アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 愚策

2023-03-29 12:15:35 | 漫画


大石無人
「荻原重秀の通貨政策の弊害を調べましたので
ご報告を・・・」

新井 白石
「んんゥ」
「物価高騰と悪徳商人の横行じゃな」

大石無人
「陸奥国では物の価格が高騰して
百姓が飢饉に喘いでおりますが
江戸市中、及び京の都は豊かに発展しております」

新井 白石
「それは、搾取による繁栄に過ぎぬ」
「荻原重秀の通貨政策は改めねば為らぬのじゃ」

大石無人
「・・・・・
お約束の件ですが、
如何為っておりましょうか?」

新井 白石
「津軽殿の事は
主殿に申し伝えておる」
「後は、其方の働き次第じゃぞ」

大石無人
「近衛 熙子様が
西の丸にお入りになられるのは
いつ頃で御座いますか?」

新井 白石
「全ては、其方の働き次第じゃ」

大石無人
「某に、左様な力は御座いませぬ」
「ぞうぞ、お手柔らかに・・」

新井 白石
「んんゥ」
「近衛 熙子様には
再従姉妹に
将軍の正室の鷹司信子様がおられる」
「今、鷹司信子様からのお誘いを受けておる故
近いうちに御簾中として西の丸の大奥に迎え入れられる筈じゃ」

大石無人
「真に御座いますか?」
「綱豊様が
将軍綱吉様の世子と為られるので御座いますか?」

新井 白石
「必ずなる!」
「儂は、綱豊様が天下を握るものと確信しておる」

大石無人
「某に何が出来るので御座いますか・・・?」

新井 白石
「隠さぬともよい」
「其方は、将軍綱吉の秘密を握っておる」
「その秘密を少し使えば
将軍は怯えて縮こまる」
「其方が持っている将軍の秘密は
大きな力となる」
「その秘密を使うのじゃ」

大石無人
「何の事やら
儂には分かりませぬぞ・・・」

新井 白石
「まぁよい」
「其方は、その秘密をひけらかす必要はない」
「ひけらかせては意味は無い」
「隠しておけ」

大石無人
「・・・・・・」
「ところで、
津軽信政様の孫娘との婚約話は
進展が御座いましたか?」

新井 白石
「んゥ?」
「松平信清殿かな?」
「津軽信寿の娘を松平信清様に嫁がせるのじゃな」

大石無人
「左様に御座います」

新井 白石
「昨今、
近衛熙子様と将軍の正室の鷹司信子様が
良好な関係にある」
「御台所様の推薦があれば
松平信清様は断る事は出来ぬ」
「近衛熙子様に働き掛ければ可能じゃ」

大石無人
「ただ、津軽は資金不足で御座います・・」

新井 白石
「このこと、金子、銀子では叶わぬぞ」
「近衛熙子様と鷹司信子様
お二人が、手に入れたいのは
大奥での権力じゃぞ」
「其の為には、其方の力が必用なのじゃ」
「其方には
将軍綱吉を怯えさせる秘密がある」
「それを使うのじゃ」

大石無人
「左様な事を・・・・」
「御冗談を・・・」

新井 白石
「まぁ よい」
「なるようになる」
「実はな、津軽の困窮は
将軍綱吉の愚策の表れなのじゃ」
「あれは、堀田正俊を殺して
生類憐みの令を出した」
「愚策じゃぞ」
「儂は、堀田正俊殿に仕えておった
その頃の津軽は困窮などなかった」


「津軽信政の業績として
津軽新田の開発、
治水工事、山林制度の整備、植林、検地、
家臣団の郊外移住による城下町の拡大、
野本道玄を招聘しての養蚕、織物、製糸業、
紙漉の発展・育成などに努めた。
民政においても善政を敷き、
弘前藩の藩政確立と発展に尽力し、
藩の全盛期を築き上げた。」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


大石無人
「生類憐みの令を批判為さるので・・・」

新井 白石
「愚策じゃ!」

大石無人
「・・・・・」
「此処だけの話という事で・・・」

新井 白石
「左様」