アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件  免許皆伝 高田 郡兵衛

2023-03-12 11:32:18 | 漫画


高田 郡兵衛
「大石なんぞに何をしておる」
「大石が臆病風に吹かれておるなら
儂は、一人で乗り込んでやる」

原惣右衛門
「太傅の協力が無ければ
資金も得られん」
「防具も武器も無いのじゃぞ」

堀部安兵衛
「屋敷に吉良がおるとは限らん」
「そもそも、我らだけでは戦力不足じゃ」
「相手は、高い塀に囲まれた屋敷に
我らの二倍の家臣団を配置して
鉄壁の守りじゃ」

高田 郡兵衛
「先祖伝来の免許皆伝
無駄に為れば、宝蔵院流高田派槍術が泣く」
「ご先祖様は
島原の乱における原城攻めに、
槍手一隊を率いて本丸を陥れる手柄をあげて禄高700石」
「祖父は、将軍家光様に
十文字槍の奥儀を披露した由緒ある家系じゃ」
「吉良如きに屈服など有り得ん」

原惣右衛門
「同意じゃぞ」
「吉良は、許せぬ仇じゃ」
「確実に仕留める」

堀部安兵衛
「内蔵助抜きでやるか!」

高田 郡兵衛
「んんゥ」
「儂一人で乗り込むよりはマシじゃ」

原惣右衛門
「相手は多勢じゃ」
「討ち入るには計画を立てねばならぬ」

堀部安兵衛
「吉良を討ち損じたら取り返しがつかんぞ」

高田 郡兵衛
「大石を待っておっては
それこそ、手遅れじゃ!」

原惣右衛門
「んんゥ」
「あのな」
「少し前に
其方の伯父が来て
其方を脱藩させると申しておったぞ」

堀部安兵衛
「おおォ」
「そうじゃ」
「儂らは、郡兵衛殿が脱藩などして
我らを裏切る事は無いと言って
追い返してやった」
「其方に何か申してはおらぬか?」

高田 郡兵衛
「んんゥ」
「組頭に我らの計画を訴えると申しておった」

原惣右衛門
「訴えたのか?」

堀部安兵衛
「内田元知は始末せねばならぬぞ!」

高田 郡兵衛
「組頭などに訴え出ても何も出来ん」
「そもそも、幕府は、
我らに討ち入りをさせたいと思っておる」

原惣右衛門
「討ち入りの許可は出ておらん」

堀部安兵衛
「左様じゃ」
「訴え出られたら面倒じゃぞ」
「内田元知は始末せねばならぬぞ!」

高田 郡兵衛
「始末などせんでも大丈夫じゃ」
「手出し無用」

原惣右衛門
「今までは、幕府からの取り締まりは無かった」
「しかし、その者に勝手な行動をされれば
幕府からの監視が強まる」
「幕府から追放処分を受ければ
江戸に入る事が難しくなるぞ」

堀部安兵衛
「 郡兵衛殿が出来ぬとあらば
我らが代わりに始末致しますぞ」

高田 郡兵衛
「実はな、
伯父(内田元知)は幕府から脅されておるのじゃ」
「儂を脱藩させたいのは、
伯父ではない
老中共じゃ!」

原惣右衛門
「まさか、老中を手に掛ける訳にはいかぬなァ・・」

堀部安兵衛
「郡兵衛殿を老中が脱藩させたい理由は何じゃ?」

高田 郡兵衛
「儂の家系が関係しておる」
「ご先祖は、
久世家の斡旋により播磨国明石藩の
小笠原忠真様に召抱えられ、
400石馬廻役の格式にて仕官。武術指南にあたった」
「儂は、三河吉田藩主・小笠原長重様に
五人扶持で召し出されて仕えた」
その後、戸田忠昌様の推挙で
主に200石15人扶持で仕えたのじゃ」

原惣右衛門
「戸田忠昌様は亡くなったぞ」

堀部安兵衛
「もう、昔の恩義は忘れろ!」

高田 郡兵衛
「儂は、主に忠義致す」
「主の無念を晴らすべく
固い決意で討ち入り
吉良を討ち取る」

原惣右衛門
「其方の決意があれば
老中などに負けはせん」

堀部安兵衛
「おおォ」
「老中なんぞに、
とやかく言われる筋合いはないわい」

高田 郡兵衛
「心配御無用」
「老中は、口出し為さらぬ」
「表だって干渉はない」

原惣右衛門
「其方が、裏切るとは思っておらぬ」

堀部安兵衛
「お前が、裏切れば
お前の名は地に落ちる」
「お前は、一生
臆病者と呼ばれて笑いものになるぞ」
「情けない思いで
蔑まされて死んでゆくのだ」

高田 郡兵衛
「儂を試しておるのか?」

原惣右衛門
「いやいや」
「それは、安兵衛殿の言い回しじゃ」
「儂は、其方が真の武士であると確信しておる」
「其方が、何よりも名誉と忠義を重んじていることは
承知の事実じゃ」

堀部安兵衛
「裏切れば、臆病者として吊し上げてやるぞ」

高田 郡兵衛
「すきにしろ」
「裏切る事など有り得ん」

原惣右衛門
「郡兵衛殿は真の勇者じゃ」

堀部安兵衛
「儂よりも、目立ちよってからに」

高田 郡兵衛
「儂は、
院流高田派槍術開祖の高田吉次からの免許皆伝、
槍の達人と証される」
「免許皆伝の実力を試してやるぞ!」
「よく見ておれ!」

原惣右衛門
「粋がるな」
「安兵衛は煽っておる」

堀部安兵衛
「儂は、
高田馬場の決闘で
18人斬り、として江戸で評判にり
赤穂藩随一の剣客として名を馳せた」
「其方には、負けん」

高田 郡兵衛
「それは、大袈裟じゃな」
「実際は、3人であろうが!」

原惣右衛門
「おいおい」
「変な意地の張り合いはよせ」

堀部安兵衛
「なんだかなァー」
「おもしろくねェーなァ」

高田 郡兵衛
「其方も、免許皆伝すればよい」

堀部安兵衛
「どうせ、儂には老中なんぞの
御声かけはねェーんだよ」