アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 鶴姫の権力

2023-03-31 11:28:37 | 漫画
        赤穂事件 鶴姫の権力



桂昌院(綱吉の生母)
「お伝よ、よくお聞き」
「其方の父は下級武士であったが
小谷正元より堀田名を名乗ることを許された」
「下級武士の御家は、旗本となり
遠藤家を貰い受けて大名にまでなった」
「わしは、其方が可愛い」
「わしは、鶴姫が愛しい」
「わしは、嗣子殿に後を継がせたい」

瑞春院(綱吉の側室、お伝の方 鶴姫の母親)
「お母様」
「伝は嬉しゅう御座います」

桂昌院
「お伝」
「其方は、わしの味方か・・」

瑞春院
「はい」
「お母様の手足となって
尽くしとう御座います」

桂昌院
「これからは鶴姫のことは、
御守殿様と呼ぶのじゃぞ」

瑞春院
「はい」
「お母様」

桂昌院
「わしは、御守殿様の子が欲しい」
「じゃからな」
「嗣子殿には、側室は許さん!」

瑞春院
「はい」
「桂昌院様」

桂昌院
「よしよし」
「それでよい」
「・・・」
「祐天は、追放した」

瑞春院
「法主様は桂昌院様のお気に入りで御座いましたのに
如何為されましたのですか?」

桂昌院
「祐天は嗣子殿に側室を薦めたのじゃ」
「御守殿様の子でなければ
意味はない」
「なァ」
「そうであろう!」

瑞春院
「はい」
「桂昌院様」

桂昌院
「お伝よ!」
「お前には、大奥の権力闘争に立ち向かう力がない」
「御守殿様に子が出来ず
側室に子が産まれるようなことになれば
如何為るか分かるか?」

瑞春院
「お伝は、虐められてしまいます」

桂昌院
「そうじゃぞ」
「お前は、用無しとなり
西の丸に捨てられる」

瑞春院
「祐天様は何故、
嗣子殿に側室を薦めたので御座いましょう?」

桂昌院
「鶴姫が、それを望んでいると言っておった」

瑞春院
「祐天様が申された事」
「そうかも知れません」

桂昌院
「そうではない」
「わしは、鶴姫の子が欲しいのじゃ!」
「其方も、孫が欲しいじゃろーが!」

瑞春院
「はい」
「桂昌院様」

桂昌院
「祐天は浅野赤穂を許し
資産没収を改め、官位を諦めろと言った」
「そんな事が今更出来るか!」

瑞春院
「祐天様が申された事」
「何らかの理由がある筈で御座います」
「・・・・・」

桂昌院
「祐天は、
わしが官位を諦め
浅野赤穂を許せば、
鶴姫に子が産まれると嘘を付いた」
「祐天は嘘つきじゃ」

瑞春院
「嘘と決めつけるのは早いのでは御座いませんか?」

桂昌院
「嘘に決まっておる」

瑞春院
「・・・・」
「はい」
「桂昌院様」

桂昌院
「最近、小石の信子と近衛熙子が仲良くしておる」
「信子は、熙子を三の丸に引き込もうとしておるぞ」

瑞春院
「近衛熙子様は少し怖そうな感じが致します」

桂昌院
「怖気付くな!」
「小石は、わしを恐れ
公家の仲間を引き入れたいのじゃ」
「其方、近衛熙子を撃退出来るか?」

瑞春院
「はい」
「公家には負けません」

桂昌院
「これから、大奥は戦場になるぞ」
「公家に負ければ
我らは追い出される」
「覚悟して戦え」

瑞春院
「はい」
「桂昌院様」

桂昌院
「よしよし」

赤穂事件 愚策

2023-03-29 12:15:35 | 漫画


大石無人
「荻原重秀の通貨政策の弊害を調べましたので
ご報告を・・・」

新井 白石
「んんゥ」
「物価高騰と悪徳商人の横行じゃな」

大石無人
「陸奥国では物の価格が高騰して
百姓が飢饉に喘いでおりますが
江戸市中、及び京の都は豊かに発展しております」

新井 白石
「それは、搾取による繁栄に過ぎぬ」
「荻原重秀の通貨政策は改めねば為らぬのじゃ」

大石無人
「・・・・・
お約束の件ですが、
如何為っておりましょうか?」

新井 白石
「津軽殿の事は
主殿に申し伝えておる」
「後は、其方の働き次第じゃぞ」

大石無人
「近衛 熙子様が
西の丸にお入りになられるのは
いつ頃で御座いますか?」

新井 白石
「全ては、其方の働き次第じゃ」

大石無人
「某に、左様な力は御座いませぬ」
「ぞうぞ、お手柔らかに・・」

新井 白石
「んんゥ」
「近衛 熙子様には
再従姉妹に
将軍の正室の鷹司信子様がおられる」
「今、鷹司信子様からのお誘いを受けておる故
近いうちに御簾中として西の丸の大奥に迎え入れられる筈じゃ」

大石無人
「真に御座いますか?」
「綱豊様が
将軍綱吉様の世子と為られるので御座いますか?」

新井 白石
「必ずなる!」
「儂は、綱豊様が天下を握るものと確信しておる」

大石無人
「某に何が出来るので御座いますか・・・?」

新井 白石
「隠さぬともよい」
「其方は、将軍綱吉の秘密を握っておる」
「その秘密を少し使えば
将軍は怯えて縮こまる」
「其方が持っている将軍の秘密は
大きな力となる」
「その秘密を使うのじゃ」

大石無人
「何の事やら
儂には分かりませぬぞ・・・」

新井 白石
「まぁよい」
「其方は、その秘密をひけらかす必要はない」
「ひけらかせては意味は無い」
「隠しておけ」

大石無人
「・・・・・・」
「ところで、
津軽信政様の孫娘との婚約話は
進展が御座いましたか?」

新井 白石
「んゥ?」
「松平信清殿かな?」
「津軽信寿の娘を松平信清様に嫁がせるのじゃな」

大石無人
「左様に御座います」

新井 白石
「昨今、
近衛熙子様と将軍の正室の鷹司信子様が
良好な関係にある」
「御台所様の推薦があれば
松平信清様は断る事は出来ぬ」
「近衛熙子様に働き掛ければ可能じゃ」

大石無人
「ただ、津軽は資金不足で御座います・・」

新井 白石
「このこと、金子、銀子では叶わぬぞ」
「近衛熙子様と鷹司信子様
お二人が、手に入れたいのは
大奥での権力じゃぞ」
「其の為には、其方の力が必用なのじゃ」
「其方には
将軍綱吉を怯えさせる秘密がある」
「それを使うのじゃ」

大石無人
「左様な事を・・・・」
「御冗談を・・・」

新井 白石
「まぁ よい」
「なるようになる」
「実はな、津軽の困窮は
将軍綱吉の愚策の表れなのじゃ」
「あれは、堀田正俊を殺して
生類憐みの令を出した」
「愚策じゃぞ」
「儂は、堀田正俊殿に仕えておった
その頃の津軽は困窮などなかった」


「津軽信政の業績として
津軽新田の開発、
治水工事、山林制度の整備、植林、検地、
家臣団の郊外移住による城下町の拡大、
野本道玄を招聘しての養蚕、織物、製糸業、
紙漉の発展・育成などに努めた。
民政においても善政を敷き、
弘前藩の藩政確立と発展に尽力し、
藩の全盛期を築き上げた。」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


大石無人
「生類憐みの令を批判為さるので・・・」

新井 白石
「愚策じゃ!」

大石無人
「・・・・・」
「此処だけの話という事で・・・」

新井 白石
「左様」


赤穂事件 知らない噂

2023-03-28 11:53:22 | 漫画


大石内蔵助
「これはこれは」
「大叔父様では御座いませんか」
「久しゅう御座います」

大石 良次
「今回は、難儀であったな」
「如何じゃ、健勝しておるか」

大石内蔵助
「ほとほと、困り果てております」
「打開の道が閉ざされております」

大石 良次
「其方は、京の僧に期待しておるようじゃが
西本願寺にせよ、東本願寺にせよ同様に
幕府の顔色を窺う管理下の者に過ぎぬ」
「金の無駄遣いじゃぞ」

大石内蔵助
「しかし、他に頼る者が御座いませぬ」
「将軍様の温情賜り
浅野赤穂の再興をお願いする為で御座る」

大石 良次
「其方、将軍綱吉様の弱みを握っておるのか?」

大石内蔵助
「それは、世間の噂で御座る」
「儂には、何のことかさっぱり分からん」

大石 良次
「如何なる噂じゃ?」

大石内蔵助
「様々で御座る」
「幕府の秘密であるとか
将軍様の秘密とか」
「面白がっての噂で御座る」

大石 良次
「其方、其の事を利用しておるのか?」

大石内蔵助
「んんゥ」
「他に有効な手立てもなく
藁にもすがる思いで御座るのだ」

大石 良次
「今、左様な噂が広がっておるのに
幕府が、お主を泳がせている意味は
何であろうな?

大石内蔵助
「はい」
「何やら、監視を受けておりますが
直接手を掛けて来る事は御座いませぬ」
「御上は、儂を恐れておるのか?」

大石 良次
「御上が其方を恐れる意味は何じゃ?」

大石内蔵助
「・・・・・・」
「んんゥ」
「儂を恐れる意味・・・」
「噂が出鱈目であれば
儂を捕らえて始末すれば済む事」
「噂が事実であれば
儂を捕らえて始末しても
何らかの物証が残り露見する心配があると・・・」

大石 良次
「左様じゃ」
「噂は事実じゃぞ!」
「そして、その噂を打ち消す為に
其方を始末しても物証が残るのじゃ!」

大石内蔵助
「いよいよ、訳が分からぬ」
「物証とは何じゃ?」

大石 良次
「何であろうな・・」

大石内蔵助
「大叔父様は知っておられるのか?」

大石 良次
「知っておる」

大石内蔵助
「その物証とは
如何なる物で御座る?」

大石 良次
「其方は、知らぬ方がよい」
「其方が知れば、幕府が揺らぐ」

大石内蔵助
「何と!」
「幕府を転覆させるほどの
物証が存在しておるのか?」

大石 良次
「もしも、其方が赤穂城で籠城して
幕府軍を退けたとすれば
その物証が大きな力となっていた」
「しかし、事態は御上に有利になったのじゃ」
「もはや、その物証を開示する事は出来ぬ」
「開示できぬ物証ならば、
持っていたとしても意味は無い」
「更には、其方が知っておく意味も無いのじゃ」

大石内蔵助
「んんゥ」
「歯がゆい」
「儂に付いた噂であるが、
その噂の真相を大叔父は知っておる」
「なのに、儂に付いた噂を儂は知らぬ」
「教えても下さらぬ」

大石 良次
「知らぬ方がよい」

大石内蔵助
「んんゥ」
「せめて、それを利用させて欲しい」

大石 良次
「んんゥ」
「儂は、それを伝えに来た」
「其方は、将軍様を怯えさせる程の秘密を手に入れたのじゃぞ」
「それを大いに利用すればよい」

大石内蔵助
「将軍様を怯えさせる程の秘密で御座るか?」

大石 良次
「んんゥ」
「もしも、其方が籠城しておったら
開示される筈であった」

大石内蔵助
「・・・・・・」
「儂のしくじりであったか?」

大石 良次
「いやいや」
「そうではない」
「もしも、籠城しておったら
そうなっておったと申しただけの事」


赤穂事件 内蔵助に危険が迫る

2023-03-27 10:59:09 | 漫画


稲葉 正往 (老中)
「杢之助殿」
「つかぬ事をお聞きしますが
元禄十五年十二月十四日に心当たりはないか?」

岡林 直之 (名門岡林家)
「去年で御座いますか?」

稲葉 正往
「いやいや」
「つかぬ事じゃぞ」
「来年じゃぞ」

岡林 直之
「来年の予定で御座いますか?」

稲葉 正往
「来年の話をすると鬼が笑う」
「誰にも分からぬ事じゃ
鬼でさえおかしくてせせら笑うという」
「其方も、おもしろがればよい」

岡林 直之
「・・・・・」
「一体、如何なる事で御座いますか?」

稲葉 正往
「んんゥ」
「その日の事が
気になっただけじゃ」

岡林 直之
「なにやら気になる事があるとの事」
「如何なる事で御座いますか?」

稲葉 正往
「んんゥ」
「大石内蔵助が江戸に入って
旧赤穂藩士に会っている」
「其方も、旧赤穂藩の会議に参加しておるのか?」

岡林 直之
「いいえ」
「左様な話は聞いておりませぬ」

稲葉 正往
「岡林家は
旧赤穂浅野家家臣団の中では
大石家に次ぐ名門であるな」
「その其方に、何も相談がないのかな?」

岡林 直之
「・・・・・」
「御座いません」

稲葉 正往
「儂は、老中に就任したばかりでな」
「幕僚の中では新参者じゃ」
「できれば、面倒事を起こしたくない」
「其方も、同じ考えではないのかな?」

岡林 直之
「江戸市中町民皆々が
旧赤穂による仇討ちを期待しております」
「吉良邸への討ち入りを期待しております」
「仇討ちが、主君の恩に報いる忠義として
誉れとして、
武士としての誠を示す忠臣となれよと
待ち望まれております」
「・・・・」
「それなのに、何故・・」
「何故、幕府は取り締まらぬので御座る」

稲葉 正往
「んんゥ」
「左様に御考えか」
「それが、其方の考えか?」

岡林 直之
「臆病者と呼ばれ
御家の恥と呼ばれ
江戸庶民から笑われております」
「これでは、幕府も仇討ちを勧めている事になりますぞ!」

稲葉 正往
「左様じゃ」
「幕府は、其方達の討ち入りを唆しておる」
「ただ、それを阻止しようとしておる者もおるぞ」
「思惑で何方かに傾き
状況次第で何方にも変わる」
「仇討ちを称賛する者もおるが
仇討ちを厳格に罰しようとする者もおるぞ」
「儂は、仇討ちを阻止したい」
「其方は如何じゃ?」

岡林 直之
「もはや、改易は変わりませぬ
それ故に
穏便に済ませたいと思っております」

稲葉 正往
「ところで、大石内蔵助が
重要なる幕府の秘密を手に入れたとの情報がある」
「儂はそれを知りたい」

岡林 直之
「それは、庶民の期待で御座いましょう」
「内蔵助太傅は、何も得てはおりませぬ」
「本人も、左様な噂を否定しております」
「ただ、その噂を利用できれば良いなどと申しております」
「それ故、そのことに関しては
太傅も戸惑っておるようです」

稲葉 正往
「しかし、諸国広く噂が広がっておるのでな」
「幕府としても、黙ってはおれん」
「如何したものか?」

岡林 直之
「それでは、無理に否定すれば逆効果となりましょう」
「静観が宜しいかと、
行動を起こさずに物事の成り行きを見守る事が肝要と・・」

稲葉 正往
「幕府の秘密として広がっておるが
これは、将軍綱吉様の秘密ではあるまいか?」
「しかし、何故、内蔵助殿に噂が付いたのか?」
「静観などしておれば、
手が付けられぬほどに広がってしまうぞ」
「内蔵助殿に会って直接問い詰めねば為らぬ」
 
岡林 直之
「もしも、大石太傅が秘密を知っていたら
如何致す御積りか?」

稲葉 正往
「その秘密が何なのか知らねばならぬ」
「それが、何か分からぬうちは
如何すべきか決め兼ねる」
「ただ、内蔵助殿の身に危険が迫っておることは確かじゃ」

岡林 直之
「秘密を暴かれる前に始末すると・・」

稲葉 正往
「左様に考える者もある」
「危険が迫っておるぞ
内蔵助殿は早々に江戸から離れる事じゃ」
「其方からも、伝えてくれ」

岡林 直之
「承知致しました」

赤穂事件  老中 稲葉 正往

2023-03-25 17:36:41 | 漫画


祐天 (江戸時代を代表する呪術師)
「愚心は、下総国大巌寺に戻る事になりました」
「また、世話になりますよ」

稲葉 正往 (老中 下総佐倉藩初代藩主)
「何の因果で御座いましょう」
「丁度、某、下総佐倉藩に国替えになったばかり」
「法主様には、ご指導賜りたき事ばかり
御縋り申し上げます」

祐天
「愚心は、住持である事が有難い」
「愚心には、帰る寺があるでな」
「愚心を頼る者は多いが
帰る寺があれば助けも出来る」
「これからは、下総国の為になれるように努めたい」

稲葉 正往
「法主様、江戸城は不便になりましたのか?」
「一体、何故」
「江戸を離れる事に為りましたのか?」

祐天
「お恥ずかしい話
桂昌院様に追い出されてしまいました」
「暗愚故、愚かで口煩き事を咎められた」

稲葉 正往
「左様で御座いますか」
「きっと、桂昌院様は後から後悔為さる筈」
「それまで、我が国で
御緩(ごゆるり)とお過ごし下さいませ」

祐天
「有難い」
「世話になりますよ」

稲葉 正往
「いえいえ」
「法主様を国に迎え入れる事は
某の念願で御座いました」
「法主様のお力に縋りとう御座います」

祐天
「んんゥ」
「愚心は、暗愚で経文も覚えられぬ住持じゃが
不思議な事に、愚心には、法力が備わっておる」
「愚心の法力をもってすれば
多くの困難を退ける事が出来ます」

稲葉 正往
「某、
親戚の若年寄稲葉正休が
大老堀田正俊を暗殺した事件で連座、
遠慮処分となっておりましたが」
「法主様の御導きで
本年、老中に就任出来ました」
「失脚すれば
その後は、遠慮処分が続く事が通常で御座いますので
老中就任は思いもかけぬ事に御座いました」
「全ては、法主様の御導きであると
感謝致しております」

祐天
「いやいや」
「其方が返り咲きしたのは
大老堀田正俊暗殺事件が起こる前に
確りと準備をした御蔭なのじゃ」
「愚心の忠告を聞き入れた事で
其方の災いは消え失せたのじゃ」

稲葉 正往
「はい」
「危うく、
若年寄稲葉正休の
身代わりとなっておるところで御座いました」

祐天
「実は、まだ油断は出来ぬぞ」

稲葉 正往
「まだ、心配が御座いますか?」

祐天
「んんゥ」
「其方は、まだ、老中としての任期が浅いから
新参者として、利用される恐れがある」
「良いですか、
元禄十五年十二月十四日  (1703年1月30日)
この日は朝早くから身を清め準備しておくのじゃぞ」
「決して、油断しては為らぬ」
「油断すれば、足元をすくわれますぞ!」

稲葉 正往
「まだ、一年以上の歳月が御座いますが
一体、その日に何が有るので御座いますか?」

祐天
「由々しき事がある」
「この事で、其方が怠れば
其方は、失脚するぞ!」
「万全な体制で
朝早くから備えるのじゃぞ」

稲葉 正往
「承知致しました」
「元禄十五年十二月十四日は
最大限の警戒を致し
事が有れば迅速に対処致します」

祐天
「よしよし」
「愚心を信用為されよ」

稲葉 正往
「有難き事」
「感謝申し上げます」