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中国の歴史04 三国志の世界

2005-03-30 20:55:43 | 三国志/関連本
中国の歴史04 後漢 三国時代三国志の世界/金 文京 著/講談社/刊行中/2600円(本体価格)

内容とコメント歴史書の記述が少ない呉について、近年(80~90年代)の様々な発掘資料をもとに、孫権の海洋展望、、民間による呉と倭の交易の可能性など、当時の情勢を想定しています。
蜀については、やはり「名士」の扱いに困り滅亡を招いたことを紹介しています。
その他、三国時代の宗教、文学、暦などの文化や国際関係も詳細です。
「正史」と「演義」を対比し、「演義」の時代考証の甘さと、地理的誤りを指摘し、その理由を解説しています。
また、三国時代以降の「三国志」書籍が、書かれた当時の政権や民族などの時代背景を反映していることも述べています。

この武将がキラリ!
魯粛。「演義」ではお人よしなイメージを定着されてしまったけど、この本では主君(孫権)には理解されなかった彼の戦略を詳しく述べ、その正しさと先見の明を高く評価しています。
荊州の領有をめぐる「単刀会」のエピソードも、史実では関羽(著者は呉の強硬派と見ています)に激しく叱責し、なおかつ同盟による和平維持に努めたことを紹介しています。
関羽に一言も返させなかった堂々たる態度がかっこいい~

この武将が???
孫権。北方と結んで魏を挟撃する計画や海外との交易を試みたなど、(いずれも失敗したものの)海洋戦略の壮大さには目を見はるものがあります。…が、交易に失敗した派遣隊を処刑するなど、マイナス要素も多い人物です
ともあれ、孫一族に海への独特な感覚があったという著者の見方に、彼らの新たな魅力を垣間見ることが出来ました。


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