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三国志マガジンVOL.9その1・コラムと軍師特集

2006-06-03 20:14:48 | 三国志/漫画
コミックフラッパー7月号増刊 コミック三国志マガジンVOL.9/著者はカッコ内/メディアファクトリー/刊行中/550円(込)
内容とコメント1冊丸ごと三国志の漫画雑誌。今回は読み物と特集で取り上げられた軍師たちの漫画作品をご紹介します。

読み物
三国志ニュースCLIP…三国志に関する情報を掲載するコーナー。今回はついに稼動が始まったアーケードゲーム「三国志大戦2」の新カード、新勢力や新要素の他、グッズも紹介しています。排出停止になったカード(使用は可能だそうです)のリスト掲載が親切です。
その他にはこのブログでもちょっと宣伝した京劇の記事などがあります。

三国志新聞(大澤良貴)…今回はスポーツ新聞風と言う事で、孔明の「八陣」を野球やサッカーのような解説で評価しています。結構厳しいです。
その他には「木牛流馬」を名前から想像した記事や海を隔てた邪馬台国の紹介を何故か風俗記事(?)風に書いたものや占いに人生相談まであります。
新聞の4コマ漫画には「アレ国志」のとうたくさんが出て来ました。本編で他のキャラに出番を取られてしまったからかも…?

うまなみ三国志(大澤良貴+荒木風羽)…テーマは「三国志と音楽」。いつものように古代中国の音楽の歴史から音階、楽器、三国志の中の優れた音楽家のエピソードを見やすい漫画で解説しています。

随筆三国志(大澤良貴)…「うまなみ三国志」を補足した作品。占い同様音楽を民衆を操作する事に使ったりと、何でも利用する政治家の器用さに感心しつつも半ばあきれてしまいます。
琴にまつわる話もあり、これを元に想定した孔明が司馬懿に聴かせる為に琴を弾いている解釈が三国志らしくて面白いです。

軍師大特集
諸葛亮(孔明)…中井覺氏による表紙と原色武将図絵Vol.2に登場。「出来る人だけどだからこそ人に任せられない」という見方がなかなか鋭いです。終盤の孔明が正にそんな印象でした。武将図絵の孔明もかなりくたびれた様子に描かれています。
漫画作品「諸葛の魔陣」(原案協力:黒田タケフミ・作画こしじまかずとも)は北伐に失敗し続ける蜀の孔明が武力・機動力で勝る魏を相手に連弩隊や槍兵などで構成された無敵の陣形を取り、敵兵をさんざんに打ち負かす内容。タイトルは「魔陣」ですが孔明の方が「魔人」という描かれ方です。

沮授(そじゅ)…「大不忠者」(原作:大澤良貴・作画:黄十浪)は王を補佐や的確な戦略に自負があった沮授だが、仕えた韓馥(かんふく)や袁紹に聞き入れてもらえず、我が身の不運を嘆く日々を過ごしていた。袁紹が敗れた後に自分に足りなかったのは策を聞き入れさせる事だと気付いた沮授は…。
前号の夏侯惇の話のように、相手の(前作では関羽)姿を通して自分の過ちに気付く描写が良かったです。(ちなみに今回は郭嘉だったのが嬉しいです)
この過ちがタイトルの「大不忠者」の意味に繋がるという流れも良いです。

陸遜(りくそん)…「社稷(しゃしょく)の臣」(中島三千恒)に登場。孫策の戦に巻き込まれ、従祖父を始め一族が死んだ事で呉の名家の一つ・陸家の当主となった陸遜。その重責を実感していた彼は頭を下げてスカウトに来た孫権に同じ物を見た事で孫家への憎しみが解け、幕下に加わり主君の為に尽力する。…が、跡継ぎの問題で忠言した折、孫権が自分を取り上げた本当の理由を知ってしまう…。
沮授の話と同様、最期の場面(心理)が今までと違った印象を抱く内容に描かれています。

魯粛(ろしゅく)…「魯粛シリーズ」の第五話「捕風船」(佐々木泉)は異民族に興味を持った魯粛が作らせた船が呉の水軍の要になる話が様々な人の思惑を絡めながら展開します。
…凌統が結構空回りしています。