これはTBドラマ小説です」
第1章
第10話:ともっちさん
第11話:カオリン
<第12話>
「お待ちどう。じゃ、この道右にまっすぐ。で、橋の信号を左。早く」
「携帯は・・・」
「はーやーくー!!!」
もう、どうにでもなれ。
ケイの言う道はただぐるぐると回るばかりだったが、なんだか背中のぬくもりがさっきまでの勢いとは裏腹に優しい暖かさを伝えていた。
「その坂、登って」
いつの間にかケイの声からとげが消え、神社に向かう坂道は木々の合間から薄い月明かりをにじませている。
「ねぇ、止めて、
ここね、思い出の場所なんだ」
そう言うとケイはゆっくりと歩き出し、足元に広がる街の灯りに眼を落とす。
どれくらいの時間が経っただろう。気がつけば小雨が降ってきていた。
「雨だよ。風邪、ひくから」
「うん」
何かを吹っ切るようにこちらを向いたケイの瞳が潤んでいたのは、雨に濡れたせいだったのだろうか。
雨宿りのために軒下に移動する頃には、ケイも俺も髪から雨の雫がほとりと滴り落ちていた。
次はまんぞー♪
第1章
第10話:ともっちさん
第11話:カオリン
<第12話>
「お待ちどう。じゃ、この道右にまっすぐ。で、橋の信号を左。早く」
「携帯は・・・」
「はーやーくー!!!」
もう、どうにでもなれ。
ケイの言う道はただぐるぐると回るばかりだったが、なんだか背中のぬくもりがさっきまでの勢いとは裏腹に優しい暖かさを伝えていた。
「その坂、登って」
いつの間にかケイの声からとげが消え、神社に向かう坂道は木々の合間から薄い月明かりをにじませている。
「ねぇ、止めて、
ここね、思い出の場所なんだ」
そう言うとケイはゆっくりと歩き出し、足元に広がる街の灯りに眼を落とす。
どれくらいの時間が経っただろう。気がつけば小雨が降ってきていた。
「雨だよ。風邪、ひくから」
「うん」
何かを吹っ切るようにこちらを向いたケイの瞳が潤んでいたのは、雨に濡れたせいだったのだろうか。
雨宿りのために軒下に移動する頃には、ケイも俺も髪から雨の雫がほとりと滴り落ちていた。
次はまんぞー♪