アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 可愛い甥孫の為に

2023-03-03 10:59:36 | 漫画

      赤穂事件 可愛い甥孫の為に



寂如 (西本願寺住職 法印大僧正)
「甥孫殿」
「大石内蔵助が僧に助けを求めおる」
「幕府に働き掛け温情を賜りたいと申す」
「其方は、江戸の様子に明るいと思うが
旧赤穂守の暴挙を許す為には
如何すれば良いと思う?」

松平 信清 (鷹司松平家3代)
「大僧正は吉良殿と親しいと存じ上げます」
「大石殿と吉良殿の和解が必用かと・・」
「吉良殿を説得して下さいませ」

寂如
「説得はするが
はたして、吉良は許すかな?」
「江戸の様子を教えて欲しい」

松平 信清
「実は、私は吉良殿に偏見を持っておりますので
偏った見識になるかと・・」

寂如
「左様か?」

松平 信清
「私は、吉良殿が好きではありません」

寂如
「では、何故、和解を勧める?」

松平 信清
「これ以上の殺生は嫌なのです」
「吉良殿は刃傷を受けた被害者ですが
やはり、許す事が必用かと」
「今は、互いに、わだかまりがありますが
時と共に、憎しみも消えてゆくかと・・」

寂如
「一方的に切り付け傷を負わせた者を
無条件で許すのかな?」

松平 信清
「条件は、刃傷の暴挙に及んだ
浅野内匠頭殿が責任を負う事です」
「そして、内匠頭殿は罪を受け入れて切腹しておりますから
十分な罰を受けております」
「無条件では御座いません」

寂如
「お前は、吉良を嫌っておるようじゃが
僧はな、吉良に世話になっておる」
「あの者は、朝廷と幕府の綱渡し役じゃ」
「西本願寺の再建は、あの者の口添えの御蔭じゃ」
「吉良を嫌っては為らぬぞ」

松平 信清
「大僧正は吉良殿の本性を知らないのです」
「吉良殿は、実の娘子に手を付けて
諸国に嫁がせておりました」

寂如
「それは、嘘じゃ」
「吉良を陥れようとしている者の陰謀ですぞ」
「左様な嘘を信じてはなりませんよ」
「ところで、その嘘を
誰から聞いたのですかな?」

松平 信清
「・・・・・・」
「自身で調べたのです・・・」

寂如
「では、その資料と証拠を見せなさい」

松平 信清
「・・・・・・・」

寂如
「お前は、嘘を付きましたね」
「嘘つきは、地獄に落ちますぞ」
「正直に申されよ」

松平 信清
「ご希望とあれば、資料を作り提出致します」

寂如
「僧を困らせてはなりませんよ」
「もう、その事は終わった事」
「忘れ為され」
「先ずは、お前が許すのです」
「吉良と仲良くするのです」
「お前が許せぬのに
他の者が許せると思うではない」
「よいな、先ずは、お前が許すのですよ」

松平 信清
「・・・・・」
「やはり、吉良殿は好きにはなれません」

寂如
「お前は、先ほど申しておった筈」
「時が解決する筈だとな」
「同様ですよ」
「わだかまりを捨て去るのです」
「吉良を嫌ってはなりません」
「吉良は恩人なのですよ」
「よいですね」

松平 信清
「・・・・・・・」
「では、私が耐えて、吉良殿を好きに為れば
大僧正も、内蔵助殿を助けますか?」

寂如
「お前は、世間知らず」
「何も分からぬ童」
「その未熟者が、僧に指図するのかな?」

松平 信清
「私は、これ以上の殺生を回避したいのです」
「大僧正には、その力が御座います」
「どうぞ、内蔵助殿と吉良殿の和解をお勧め下さい」

寂如
「よしよし」
「よう分かった」
「僧も大石から頼まれておる」
「和解を勧めよう」
「しかし、何故、其方は大石を庇う?」

松平 信清
「津軽家は、私の親戚になるかもしれません」

寂如
「そうであったな」
「和解させる事が出来るとは思えないが
出来るだけの働き掛けはしてあげます」
「可愛い甥孫の為に・・」
コメント
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