。
上野の不忍池の周りには年がら年中いらっしゃいます。
もう、煮えきっちゃったはんぺんや、こんにゃく、ちくわぶをかじる。
昼間っから冷や燗酒で出来上がっちゃったおやぢさんたちにまぎれて食べるひと時の幸せ。
中学生のころは300円持って自転車に乗り上野まで散歩が週末の楽しみでした。

落語の「かわりめ」
いつも女房に迷惑をかけてばかりいる亭主と、散々文句を言いながらも尽くす女房のいい関係。
酒の肴が無いので横丁のおでんやに買いに行く。
鏡の前でちょっと化粧して。
(ここがかぁいい。こういう女房にあたしはなりたい)
焼き豆腐に、八つ頭、はんぺんなんか見繕って。
普段は亭主関白で文句をたれている亭主が女房の出てった時に本当は感謝してる。
ありがたい。そんな言葉を独り言。
(こういう夫婦にあたしはなりたい。かわりめ。とっても好きな噺)

横に話がそれましたが・・・
おでんの種って皆さん何が好きなんだろう。
定番は
大根、玉子、はんぺん
かなぁ。

ちなみにうちの家族が好きな種は
父:「すじ」(関東の練り物のやつね)
母:「じゃがいも」
あたし:「しらたき」

でしたねえ。
共通に好きだったのは「こんにゃく」と「つみれ」
最後に残るのは玉子ばっかりだった気がする・・・

皆さんの好きなおでんはなんでしょうかねぇ。

おけがなくっておめで鯛!

2004-09-28 | 中毒
落語の「大山詣り」ぢゃないっす。

「鯛」

下ごしらえさえしてしまえばもう飽きずに全部いただけてしまうお魚さんでございます。
鱗を取るのと骨を切るのが出来ればいいのですが大抵は「かぶと・あら」か「切り身」でお求めでしょう。

鯛の料理の前に必ずするのは鱗と小骨チェック。
これを忘れると口の中が痛い目にあいます。
骨は骨抜きでぴぴぴと。
背の部分の小さい鱗も忘れずに。
見つけた場合は包丁を尾っぽの部分から当ててこそいで。
鱗がはねるので気をつけてね。
そういえば、皮がついているものもあんまりないのでしょうかねぇ。
皮付きだったらやっぱり湯引き。

まな板の上に皮を上にして布巾かペーパーナプキンを乗っけたところに熱湯を。
皮がちりりとなったらすばやく氷水の中へ。
ぴっと身が締まったら水気を切って刺身切りにしてかぼすを絞ったり、梅肉でいただいたり。
皮のぷちっとした食感と〆たことでぐっと味濃くなった鯛の風味をあっさり。
冷酒のきりっとしたのど越しにあいまする。

柵もただ刺身にして出したんぢゃ飽きちゃうから、いろいろ楽しみます。
酒と塩を振って昆布に巻いて2、3時間寝かせて昆布〆。
これに特製昆布〆貝割れ大根を添えるともう、何杯でも呑めちゃうんです。
昆布、貝割れ、塩、昆布、貝割れ、塩の順に乗せてって2,3日寝かせるだけ。
昆布でとろっとしてるんだけど貝割れの辛味がまろやかになっていいんです。

刺身切りした身をしょうゆ、煮切った酒、ごま油に高の爪少々に漬けて生野菜と和えたり。
しゃきしゃきの野菜にぴりっとぷりっとの鯛の歯ごたえがたまらんのです。
残った普通のお刺身も煮切った酒としょうゆに漬けてあつあつご飯の上に乗っけてだしをかけて胡麻かけて定番鯛茶漬け。
だしも鯛のあら骨とちょっとだけの塩と生姜で取ったお澄ましだとうれしいっす。
ここにも昆布〆貝割れ添えて。

切り身で残った身をちょっと塩振ってふっくら塩焼き。
それをすり鉢でゴリゴリごりごり。
味噌、みりん、さとうを少々加えてまたゴリゴリ。

冷奴に乗っけてもあったかいご飯に乗っけても、お茶漬けにしたっておいしいん。
そのままちょみちょみつまんでもいいしねぇ。
鯛を焼いてあるのでほのかに香ばしくって、ふわっとした甘さがあるのでやっぱりお酒がすすみます。

かぶとはもちろん定番「かぶと煮」でしょう。
こっくりゆっくり醤油と酒とみりんで。
落し蓋の間からのぼるあまじょっぱい薫りが好き。
箸も使うけど、ここは手でいただきたい。
骨の髄まで吸い尽くす感じで。
そんなにひもじい思いはさせてないよ。ぐらい言わせたい。
なので、家族の前でしか食べません。

小鯛は鱗をとって内臓とって湯引きしてきれいにして、塩振ってと最初の手間はおんなじ。
そこからはそのまま昆布と塩と酒を入れたお米と一緒に炊いて鯛ご飯。
三枚におろして酢で〆たり、そのまま潮汁にしたり、その潮汁でそうめん食ったり・・・
南蛮漬けにしてもあっさりでおいしいっす。
一度揚げてあるのでこくがあるし。
そのまま酒蒸しも捨てがたい。

お澄ましで残った骨も天日で干して細かにしてふりかけって思うけど、
これだけ食ってそんだけ呑んだあとですから、そんな余力は無かったりします。

酒呑みってしあわせ!
(懲りてないのがよく分かる)

写真はもちろん、鯛を食べたら「鯛の鯛」

あなたと二人 甘露なひとくち

2004-09-23 | 中毒
毎日毎日呑んだくれているのですが、呑むときにつまみってあまり食べません。
最近とみにその傾向が強く自分でもいかんなぁと思うしだいであります。

ちょっと友達を招いてとあらば腕によりをかけてメインやら作ったりするのですが、
自分ひとりだとなかなかどうしてつくる気にならない。
ものぐさものはいけません。

やっぱりおいしいお酒をおいしくいただくには肴は大切な脇役だったりします。
秋イカと呼ばれるアオリイカ。
ぷりっぷりで上品に口の中でほんのりとろける秋のイカ。
新鮮なものはやっぱり塩辛。刺身もいいっすけどね。
肝を壊さないようにぷつっと張りのある腹に手を入れてはずし、ぴんとした背骨を抜きとります。
とんびの先の肝の付け根を崩さぬように包丁ではずして。
このときに墨は取っておきます。
水気をやさしくとってあげて振り塩を軽く。
すんごい新鮮だったら肝と墨を合わせて味噌と酒とみりんで伸ばして、げそかなんかを和えてホイル焼きに。ゆずの皮をあしらってもよい感じ。
日本酒にあいまする。

げそと胴はよく塩もみ。このときにげその吸盤のとげとげをきちんととっておきます。
で、ぬめりと水気はよくふき取って。
皮は剥いだら「白つくり」、墨を入れたら「黒つくり」って言いますが・・・
皮はつけておくのがあたし流。だってめんどくさいから。
肝に塩を振って1,2日寝かせておく方もいるようですが、そんなことはしないの。
だってめんどくさいから・・・

烏賊2杯に肝1杯分で、塩加減はちょっときつめに。
肝はにじんだ水気をまた軽く取ってから漉して塩を混ぜてその中にエンペラ、胴、げそを分量良く。
最初は塩が濃い目でも日がたつにつれて烏賊の歯ごたえもでてまろやかさも増すの。
塩辛さが気になったら少しだけお酒を足すと甘さがたちまする。

つくりたて良し、寝かせて良しの愛い奴です。
冷奴の上にあしらったり、キムチの刻んだのに和えたり。
こっちは焼酎でいただくのがすき。
だがしかし・・・塩辛はめんどくさい。いつだって新鮮な烏賊があるわけがない。

その点豆腐って子は万能で、なんとも旨い役者だったりします。
よく水を切ったお豆腐がニクイんです。

ごま油を熱してそこに粗みじんに刻んだ葱と生姜。
ちゃっちゃと炒めて、香ばしい香りがしてきたら水切りしたお豆腐半丁。
木ベラでもうがしがしと崩して混ぜ炒め。
そこに粗みじんに刻んだ塩抜きしたザーサイを。
良く炒めたら塩、しょうゆに最後にちょっとだけラー油をたらり。

ボリュームが欲しかったら溶き卵でまとめて。

山芋があれば梅和えがあっさり。
皮をむいた山芋を厚手のビニールの中に。
すりこ木で上からわっしわし叩きのめす!!
つぶは大きめに残してその中に種をとった梅肉を。
このときの梅はできるだけ甘くないのがあたしは好き。
少しだけしょうゆをたらして、ビニールの上からもみもみ。
満遍なく混ざったらお皿に移して山葵を添える。
そのままでもよいし、出汁巻き玉子にのっけたり、海苔で巻いてもありです。

このときの海苔は板海苔、直前にあぶって香ばしく。
ぱりっとしてない海苔なんて、口に残っていけません。
刻み海苔もぱりっとあぶればはさみで細くあしらえるん。
めんどくさがっていてもこういう不精は野暮だと思う。
湿気てしまったら細かくちぎって鰹節としょうゆ、水、みりんで良く煮詰めて佃煮です。
これは山葵と一緒にかまぼこに乗っけて。
つくりたては味がとがりますが、それもまた良しです。

手あぶりはさすがにありませんが、日高焜炉はお酒のよき相棒だなぁ。
先の塩辛だって熊笹の上に乗っけてあぶればまた香ばしく、すすみます。
海苔もまたその上であぶればいいのです。

それからなんと言っても朴葉味噌。
朴葉はゆっくりと湿らせておいて、その間に味噌の準備。

田舎味噌を少し漉して滑らかに。そこにみりんを足して甘みと滑らかさをだして。
で、粗みじんに刻んだ葱、椎茸、銀杏を入れて良く混ぜます。
(あたしはその中に良く水切りして乾煎りした豆腐と糸こんにゃくを入れます。
糸こんはやっぱり粗みじんで灰汁抜きして乾煎り。)
10分ほど湿らせた朴葉の水気を拭いて味噌を薄くぬって。
あとは焜炉がちりちりとあっためてくれます。
箸でちょみちょみつっついて。
味噌の焦げた香ばしい香りがたまらんの。
つっついて出てきた味の染みた椎茸や糸こんにゃくの歯ごたえの違いが楽しいし。

こういったものは少しでいいので、大抵焼いても残ってしまったり。
それを冷ご飯の上にちょとのっけて。
あっつい緑茶をかけたらもう・・・呑んだ後のお楽しみなんです。

小あじを開いて塩水の中へ。
1,2時間寝かせて水気を拭いたら篭にのっけて秋の日差しと風の元へ。
あ、虫除けネットは必須。
天気のいい日に朝早く出しておけば夕方には小あじだったら半生の干物に変身。

もちろん日高焜炉に乗っけて・・・
じっくり炭で焼くもんだから中はふんわり周りはぱりぱりです。
半生なのでじゅわっと脂がにじみます。
もちろん頭からいただきます。
めざしは脂がたれ過ぎるのでお薦めしませんが、シシャモくらいならふっくらぷちぷちの熱々を手でつまんで。

おっと、忘れてた。
烏賊をさばいたら忘れちゃならないとんび。
口ばしをきれいにはずして串へ刺して。
遠めに塩を振っておいて日高焜炉の上にかざします。
やっけるっかなー♪まっだかなー♪
ちりりと塩が浮き出てきたらカボスやすだちを絞って。
つまみができる前に渡しておけば結構楽しくおいしく待てるものです。

こんなかで何か一品あればしあわせ。
欲張りかな?

あれも食べたい、これも食べたい

2004-09-02 | 中毒
子供のときに読んだ本って何ですか?
夏目漱石とか、江戸川乱歩とか?
はたまたリンドグレーンとかマークトゥエイン?

あたしは小さいころは本の虫でした。
もらったお年玉を引っつかんで岩波や講談社、新潮社などの本店まで行き本を買いあさってました。
残ると古本屋街で物色です。
リュックサックに買った本を詰め込んで、手には紙袋を提げて歩くんです。
今考えるとものすごい根性でした。
家に帰るとそのままソファーベッドに陣取り、うずたかく積みあがった本を片っ端から読みふけるのです。
時間があるって本当にいいわぁ。

今でも思い出すものに共通しているものがあります。
それは「食べ物」。
食い意地街道まっしぐらです。

ワイルダーの「大きな森の小さな家」のシリーズは次から次へとおいしそうなものが出てきます。
楓の木の樹液を煮詰めて作ったメープルシロップ。
さらに煮詰めてとろっとしたのをきれいな雪の上にたらしてできたメープルキャンディー。
おとうさんが豚を一匹さばいたときにもらえる尻尾の焼いたの。
熊の足の燻製、バター作りでできたバターミルク。
おかあさんが唯一遊んで食べてもいいって言ってくれるかぼちゃの料理。
ポップコーンや薄荷キャンディ、お肉にかけて食べるグレイビーソース。

うまそうなんです。
(あたしはこのシリーズの料理本まで持ってます。作ったことはないんですが・・・)

大石真氏の「チョコレート戦争」も忘れられません。
あたしはこの本で初めて「エクレール(エクレア)」を知ったんです。
友情をとるか?!クリーミーであまぁいエクレールをほおばるか?!
ケーキなんて特別なときにしか食べたことがなかったん。
エクレアを見ると思い出します。でも、ただのおいしい話ではなくって、
納得のいかないことに対して一生懸命ぶつかっていく子供の気持ちが気持ちのいいお話です。

グートルン・メブスの「日曜日のパパとママ」には甘い紅茶とサンドイッチが出てきます。
主人公の「わたし」は孤児で引き取ってくれるやさしいママを待っています。
やっと出会えたママ候補の家に遊びに行って出されるのがこの砂糖を入れた甘い紅茶。
「わたし」はそれを飲む事ができずじゅうたんに粗相をするのです。
愛されたい、嫌われたくない、独り占めしたいという「わたし」のココロの葛藤とママ候補の女性の自然な愛情表現が好きなお話です。

どうしてもこの本をもう一度読みたかったのですがタイトルがうろ覚え。
ほにゃ曜日のままとぱぱ?ぱぱとままとのほにゃ曜日?
必死にネットで探した挙句、内容を確かめるときに聞いたのがこの「甘い紅茶」のくだり。
再会出来てうれしかった1冊です。

宮沢賢治氏の「銀河鉄道の夜」。
おかあさんに角砂糖の入った牛乳を飲ませようとするんです。
そしておうちでたべるねぇさんが作ってくれたトマトでつくった料理。
でも、何よりも食べたいものは雁。
鳥を取る人が荷を解いてカムパネルラとジョバンニに足を折って食べさせてくれるあれです。
男が平べったくなってくっついている雁の黄色い足を引っ張るとすっとはがれるんです。
チョコレートよりももっとおいしいけれどというんです。

鷺を食べるには時間がかかるらしいんです。
天の川の水あかりに十日つるすか砂に三四日埋めるらしい。
水銀を蒸発さしてからたべるん。

ね、興味ありません?
まだまだありますよぅ。
「もりのへなそうる」のサンドイッチ、「チョコレート工場の秘密」のチョコバー、「おだんごぱん」のパン、「からすのぱんやさん」に出てくるいろんな種類のパン。
「たのしい川べ」のコールドチキン、「霧のむこうのふしぎな町」のお菓子、「クレヨン王国」のキューピーの御者が食べたチーズ・・・

あとねぇ、本じゃないんですけどね。
食べたくありません?がぶっと。

マンモーの肉・・・

復活したつもり

2004-08-26 | 中毒
風邪をひきました。
体調不良です。
そんなブログを昨日書いたわけですが、いろんな方からお見舞いメールを頂きました。
どうもすみませぬ。
ご心配をおかけしたようで・・・復活です。
咳はまだ多少出ますが、ばりばりっと元気になりました。

会社の皆様には「(うつると嫌だから)早く帰りなよ」と追い払われ、とっとと家に帰って寝たわけです。

滋養をとらにゃぁ治るものも治りません。
お気に入りの鳥屋さんで小間肉を購入。
そこのはモモやら胸やら捌いた後に残ったものなんです。
安くて味が濃いのでオムライスとか親子丼向きで好きです。

で、葱を買おうと思ったのですが八百屋のおいちゃんが不在・・・
仕方がないのでその鳥屋のおばちゃんに断って葱を頂く。
後払いがきくのが下町。(つっても結構セレブな街として有名どこなんだけどなぁ。)

家にあった生姜、鷹の爪(輪切り)、ゴマ、中華だしで風邪対策スープ調合。

これ、結構効きます。食欲がまだあるときにおすすめ。
用意するのは
鶏肉細切れ少々、葱1~2本、生姜ひとかけ、白ゴマ、中華だし、水、塩コショウ、ごま油。
(お好みでにんにくちょっと、鷹の爪輪切りちょっと、水溶き片栗粉、酢、玉子、ごはん、大根、にんじん)

中華なべ(フライパン)にごま油ちょっとだけ入れます。
強火で熱しておいた中に粗微塵の生姜と白ゴマを入れて馨りをだします。
(白ゴマがはじけるのが怖かったら葱と一緒に)
お好みでにんにくの粗微塵と鷹の爪の輪切りをちょっと入れます。

薄く斜め切りにした葱をたんまりその中へ。
太さ、大きさにもよりますが1~2本、青いところも含めて入れてしまいます。
手早くぢゃっぢゃといためます。

※大根とにんじんを入れるときはこのときに。
薄く短冊状に切った奴を一緒に炒めてしまいます。
(出来れば中華なべなのは菜ばしでやるとくっついたりうまく炒められないん。中華なべとお玉のコンビがオススメ)

葱がくたっとして焦げ目と馨りが出てきたら鳥の小間切れを。
ここでも手早くちゃっちゃと炒めます。
で、塩コショウ。
(中華だしの味があるので塩は控えめ)

ある程度鳥に火が通ったら水と中華だしで作ったスープを入れます。
ここでぐつぐつ煮たら灰汁と余計な脂を取ります。
味見をして薄ければ塩を足してくださいませ。

これで出来上がりです。

お好みで溶き玉子を落としたり、火を止めた後水溶き片栗粉を入れたり、少しだけ酢を入れるのも好きです。
これを冷ご飯にかけるのもまたボリュームが増します。

生姜に葱、鳥と風邪に効くと勝手に思い込んでおりますが、体が暖まってよいんです。
注意するのは脂。灰汁と一緒にある程度とるのがポイント。

脂はどうもいやだし、あっさりがいいな。
でもおかゆは飽きたという方には小間肉をささみのうがいたのに変えて。
生姜、葱、白ゴマをテフロン加工のフライパンで油なしで炒め、
くたっとしたら酒、醤油で味付け。
冷ご飯の上に味付けした葱たちとささみのうがいたのを乗せます。
熱くしておいたカツオと昆布のあわせだし(ちょっとの塩で味を調えたもの)をかけて。
細切りにした海苔か青海苔でも乗せれば完成です。

おかゆも好きですがそれは作ってもらいたい派なのです。
作る余力と食べる気力があるときに。

余談ですがあたしは鳥のささ身が大好物だったりします。
その鳥屋で買うささみがべらぼうに旨い。
ぐらぐら煮立ったお湯にお酒と塩。
ぷりぷりのささ身を入れてうがきます。
うがきすぎはいけません。これは気を抜かずにころあいを見計らって氷水のなかに。
熱々もいいのですがそのまま出しておくとやっぱりばさばさ感が残ります。
冷えたら水気をふき取って完成。
ほぐして梅肉と和えても、わかめときゅうりの酢の物に加えても旨いです。

一番オススメはそのまま手で掴んでもきもきと食べる。
ぷりぷりで滑らかであっさりしてるけどちゃんと味のあるささ身がよいんです。
如何でしょうか?

たいせつなもの

2004-08-24 | 中毒
映画を観るのが好きだったりします。
が、あんまり映画館までは足を運びません。
昔好きだった映画を繰り返し観たりします。

でもって最初っから最後まで泣くんです。
もしくは笑うんです。

人前で泣くことは殆どありませんが、映画と本、芝居はまた別の話。
もう人目もはばからず号泣します。
そういう涙は溜めておいてもなんにもならないと思うから。
泣いたほうがいいとは思うんですよ。
ただ、感情を顕にして泣くよりもやることがあるんではないかと思う貧乏性なんです。

一度観てもう二度と観ることができないだろうなぁと思うものもあります。
それは面白くなかったわけでもなく、残虐性もない子供から大人まで楽しめる作品だったりします。
「スチュワート・リトル」
ねずみが嫌いなわけではないです。あまり好きではないですが。

ねずみのスチュワートが人間の家族と仲良くなり家族として迎えられるんです。
ただ、飼われていた猫は面白くなくってスチュワートに意地悪をします。
猫の作戦にはまって遠くに連れ去られたスチュワート。
家族は誘拐だ、迷子だと大騒ぎ。
みんなで撮った家族写真からスチュワートの部分を切り抜き、捜索依頼のポスターにします。
やっとのことで家までたどり着いたスチュワート。
他の動物たちに人間とはうまくやっていけないといわれていた彼。
絶対にそんなことはないと断言していた彼の眼が見たのは自分の顔が切り取られた写真。

驚きに加え裏切られたとき、ココロが深く傷ついた表情。

誤解なんですけどね。
あたしはその表情を見ることが本当に嫌なんです。
吐き気がするほど嫌なんです。
自分がたくさんそういう顔をした記憶があるから。
でもってそういう顔をたくさん見たから。
そういう顔をしたくはないし、させようとも思いません。

ヒトは生きていく中で少なくとも一つは大切なものを見つけられるんではないかなぁと思ってます。
それは自分のことでもいいし、他の事でもいいんです。

ふとココロが揺らいだときに読む漫画があります。

西原理恵子氏の「ぼくんち」
それはものすごく悲しくて切なくて厳しくて。
だけど優しい愛な話です。
言葉に置き換える事が出来なくても、何が自分にとって大切なのかわかってるんです。
結構不幸な話です。
でも、純粋にまじりっけなく、直球に自分にとっての大切なものを守ろうと言う曲げないココロがあるんです。
ひとって捨てたもんじゃないんだって思います。

裏切られること、疑われること、傷つけられること。
生きていればたくさんありますわな。
でもって自分の過去に過ちがあったために大事な人を傷つけたり、迷惑をかけたりすることもあります。
過ちの責任を取るということ。過去を背負うということ。
些細な過ちでもその代償は大きかったりします。
だから、過ちを犯してはいけないと自分を見てくれている人は言ってくれるのです。
(まぁ、自分に迷惑がかからないようにっちゅう保険って事もありましょうが。)

過去は消せません。
がやり直すことは出来ると思います。
その過去の責任を放棄しなければ。
そして生きていくのには自分を支える手綱が必要だと思うのです。
たいせつなもの。
今は見つけることが出来なくてもきっと出てくるんじゃないかなぁ。
人のつらさや苦しみはその人にしかわからないものだし、
幾ら楽になれるからと言われても軽々しく「わかる」とか「大丈夫」とか「なんとかなる」とか言えません。
その責任を背負って立ち上がってこなければ、沈むだけなんです。
誰も手を差し伸べることはないし、期待してはいけないんです。

自分の力で背負って、立ち向かい、守ることが出来るようになればいいねと思ったりします。
自分にそうやって言い続けています。

そうそう。
スチュワート・リトル。
結局誤解も解けて楽しくみんなで暮らすハッピーエンドな作品です。たのしいっすよ。
ストーリーは自分のうろ覚えなので間違ってるかも。
でも合っているかは確かめませんよ。

恋しい

2004-08-23 | 中毒
あなたに会わないとわかっているから
化粧をする気もおこりません
あなたに触れることはないと知っているから
爪を染める気にもなりません
あなたを見かけることなんて無理だと言い聞かせているから
コンタクトもしていません

あなたと言葉を交わすことはないと気づいているから
楽しかったことを思い出そうとはしません
あなたからメールが入るなんてないと思っているから
携帯を見ることはありません

恋しい


そーんな艶っぽいことも切ないことも全くなく、掃除に明け暮れやっと布団がしまえるような生活に嬉々としている次第です。
そして、あたしが化粧をしなかったり、爪を塗っていなかったり、メールも確認しないのは単なる怠惰の表れです。

やっと居候生活から抜け出してきた気がします。
まだまだですが。

肌寒くなってきましたね。
まだ学生の夏休みは残っているのでしょうが、もう秋の色が深くなってきているように思います。
温泉で一杯。なんて出来たら幸せです。

最近巷では混ぜもんだ、偽もんだとにぎわっているようでねぇ。
あたしはあまり温泉詳しくないし、入ったと思えば幸せだし、上げ膳据え膳結構結構です。
なぁんも気にせずにのんびり出来るだけでも幸せです。
広いお風呂に檜やおもての風の馨りを堪能して、ぼけーっと月を眺めてみたら、自分を磨ぎ清まして頂けそうでありがたい。

ただ、だまそうって言う了見はいけません。
人を騙して金儲けなんてそんな腹を持って生きるのはあまりにも悲しいぢゃないですか。
温泉宿の経営って大変なんでしょうねぇ。
以前泊まった宿(そんなに安宿ではなかったような)で、冷凍且つ色の変わった鮪の刺身が出てきたことがありました。
それは単価に換算したらいくらくらいになるんでしょうかねぇ。
そんなん出すくらいなら、ちょっとした蒲鉾にわさび漬けでもいいんですが。
なんで刺身を出したがるのか。
あとはくたっとしなびたてんぷら。
油食ってんだか、ゴム食ってんだかなんだかわからない。
つべたいものはつべたいうちに。
熱い物は熱いうちに。
それが出来ないってわかってんなら出さんでよろしいん。
冷めても旨いものを、質素だといわれているものでも工夫して出せばいいんです。

形式でなく喜ばせるココロがないと又来たいとは思いませんもんね。
去年、お正月をスキー場で迎えようと大晦日の日に泊まった安い民宿。
温泉ではありませんが広くて心地のいい温度と清潔感のある風呂。
おこたにみかんに石油ストーブ。
部屋は狭くて6畳有ったかなぁ。
雪の匂いとたたみの馨りがして落ち着くんです。

食事も宿で拵えたというお米に同じく自家栽培の野菜をふんだんに使ったメニュー。
食前酒はおばあちゃまと奥様のお手製のものの中からチョイスして。
山菜のおひたしに、山芋を蕎麦状にしたものに梅肉を和えさっぱり。
青菜とえのきの和え物や蕗の煮物に芋のころがしたの。
鯵と鳥のフライも熱々でおいしいん。
お米はふっくらで味が濃く、お澄ましも山菜に茸に具沢山。
最後に茄子のシロップ漬け(ほのかな甘さに茄子の歯ごたえがあって上品でした)

宿泊客全員そろってにぎやかに頂くのもまた味の一つかなぁ。

で夜、隣のテレビ観戦の音を聞きながらおこたで暖まってるとノックの音。
「季節物ですので、年越し蕎麦をお持ちいたしました」
つべたくて鰹と昆布の馨りが鼻から喉に抜けるような出汁に負けない馨り豊かな蕎麦。
腰がしっかりしていて、山菜の風味が効いている贅沢な一品でした。
おこたで温まった身体がすっきりです。

ホテルも捨てたもんぢゃなかったりします。
アメニティやすっきりとしたサービスもさることながら、テーブルで差し向かいでする食事もいいものです。
鯛の御造りをお願いした後、その鯛の粗を使ったお澄ましを頂いたことがありました。
皮は焼いて香ばしく、粗から出たお出汁と昆布の風味に柚子をあしらって。
中には地元の特産だと言うそうめんが添えてありました。
このそうめん、喉越しもよいのですが油や粉の余計な匂いがなくっておいしいんです。
鯛と昆布の優しいお出汁によくあっておりました。

昔から民宿びいきなのですがそのときの求めている気分に合わせて宿は選びたいものですねぇ。
って言うか、食ったものでの判断なのか?あたい。

風邪を少しひきました。
喉に痛みがあってぼーっとしてます。
こんなときに私が恋しくなるのは一緒に布団に入ってくれる暖かい人肌や介抱してくれる愛しい人ではなく、
「鍋焼きうどん」。
「味噌煮込みうどん」でも可です。

楽しみなのはうどんを頂いた後中に落としたたまごの黄身を、白いご飯の上に。
残った野菜とおつゆを少しかけて黄身を割りほぐしながらお箸でかっ込む。
葱と味噌、もしくは醤油の馨りと黄身のこってり感。
汗をかいていただきます。
恥ずかしながら好きなんです。野暮飯。汁かけ飯。
食欲があるうちに治さないとなぁ、いかんなぁ。
だけど、風邪を引いて弱っていることを伝えたかったのになんで食い物の話になってしまったのでしょう。
いぢきたないというか、食い意地のはっているというか。
すみません・・・

「綿菓子みたいな」夢を抱き

2004-08-22 | 中毒
六畳一間のアパートで、猫の好きなお嫁さんと、子猫のチィのお話。
長田弘氏の『ねこに未来はない』
の話ではありませぬ。

実家に戻って早2ヶ月強。
ずっと6畳の和室にいたのですが、たんすが2棹あるうえにロッキングチェアまである。
せ、せまい。
布団をしまうところもないので敷きっぱなし。
狭すぎます。

本日は自分の過去の清算と(昔の会社の給与明細、写真、学生時代のレポート云々)
ママンの着ない服、ごみ等を捨てていただきました。
あぁ、あたしの過去はなんと捨てるものの多い事か。

やっと押入れも空き、布団をしまえる様になり何とか暮らしていけそうです。
本もそのうち落語、吉原、歴史、その他小説、児童書、絵本、漫画と分けるんです。
えぇ、そのうちです。

最近読んだ本で
興津要氏の「落語家 懐かしき人たち」はちょっと昔の師匠方のお話で大体お顔も声も思い浮かび、
大変興味深く読ませていただきました。
志ん生師匠,金語楼師匠,三平師匠,金馬師匠,三木助師匠,文治師匠。
豪華だ。豪華すぎる顔ぶれだ。

志ん生師匠の艶話は何でいやらしさがなくやさしいのか。
金馬師匠の噺の作り方は何で入りやすいのか。
三木助師匠の芝浜はなぜほかと少し違うのか。

皆さんほんとにやさしいんだなぁって。
そして芸事に対して本気だったのだなぁと思うんです。

あとは今村信雄氏「落語の世界」
これがまたこの本細かい!
既出の「笑いの狩人・江戸落語家伝」を読んでから、
「落語家 懐かしき人たち」を読み、この本を読むとじっくりわかったりします。
細かすぎて何がなんだかわからなくなりますが、
とても勉強になりました。

でも、あたいの頭はあまり賢くないのですぐに忘れます。
全く勉強意味なしなんですよ。とほ。
(1日前ならまだフォローできます、1ヶ月前になるとぼやぼやっとして、
1年前のことはすっかり頭の中から消えております。
あたしにお金を借りている人!黙っておいたほうがいいっすよ。)

それにしても絶版ってさぁ・・・本当に困る。
読みたい本ってほとんど絶版になってしまっている。
神保町通いも嫌いではないんです。
贅沢な遊びなのかもしれませんね。
で、思っても見ない本を見つけてしまったりするんですよねぇ。

そうやってあたしはまた服も買わず、美容院にも行かず、化粧品も買わずに暮らしてしまいそうです。

あたしの6畳間の空間で膨らんでいく夢は形になって食べることができるかなぁ。

秋刀魚は目黒にかぎる

2004-08-16 | 中毒
なんかちょっと涼しくなってきましたね。
えとこのブログも3ヶ月ほど続いてきてお気づきになった方もいらっしゃろうがいらっしゃるまいが知った事ではないのですが、
あたしは話すことが思い浮かばないと食べることに逃げるという傾向があるようで・・・

つい先日海に行った時に昼冷えた身体を温めようと海の家で「つみれ汁」をいただきました。
これはお殿様が頂いた秋刀魚のつみれではなく鰯のつみれ。
おすましの中に葱とわかめが散らしてあって海亀の卵くらいのつみれが4,5個入ってました。

またこれが旨いの旨くないのってもうばっさばさなんですわ。
臭みを除こうと思ったか、脂がいけないと思ったのか、こまかーぁぁく刻んだものを練りに練ってあってぐっつぐつに煮込んだ感じ。
凹んでしまいました。
これ食ったら好きにはならんだろうなぁ。

簡単なつみれはねぇ。
鰯を包丁と手を上手く使って手開きにして中骨とわたを除いたものをちょっと塩気のある水でゆすぐ程度にあらうん。
うらっかえして皮を剥いで、脇の所の骨を包丁で取ってあげるときれいな扇型に。
水気はちょっと取ってね。

それを包丁の上でタンタンと叩いて粗方つぶが細かくなってきたら
みじん切りの生姜と少々の塩と片栗粉を振って加えてまたタンタン。
つぶと刻まれた練身の部分(つぶはあるとないとじゃ段違い!)が
程よくまとまるようになって来たら包丁で寄せてっから適度な大きさに手で丸めるん。
手じゃくっついちゃうんだったらスプーン二つで。

形なんかどうでもいいんです。大体そろってれば。
塩と酒をちょっと入れたお湯を煮立たせておいてそん中につみれをほおりこむ。

ちょとだけ灰汁がでるからそれは丁寧にとってあげて。
つみれがほろっと崩れたり、おつゆがすこし白っぽくにごったりしてもいいんです。
旨いから。
つみれがみんなぽこぽこと浮かんできたら、火が通ったってこと。
そこに醤油と葱、わかめを適宜ほおりこんで出来上がりっす。

さばくのに慣れれば15分くらいでできちゃうん。
おつゆの中に大根入れてあげてもいいし、菜っ葉でもいいし。

生姜と葱で青臭さも取れるし、魚好きなら旨いと感じると思います。

あたしが結構さかなにこだわるのは親父の影響。
食うことが大好きな人でしたわ。
中華、イタリアン、和食、フレンチ何でもやりました。
中でも鮨は知り合いのすし屋に頼んで修行までしちゃうくらい。

家で新子、穴子、鯖、鮪(これはさすがに家では解体してません)、活き蛸なんかもさばきます。
そういえば昔、烏賊をさばいていたら中からたくさん鰯が出てきたことが。
それは食べてないですけどね。

穴子も目打ちでえらの上のところをとんっと突いて首のところから刃を入れるんです。
背のところを指で押さえて、にが袋をつぶさないようにぴぃっと先まで一気に開いていくん。
もう締めてはいるけど活きてるんですよ。
きゅぅぅぅぅっと泣くんです。あなごちゃん。

もう一度同じことをして身と骨を分けるんです。
煮穴子のお湯は捨てずに煮詰めるん。
骨と一緒に醤油と煮きった酒を加えてつめをつくると家中があまじょっぱいいい匂いでした。
残った骨は水気をさっと拭いてかりっと揚げます。
ネタの準備ができるまでのおいしいおやつでした。

活き蛸はたらいの中に入れてあら塩で揉んで叩いてまた揉んで。
腕に吸盤の痕を付け、絡まる足を引っぺがし大格闘。
これがまた蛸も本気で(当たり前か)応戦してくるから大変な騒ぎ。
まるでエイリアンの来襲です。
こやつはなんて言っても足を薄く切って、昆布出汁の煮え立ったのにくぐらしておろしポン酢で頂く蛸しゃぶ。
腕に残った痕さえもいとおしい位旨いんです。

鮪も鎌と赤身と骨身の部分に分けて赤身の柵の一つは漬けにします。
鎌は塩振ってオーブンで、骨身の部分はスプーンでかいて身は叩いてネギトロに、
残った広い筋の部分は一口大に切って串に刺すんです。
塩コショウで味付けてあぶって食います。
これはお客さんが来る前のまかないの楽しみ。
ご相伴に預かるには手伝うしかない!

疲れた身体に香ばしい鮪の筋串。
作りたてのあっさりした烏賊の塩辛もいいですが、
わたを漉して残った筋と細かく残った烏賊の身をホイルであぶって
酒で調えた奴に柚子かなんかあしらってんのもまた格別。

そんなん食い続けてごらんなさい。
それ見た事か、こんな呑兵衛の出来上がり。

あれ、この話・・・
こんな終わり方をするつもりじゃなかったんだけどなぁ。

CHILI~♪CHILI~♪

2004-08-11 | 中毒
あたしの愛してやまないもの。
それは 「CHILI」

Chili:n. (pl. chilies) チリトウガラシ
三省堂提供「EXCEED 英和辞典」より

とうがらし 【唐辛子/唐▼芥子/▼蕃▼椒】
(1)ナス科の一年草。南アメリカの熱帯原産。
日本には近世初期に渡来。高さ60センチメートル内外。夏、葉腋に白色の花を開く。
果実の形は細長いもの、丸いもの、大小様々あり、熟すと赤・黄などとなる。
一般に辛味が強く、香辛料や薬用とする。
変種のシシトウガラシやピーマンは食用に、ゴシキトウガラシは観賞用にする。
辛味の強いタカノツメなどは南蛮(なんばん)辛子・南蛮・高麗胡椒(こうらいごしよう)とも呼ばれる。
とんがらし。[季]秋。
(2)「七味唐辛子」の略。
       三省堂提供「大辞林 第二版」より

前ふりが長くなってしまいましたがあたしは「とんがらし」が大好きである。
辛いものの中で「山葵」、「芥子」、「四川山椒」、「パラペーニョ」、「ハバネロ」(こやつ最近良く見かけますな)
いろいろあるけど中でも「とんがらし」ものに目がありませぬ。

一味、七味、鷹の爪から青唐辛子、タバスコやらたまりません。
昨日もお昼のつくね汁に七味をたんまり入れ、
晩の親子丼に満遍なく振りかけて美味しくいただきました。

もともと好きではなかったんです、とんがらし。
辛いじゃないですかー。
出来ればかけずにいただきたいと思ってましたよ。

これを変えたのはかれこれ14年前の寒い冬でしたねぇ。
わたしが通っていた学校ってものすごーく古い建物か、
もしくは新しいけれどもコンクリート打ちっぱなしかだったんです。
もう隙間風をとるか底冷えをとるかどっちにする?って感じです。
手なんかもうかじかんじゃうんですよ。
2時間授業を受けたあと少し休みが長いのであったまりに行くんです。
軽食カウンターに。
そこでは調理パンやうどん、そばを10時から19時くらいまで出してくれます。
他にも喫茶や食堂、売店がある学校でしたがその時間に暖かいものが出るのは軽食カウンターくらい。
食欲旺盛な学生時代、友人と一緒に頼むんです。
「おばちゃん、たぬきうどん!」
それに思いっきり七味とんがらしをかけまくって真っ赤にします。

揚げ玉にとんがらしのつぶが入り込んでいい具合にあったまります。
もちろん飲み干しますよ、おつゆ。
ペースト状のとんがらしたちをきれいに平らげると自然と身体が温まるのです。
お昼までは持ちました。(腹+体温ね)

生きるか死ぬかは大げさですが、これを食べなきゃ凍えて字も満足に書くことが出来ないんですから。
これがきっかけで卒業してからも会社に七味を常備するようになってました。

さらにこの辛い物好きに拍車をかけたのが「韓国料理」!
うまい店があるんですわ~。
Hららさんにつれられて行った勧告居酒屋のお店のキムチ、チャプチェ、炒め物、鍋、タレ・・・
もんのすごーく旨いんです。
そして辛い。辛いが旨い。辛くて旨い。辛くなくても旨い(笑)
ここによく行くようになりどんどん辛さに麻痺してしまいました。

いや、辛いなーと思うものもあるんですよ。
でも美味しいなぁって思うんです。
「そんなんかけたら味わかんなくなっちゃうよ」
と言われるんですけど、辛さも味の一部で美味しいんです。

辛いものが食べたいなぁと思うってことは、(その韓国居酒屋に最近行っていないので)そろそろ禁断症状気味なんです。
しかし、問題が。
量が多いんです。そしていろいろ出してくれるんです。
必然的に 「太る」 んですよ。
あぁ、でも食べたいよぉ!

お土産に韓国のりをもらって無性に辛いものが食べたくてたまりませぬ。
韓国、四川、タイでもベトナムでもインドでも何でもこいってんだぁ。

懐かしい味

2004-08-06 | 中毒
昨日はお手伝いしている劇団HotRoadの広報会議に出席。
みんな今度の公演を成功させるべく、真剣にアピール方法を話し合っている。
夢と可能性天秤にかけてどういう方向性で進めていくか。
あたしはみんなは技術はまだ未開発地区なんだと思うな。
だけど底に秘めた力や光は失って欲しくないなぁと感じました。
それを出さないと昇ってはいけないとも思います。
なんだかとっても楽しい稽古をしているらしく、盛り上がりが気になっております。
その姿はとても素敵だなぁと思いました。

会議の時にお菓子の差し入れをもらったんだけど、食べられませんでした。
最近甘いものを口にすると気持ちが悪くなってしまうと言う現象が・・・
そういえば少し前くらいまで甘いものは普通に食べることが出来たように思うのですが、胃が痛いせいなのかなぁ。

昔は大好きでした、甘いもの。
夏になると食べたくなるのは「アイス最中」。
都電の駅のすぐ近くにある駄菓子屋に夏だけでるんです。
半円の最中の上にしゃりしゃりのアイスを乗っけてまた蓋を最中でするんです。
味は「イチゴ」、「小倉」、「しろ」の3つ。
いくらだったろう、100円だったかなぁ。
大人は「小倉」で、子供は「イチゴ」をよく食べてたような気がします。
あたしが好きだったのは「しろ」。
カルピスの水っぽくなったような味でした。
シャーベットよりはやわらかくってみぞれよりはつぶが滑らかな氷のアイス。
上手に食べないと最中の反対側からアイスが出ます。
それをなめて食うんです。
たまに最中に穴が開いてたれます。
それは吸って食うんです。
うまく食えるようになると成長した気がしたもんです。

夏の味だな。

子供のころはよく飴細工屋さんや紙芝居、キビ団子屋さんとか来てました。
今でもくるのかなぁ。
飴細工って何を作ってもらうかが楽しかったなぁ。
だいたいおじちゃんが聞くんだけど、わけわかんないことを言われる前に「干支」で作ってくれるんです。
でも、同じ年の友達でも干支が違うんですよ。
友達は兎を作ってもらって、あたしの番。
「おじょうちゃん、干支はなんだい?」って聞かれて
「たつどしー」
嫌な顔しましたね。子供ながらに覚えてますよ。
兎じゃ駄目かと聞かれましたもん。
めんどくさいんでしょうね、兎より。

でも、作ってくれましたねぇ。
真っ白い飴に緑を混ぜて艶やかな薄い緑の飴を作って、
それを割り箸につけたらごっつい指と糸切りバサミできゅいきゅい、パチパチっと。
ひげまでつけてくれました。
パチっと切り込みを入れた飴を指でつまんでつるぅ~っと伸ばすんです。

あとは黄色と黒で目をつけて口には紅を入れて。
兎よりかっこいいんです。ものすごい嬉しくてなめずにとっておきましたよ。
しばらく経ってから食べようとしたら親が止めてましたわ。
飴細工って賞味期限ってあるんですかね。

たまに来ていた紙芝居で買ったのは水あめかなぁ。
割り箸の短いの2本にたっぷりの水あめを付けてくれるのを、
おじさんの話を聞きながらねりねりねりねり。
最初はものすごく固くても練ってる間に真っ白になってくんです。
たれない程度に2本の割り箸を少しずつ引っ張ってはくっつけを繰り返していく。
夢中になる作業です。
そのうちに耐え切れなくなってなめる子と、引っ張りすぎてべたべたになる子といましたねぇ。
あたしっすか?それは内緒です。

あと、キビ団子は1本5円だったような・・・
ここでは交渉が必要なんです。
団子を黄粉の入った箱の中で転がしてそれを紙袋に入れてくれるんです。
黄粉は多いほうがおいしいじゃないですか。
ひつこくねだって、紙袋の中にちょと多めに黄粉を足してもらう。
団子をいただいた後に袋を斜めにして口の中に黄粉を流し込む。
もふもふしますが、おいしいんです。
たまに喉の奥に引っかかってむせる子がいるんですよ。
服とか顔中黄粉まみれになってはたいてもあまり取れないんですよ、あれ。
え?あたしっすか?
だから内緒ですってば!

少し大きくなるとおやつが変わってきましたね。
肉屋のコロッケとか、練り物屋のおでんとか。
ここでも交渉します。
ソースの量とか揚げたてのやつくれとか。
おでんはビニールに入れてくれるんですがお汁をどれだけ多くもらうかですね。
お汁はねぇ、最後にビニールをきゅっと縛って下のかどっちょをかじるんです。
そこからあったかくっていろんな味が混ざったのをいただきました。
ほっとします。

大人になった今は焼き鳥屋の親父と缶ビールのみのみ、何本かつまんだりしてます。
そこでは
「おじちゃん、たれ!も少しつけてよぉ」
昔とった杵柄!交渉もばっちりですし・・・
あぁ。三つ子の魂百までです。

日暮里駅の駄菓子の問屋さんももうなくなってしまうんだそうです。
あんこだまや、すももなど駄菓子は箱買いだったのでやっぱり寂しいなぁ。
よい感じの路地裏です。
なくなる前に行こうかな、あたしの子供時代に会いに行こうっと。

お忙しゅうございます

2004-07-27 | 中毒
シンガポールからインドの方が来日。
野菜と魚介類しか食べない。
ランチがつらいけど、明日は広尾のインド料理やに一緒に行こうと誘われた。
旨そう。うれしい。

おっと、本のお話。
長部日出夫さんの「笑いの狩人・江戸落語家伝」。
鹿野武左衛門に始まって、三題咄の三笑亭可楽。怪談咄の林家正蔵。都都逸は都々一坊扇歌。そして三遊亭円朝。
人を笑わせること、ひきつけること、楽しませること、怖がらせること・・・
表現するって命がけなんだな。
壮絶で悲しくてでもってあったかい。
ひき込まれました。
まったくしらない世界だと思っている人でもこの人の芯を見せる話は面白いと思うはず。
オススメですが、絶版らしい。

今読んでいるのは
小島貞二さんの「艶笑落語名作選」。
1~3まであるのでまだ楽しめそう。
バレ噺大好きなんですよねぇ。
エロいんだけど、ばかばかしくって可愛いんです。
あたしの勉強にはなると思うけど、そんなん関係ないっす。
ものすごーく面白い!
にやけながら電車の中で読んでいるあたい・・・
危険だな。

言葉が活きている本が好きだ。
エッセイでも言葉が自分の中で踊らないものは苦手。
論文でももう伝えたくってたまらないんですよ!って言う気持ちが説明に込められていたりすると読んでしまう。
それがまったくわからない
「フーリエなんちゃら方式の応用によるほにゃほにゃ」
とか言うのでもいいのです。
理解は出来てないんですけどね。

「五重塔」、「小川未明童話集」、「きもの」、「小僧の神様」・・・
一人読んでいると口から言葉がそのまま出てくるんです。
書き手と読み手の波長が合うとそうなるのかな。
おこがましいが幸せな瞬間ですわ。
絵本でも漫画でも児童書でもなります。
翻訳本はそういう点でちょと難しいけど。

挙げてみると古いね。
今の作家ではあまりないんだな。
好きですけどね、今活躍されてる方たちの言葉も。

本を読み終わったときに出るため息がすき。
胸いっぱいの満足感とその世界から抜け出す時の喪失感に酔う。

(あたしのマシンは「よう」って打つと「YOU」って出る。なんかHIPHOPなまっすぃーん!なんでぢゃ?)

児童書を読むとよく出るわ、このため息。
向山貴彦さんの「童話物語」
これは感情移入しやすいからだろうな。
ほふっとなりました。

あと最近このため息が出たのが
杉本章子さんの「写楽まぼろし」。
展開の速さと緻密な設定で読み手の感情をぐらつかせず、
話も人もあっさりしているがとても深く熱い。
拍子木がちょん!と鳴って幕が降りるような最後に感心。

良い本にめぐり合える幸せ、読むことが出来る幸せ。
その気持ちを人に伝えることが出来る幸せ。

新しく本を買うと必ずすることがある。
それは「匂いをかぐ」のです。

良い本は良い匂いがする気がするんです。
出版社によってもそりゃぁ違いますけどね、
そういう物質的なものではなくって、自分の好きな匂いがすることがあるんですよ。
インクの匂い、紙の匂い、言葉に籠められた気持ちの匂い。

志ん朝師匠の本はよい匂いがしました。
泣いて、笑って、嗚咽、号泣。
大事な大事な思い出の匂いだったのかもしれません。

さてさて、今日の夜のお供はどの子にするかな。
多分吉原資料本。
きれいな花魁とすてきな夜伽といきましょう。

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ここで書くのはあたしの勉強。
素っ裸よりも恥ずかしいけど、(いや脱がないっすけどね)
これまで以上に開けっぴろげさせていただきます。
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