アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 高田郡兵衛の台頭

2023-03-13 10:24:55 | 漫画


高田 郡兵衛
「内蔵助と安兵衛が争っておるが
其方達は、蚊帳の外」
「協議に加わることはない」

潮田又之丞
「儂には、御声があったがな・・」
「その後、太傅に止められた・・」

前原伊助
「如何せ、儂は下級武士じゃからな」

大高源吾
「ところで、協議は如何為った?」

高田 郡兵衛
「内蔵助は、討ち入りに反対しておる」
「安兵衛は、内蔵助の資金に期待しておる」

潮田又之丞
「では、太傅の意向で全てが決まるのじゃな」

前原伊助
「討ち入りが先延ばしになれば
更に資金不足になるのだぞ」
「安兵衛も怖気付いたのか!」

大高源吾
「では、討ち入りは出来ぬとの決定か?」

高田 郡兵衛
「いや」
「儂は、
一人であっても討ち入りを決行すると申し入れた」

潮田又之丞
「ちょっと待て」
「勝手な行動は慎め」
「太傅の協力を仰ぐのが得策じゃぞ」

前原伊助
「安兵衛が怖気付いているのであれば
下級武士と罵られている我らが
立ち上がるのが道理じゃぞ」
「安兵衛は太傅の資金をあてにしておるのじゃ
安兵衛に従っておっては、手遅れになるぞ!」

大高源吾
「安兵衛は臆病者じゃ!」

高田 郡兵衛
「儂は、安兵衛とは違う」
「儂の祖父は、
将軍に十文字槍の奥儀を披露した
宝蔵院流高田派槍術の祖」
「幕府からの強い信頼を受けている名門の家柄じゃ」
「安兵衛は決闘で名を上げた
成り上がり者」
「幕府からは疎まれておる」

潮田又之丞
「しかし、幕府は我らを見切ったのじゃぞ」
「もう、浅野赤穂は改易となり
城は、幕府に刈り取られた」
「我らは皆、浪人じゃ」

前原伊助
「今、我らが出来る事は仇討ちだけじゃ」
「急いで討ち入りを決行する事じゃ」

大高源吾
「安兵衛殿は手緩い」
「もう、安兵衛殿には見切りを付けて
郡兵衛殿が頭になっては如何じゃ!」

高田 郡兵衛
「頭などに意味はない」
「儂に従う者が残ればよい」
「儂は、一人でも討ち入りを決行するぞ!」

潮田又之丞
「おいおい」
「先走りはよせ」
「太傅に従へ」

前原伊助
「太傅が此処へ来てから
安兵衛殿の決意が変わっちまったな」
「確か、討ち入りを決意するための神文を作成した筈」
「確か、郡兵衛殿と安兵衛殿と孫太夫殿で御座ったか?」

高田 郡兵衛
「安兵衛は太傅の金が欲しいのだ」
「だから、太傅には逆らえん」
「しかしな、儂は違うぞ!」

潮田又之丞
「ちょっと待て」

前原伊助
「いや、待たぬ」
「我らだけで、討ち入りを決行する!」

大高源吾
「こりゃーおもしれェー」
「抜け駆けして、討ち入っちまおーぜ」
「なァ」
「郡兵衛殿」

高田 郡兵衛
「安兵衛は当てに為らん」
「大石に誑かされた」

潮田又之丞
「ちょっと待て」

前原伊助
「郡兵衛殿!」
「一丁、やっちまおーぜ」

大高源吾
「おもしれぇー」

高田 郡兵衛
「んんゥ」
「新たに、同士を結成するかな」

潮田又之丞
「駄目じゃぞ」
「勝手は許さんぞ!」

前原伊助
「もう、我らは皆、浪人になったのだ」
「上下関係もなかろう」

大高源吾
「又之丞殿も嫌ならば逃げたらよいと思いますぞ」

高田 郡兵衛
「おぉおゥ」
「又之丞も臆病風じゃ」

潮田又之丞
「違う!」
「儂は、臆病者では御座らぬ!」

前原伊助
「ならば、我らに同意したら宜しいのでは御座らぬか」

大高源吾
「そうじゃ、そうじゃ」

高田 郡兵衛
「無理強いはよせ」
「強い信念を持つ忠臣が残ればよい」

潮田又之丞
「いやいや、そうでは御座らぬ」
「儂は、逃げておるのではない」
「主家再興を第一に思おておるから
早まるなと申しておるのじゃ」

前原伊助
「どうせ、太傅だけが得をする」

大高源吾
「太夫は我らから集めた金で遊んでいるとか・・」

高田 郡兵衛
「そうじゃ」
「内蔵助は、遊び人じゃぞ」
「主家再興などと、ほざいておるが
実際、討ち入りは禁止しておる」
「内蔵助は、皆から集めた金で
遊びたいのじゃぞ」

潮田又之丞
「それは、違う」
「集めた金で
大僧正様に働き掛けておる」
「大僧正様を味方につけて
主家再興をお願いしておるのじゃぞ」

前原伊助
「又之丞は、席を外して頂きたい」

大高源吾
「又之丞殿には、
200石の家督を相続させて貰った恩義があるからな」
「儂は、赤穂藩士大高忠晴(200石)の長男として赤穂に生まれたが
実際には、20石5人扶持しか相続を認められなかった」
「えれェー違いじゃ」

高田 郡兵衛
「主が江戸屋敷に居る事を良い事に
内蔵助は、赤穂城を実質牛耳っておった」
「源吾は内蔵助から不当な扱いを受けておったのじゃぞ」

潮田又之丞
「それは、違う!」

前原伊助
「儂は、太傅から下級武士と呼ばれ
協議の席から外れるように申し渡された」

大高源吾
「儂も、協議から外された」