駿府城中堀沿いに設置されている城下の古図(江戸初期のもののようです)です。
駿府の町々にはこのように安倍川から取水された駿府用水が流れていたということです。
(←→は市庁舎前を示しています。)
現在、市街地ではほとんどが暗渠(あんきょ)となってしまっているため、
現存するかどうかも含めて経路などよく分からないのですが
〔もちろん、しかるべきところで調べれば分かるでしょうが(笑)〕
中央警察署・追手町消防署合同ビル前、市庁舎本館前あたりは開渠となっているため、
おおよその経路を想像することができます。
〔全くの余談ながら、警察(県)と消防(市)が合同ビルとなっているのは、
占領下にもたらされたアメリカ流の自治体警察、いわゆる民主警察時代の名残なのでしょう。〕
市庁舎新館(葵区役所)前のあたりはバス停設置のため、やはり暗渠となっています。
このあたりから再び人知れずひっそりと
しずおか信用金庫方面に道路を横断して信用金庫裏側の歩道の下を流れ
くまたか橋を経由して鷹匠町方面へ、さらに久能街道に沿って流れているようです。
こちらは葵区役所向かえ側の外堀(地図の※)です。
ここにはこのような排水管があり、
コイやソウギョ(草魚:コイよりやや細身で、ほお骨(?)が張っている)などがいつも群れています。
10年くらい前(もっと前かもしれません)
毎日、郊外からカワセミが通って来てこの排水管に止まり
小魚をねらっていた姿が話題になりました。
それはともかくここに流れてくる水は
駿府用水の分水なのか、それとも分流式下水道の雨水なのかちょいと分かりません。
はたまた、「駿府御用水」なのでしょうか(!!)
〔こちらも、しかるべきところで調べれば分かるのでしょうが(笑)〕
駿府御用水について
駿府には、駿府用水のほか駿府城の堀に水を供給するための駿府御用水があり、
下記のサイトなどでも御用水の方は鯨ケ池を水源として、
駿府用水とは全く別のものだと明言しています。
「駿府用水の図」
ところが、この図からはどう見ても途中で合流しているように見えます。
〔老眼、乱視ゆえにそう見えるのかもしれませんが(笑)〕
また、「*市関連のあるサイト」を見ても
「御用水は本丸堀→二ノ丸堀→三ノ丸堀へと放流された」とあるだけで、
井宮(いのみや)方面から本丸堀までは
どういう経路できたのかといった肝心なところには全くふれていません。
“御用水”の存在は、
門屋(かどや)の白鳥家に伝わっていた古文書だけが根拠とされているようですが、
ひょっとして江戸前期だけ存在し、
その後は駿府用水と御用水は区別はなくなってしまったのかなどと
素人ならではの大胆な(?)仮説を脳裏に浮かべたりします。(笑)
それと、戦前は入水(じゅすい)する人さえいたというくらいお堀の水は豊かで
一雨降るとあふれるほどだったということなので
駿府御用水に頼らなくとも湧水だけで十分まかなえていたような気もします。
*市関連のあるサイト
この“あるサイト”は、もちろん詳細にいろいろなことが書かれていて多いに参考になるのですが、
町名の読みの振り仮名はどうも信用できないものが多いです。
全体からすれば些細なことなのですが、
このことがどうも気になり、
あちこちに誤りも多いのではと個人的には不信感を持つ要因となっています。(笑)
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多分、飲料水は井水に頼っていたのでは・・・
世界初の上下水道というのは、何をさしているのか知らないのですが、駿府用水をさしているのかも知れませんね。
その場合、現在の「上下水道」とは、少々意味が違うようなきがします。
その場合、用水の上流地域には下水道がない地域があるので、浄化槽からの排水が流入している可能性はあり、魚が喜ぶ環境に近いものがあるのかもしれません。(笑)
市庁舎前などの水路はいつからあるのかといつも疑問に思っていましたが、そんなに古く由緒ある水路だとは夢にも思いませんでした。
ここに来ると静岡の色々なものの由来がわかって勉強になります。これからもよろしくお願いします。
(市民でありながら無知なshizuokanohahaより)
詳細な解説ありがとうございます。
どうしてこの水にこんなにお堀の魚が執着しているんだろうと気になり、温度が心地よいからかな、酸素含有量が多いからかな、はたまた栄養成分が含まれているのかな…とかいろいろ想像しています。
というのは、小学生時代を過ごした東京都北区王子の音無川に、最近になって大変なものが長い間流れ込んでいたことがわかり、ニュースで騒ぎになりました。もしあの川に魚が住んでいたら、魚には好評だったかもしれませんが(笑)
汚い話しの口直し。
清水高部地区の巴川にも昔はカワセミが住んでいて土地の人は翡翠(ひすい)と呼んでいたようです。土地の古老らしき人への聞き書きが笑えます。
「翡翠はたいがい枝にひとりでとまっていてツレはいないっけ」