アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 善人の良将

2023-03-05 10:51:46 | 漫画

        赤穂事件 善人の良将




阿部 正武 (老中首座)
「儂は、大久保忠朝、
そして、其方の父 戸田忠昌 と並んで
『善人の良将』と評されている」

秋元 喬知 (老中 実父 戸田忠昌)
「左様で御座いますな」

阿部 正武 
「我らが、『善人の良将』と呼ばれるのは
何故か分かるか」

秋元 喬知 
「それは、善良なる心と道理を弁え
最善の政策で御上に貢献したからで御座る」

阿部 正武 
「左様」
「上様は、
我らが『善人の良将』である事を望まれた」
「たから、我らは『善人の良将』と呼ばれておるのじゃ」

秋元 喬知 
「左様で御座るな」

阿部 正武
「上様は主権を取り戻す為に
大老堀田正俊が邪魔になった」
「我らは、手を汚すことなく
堀田を消し去る事に成功した」
「上様は、その事実を覆い隠すために
我らを『善人の良将』と呼んだのじゃ」
「善人とか良将などに意味は無い」
「上様がお決めになる事じゃ」

秋元 喬知 
「左様ですな」
「今度は、誰を消し去るので御座る」

阿部 正武
「根こそぎじゃぞ」
「吉良と、旧赤穂を根こそぎ
消し去る!」
「しかし、我らは『善人の良将』であらねばならぬ」
「意味は、分かるな」

秋元 喬知
「表だって、目立った行動は慎み
裏工作で対立を煽り
旧赤穂を、破滅の道に導く事じゃ」

阿部 正武 
「我らは、目立ってはならぬ」
「我らは『善人の良将』であらねばならぬ」
「全ては、上様の御意向じゃ」

秋元 喬知 
「しかし、上様は御隠れになったきり
大老格にも、お会い為さらぬ」
「柳沢殿の判断を仰ぐ必要は御座らぬか?」

阿部 正武 
「今、大老格には上様の後ろ盾がない」
「後ろ盾なき大老格に従えば
失敗のツケだけを支払わされるぞ」

秋元 喬知 
「吉良家の呉服橋の屋敷を召し上げ
江戸郊外の本所松坂町に移した」
「本所は人気も少なく
討ち入りには適しておる」
「吉良は、袋の鼠に御座るな」

阿部 正武
「後は、吉良が上杉家に養子に行かぬ様に妨害する事」
「要請は、全て却下する事じゃ」 

秋元 喬知 
「馬の前に人参をぶら下げておけば
旧赤穂藩士は、必ず討ち入りを決行する事 請け合い」
「これぞ、良将たる所以に御座る」

阿部 正武 
「んんゥ」
「流石は、戸田忠昌殿の御実子じゃ」
「我らも又、『善人の良将』であらねばならぬ」

秋元 喬知
「全ては、上様の為に御座る」

阿部 正武 
「我らは、真の忠義」
「旧赤穂は、偽りの忠義」
「正しき者は、姿を隠し
愚かなるものは、表で出て
喝采を浴びながら散ってゆく」
「死んで名を残せばよい」

秋元 喬知 
「我らは、『善人の良将』として
後世に名を残しましょうぞ」

阿部 正武 
「我らは、危うき場所には近づかん」
「危うき場所は、
江戸郊外の本所松坂町」

秋元 喬知 
「江戸庶民の憂さ晴らしにもなりましょう」

阿部 正武 
「江戸市中の盛り上がりは極みに達しておる」
「無理に鎮めたりすれば
迸りを受ける事 請け合い」
「無骨な荒くれ者を
一網打尽じゃ」
「全てを消し去ってやる」

秋元 喬知 
「何事も無かったように」
「全ては消し去られる」

阿部 正武
「哀れなる旧赤穂藩士じゃな」
 
秋元 喬知
「馬鹿な者共です」
コメント
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