ねりま世界(仮)

東京から札幌、そして東京へ戻ってきた人の日常

へいわのしょうちょう

2005-03-29 | ひとこと
鳩じゃなくて、おばあちゃん。

所用のため、札幌市内某区役所までお出かけ。
駅から遠い為、バスを待っている最中にとあるおばあさんに話かけられる。

「このバスで区役所にいけるんですかねぇ」

私も東京から来たばかりなので少々不安になりつつ、
「ええ、大丈夫です」(ネットでばっちり調べたもん)なんて話ながら
区役所の道のりをご一緒することになりました。

自分が東京から引越ししてきたばかりだと言うと、
そのおばあちゃんも数十年前の昔、東京からやってきたということ…。
し、し、し、しかも四谷に住んでいたとか!
なんだよ、凄いところじゃないか、おばあちゃん。

 「札幌は大変でしょうに、雪も多いし寒いわよねぇ」

確かに仰る通りなんだけど、自分が元々北海道(札幌)好きだったので
1度は住んでみたかったんです、なんて話してみると、

 「それはよかった。若いうちにいろいろ出来るといいものよね」

なんて言ってくれる。そうか、私はまだ若いのか!(喜ぶポイントが違う?)
が、その後に続いて、

 「でもねぇ、私、元々札幌市の生まれだけど、10代~40代の若い頃に東京に住んでいたせいか
  札幌にちっとも愛着を感じないのよねぇ。今でも東京を思い出すわぁ」

なんて、おばあちゃんに言われてしまった。
私は、今は札幌に引っ越してきたばかりで正直毎日楽しいし、
今のところ人生で一番楽しい土地が札幌になっている。

が、私も月日を重ねて、このおばあちゃんぐらいの歳になった時、
その時に一番に思い起こす土地はどこになるんだろうかなぁ。

実家のある横須賀?
楽しかった西荻窪?
今の札幌かな?

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区役所での手続きも終わり、帰りのバスを待つ。
本当に偶然にも、帰りのバスもそのおばあちゃんとご一緒になった。
駅まで一緒に歩き、電車を待つ。私の乗る電車が先に来た。
おばあちゃん、無事に手続き終わってよかったね、
なんて話してベンチを立ったら、おばあちゃんが電車乗車口まで見送りに立ってくれた。

「お元気でねぇ」

私の姿が見えなくなるまで手を振ってにっこり笑うおばあちゃん。
名前もお伺いしませんでしたが、どうぞお元気で。
また偶然会えるといいですね。