アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 あやふや

2023-03-07 11:46:41 | 漫画

           赤穂事件 あやふや



畠山 基玄 (高家肝煎)
「其方は、松平定直殿の身代わりとなり
これより、伊予守と証する」

品川 伊氏 (高家旗本)
「身代わりで御座いますか?」

畠山 基玄
「相手の目を欺く為じゃ」

品川 伊氏
「それは、上意に御座るか?」

畠山 基玄
「心配するな」
「其方の名が伊氏(これうじ)
書き間違いじゃ」

品川 伊氏
「伊予とコレウジでは呼び間違いは・・」

畠山 基玄
「詮索するな」
「書き間違いじゃぞ」
「それから」
「吉良殿の隠居が認められたから
肝煎が居らぬ」
「其方にも、高家肝煎を務めて欲しい」

品川 伊氏
「おおォ」
「やっと、某にもお声が掛かった」
「慎んで御受け致す」

畠山 基玄
「上様が御隠れに為っておられるが
式典や祭事は執り行われる」
「忙しくなるが
怠り無きように、精進致せよ」

品川 伊氏
「ご指導の程、宜しくお願い致します」

畠山 基玄
「これから、吉良殿に与しておった者は
粛清を受ける」
「其方も気を付け為されよ」

品川 伊氏
「上様の加護は御座いませんので・・・」

畠山 基玄
「今はない」
「いずれ、お目見えがあれば
状況も変わると思うが」
「今のところ、
老中協議で政が為されている」
「上様は、何も為さらぬ故
吉良殿は見捨てられた」

品川 伊氏
「老中協議で決められた事は
大老格の判断を仰ぐ必要が御座いますぞ」

畠山 基玄
「上様が、御隠れに為っておられるのじゃぞ」
「大老格には、何も判断が出来ん」
「大老格は、上様の意向を確認せねば
何も出来んのじゃ」
「即ち、老中協議で政が為される」
「今は、大老格に権限はない」

品川 伊氏
「では、某の高家肝煎も
老中協議で決定したので御座るか?」
「上様の意向は御座らぬのか?」

畠山 基玄
「心配するな」
「今は、老中が権限を握っておる」
「全ての責任は、老中にある」
「我らは、それに従えばよい」

品川 伊氏
「今一度、確認したき事」
「松平定直殿の身代わりとは何で御座る?」

畠山 基玄
「身代わりなどと申したから心配になったか・・」
「心配はない」
「例え身代わりとなっても罪はないぞ」
「ただの書き間違いじゃ
そして、聞き間違いじゃ」
「全てをあやふやにしておく為じゃ」

品川 伊氏
「曖昧ですなァ」
「本当の事を教えて下され」

畠山 基玄
「んんゥ」
「旧赤穂藩士高田郡兵衛を騙す為じゃ」
「騙した者を曖昧にする事が目的」
「幕府の内情で
曖昧にせねばならぬ」
「首謀者を知られては為らぬ」

品川 伊氏
「いよいよ、陰謀の色合いが強くなってきた」
「旧赤穂藩士高田郡兵衛とは何者で御座る」

畠山 基玄
「心配するな」
「伊予と書き間違っただけじゃ」
「 伊氏を伊予氏と書き間違っただけじゃ」
「間違いは明らかじゃ」
「間違いに気が付けば
直ぐに修正される事じゃ」
「心配は要らん」

品川 伊氏
「んんゥ」
「上様の意向で御座るか!」

畠山 基玄
「何度も申す事」
「上様は、今、御隠れに為っておられる」
「上意は過去の事」

品川 伊氏
「では、以前の上意に御座るか?」

畠山 基玄
「心配要らん」
「詳しき事は、これから分かる」
「直ぐに知る必要はない」
「詮索すれば、上様を困らせる事になりますぞ」

品川 伊氏
「左様か・・」
「気持ちが悪いが
其方を信じよう」

畠山 基玄
「んんゥ」
「実際、儂の方が深入りをしておる」
「其方が罪を問われる事はない」
「儂を信じてくれ」

品川 伊氏
「承知した」

畠山 基玄
「任せましたぞ!」