仕事が終わってから出発し、17日23:50に現地入り。
望遠鏡を稼働させましたが、雲がひっきりなしに流れてきて、全く撮影できず。
八ヶ岳スポットに放置撮影させたスタートレイル写真も雲でダメダメ。
晴れていた分だけだとこの写りです。
やはり月がないから前回より星の数は多いですね。
また来月に再挑戦です。
翌日、なんと、昼過ぎに雪が降りました。
短時間でしたが、吹雪いたと言って差し支えないほどの光景でした。
夜半から晴れる予報だけど、これはシンチレーションが厳しいかなぁ。
それにしても寒い。
細身には応える寒さです。
気合を削がれるのを感じました。
夜、晴れたとしても作品を狙いに行くような空ではないでしょう。
今回のメインミッションは巨大ニュートンにBKP130を導入することなので、まずはその作業に入ります。
BKP130は、口径130mm, F5, f=650mmのニュートンです。
巨大ニュートンにVIXEN GP赤道儀を取り付けて、それにBKP130を載せます。
GP赤道儀は有線のコントローラーで動かせるように友人が改造してくれています。
なんとも贅沢な装備です。
なお、ピンク色のフェルトのレンズヒーターを巻いてあるのがMGEN-3用のf=240mm, F4のガイド鏡です。
いろいろ作業をしたあと、凍えた体を温めるために美味しい食事をとりに行きました。
いつもの洋食屋さん。
ここのビーフシチューハンバーグは最高です。
このあと温泉に浸かり、体を温めて小屋に戻ったのが20時頃。
小屋に戻ってから、BKP130の光軸調整に手こずりました。
Ocal electronic collimator、斜鏡の輪郭と赤い円を合わせるのですが、これはいい加減にやるのが正解ですね。
真剣に合わせると痛い目を見ます。
赤い円は斜鏡の輪郭に大まかに合わせつつ、本命は斜鏡に映った主鏡の輪郭と青い円を合わせることです。
斜鏡に映った主鏡の輪郭と青い円を合わせることができれば、赤い円は自然と斜鏡の輪郭とだいたい合います。
完璧を目指すのは厳しいですが、大まかに、合います。
今回の光軸調整はこんな感じになりました。
理想的ではないです。
本来なら、主鏡に映った斜鏡のど真ん中に赤いOcal electronic collimatorが来るはずなんですが、今回の調整では赤いOcal electronic collimatorがなんとか主鏡に映った斜鏡の中に収まった、という感じです。
斜鏡の引ネジを数回転「締めるか」「緩めるか」して斜鏡を前後させれば、主鏡に映った斜鏡の真ん中に、赤いOcal electronic collimatorが映るんでしょうけど、今回は力尽きて、これで妥協しました。
一応、主鏡に映った斜鏡の中に赤いOcal electronic collimatorが収まっているので、最低限の用は成すはずです。
また時間のある時に、光軸をさらに追い込みたいと思います。
BKP130の光軸調整にひと段落つけたところで、巨大ニュートンを稼働させます。
狙ったのは今が見頃のM31アンドロメダ銀河。
ISO 3200, 180sec, JPEG 1枚撮り
ピントを疑いたくなるようなボヤボヤの写真です。
でもこれ、ちゃんとバーティノフマスクでピント合わせしてあります。
別の言い方をすると、バーティノフマスクなしではピントの山を迷うシンチレーションでした。
オートガイドも、巨大ニュートンのオフアキではガイド星がボヤボヤで、PHD2がガイド星を見失ってしまうので、焦点距離240mmのガイド鏡につけたMGEN-3に切り替えました。
こうなると巨大ニュートンは用無しです。
こういう時のために焦点距離の短いBKP130を巨大ニュートンに載せたのです。
BKP130で同じM31を狙います。
純正コマコレクターを使ってます。
カメラはEOS 60Da
ISO 3200, 222 sec, JPEG 1枚撮り
1枚撮りです。
シャープではありませんが、巨大ニュートンよりは見れます。
友人の勧めで、超久しぶりにKenko Close-up lens No.4で自作したレデューサーを使って、さらに焦点距離の短い写真に挑みます。
自作レデューサーは×0.68になるらしいので、APS-Cであることからそれを1.6倍して、650mm×0.68×1.6=707mm相当の画角になります。
それがコレ。
ISO 1600, 402sec, JPEG 1枚撮り
周辺のコマがひどい。
コレは使えん!と友人に見せたところ、「Close-up lensが表裏逆になってるから、ひっくり返してごらん」と。
なぬ。。。
なにぃぃい!
画像の端っこまで星が丸いではないか!
ISO 3200, 184sec, 1枚撮り
今までKENKO Close-up lens No.4で自作したレデューサーにはダメ出しをして、丸7年間、お蔵入りさせてました。
ごめんなさい!
とっても優秀なレンズでした。
ダメダメだったのは僕の方でした。。。
構図を少し傾けてもう一枚。
ISO 1600, 428sec, RAW 1枚撮り
ひどいシンチレーションなんで、焦点距離707mm相当の画像でもやはり作品にはなりません。
こんなシンチレーションの時は、さらに短い300mm台もしくはそれ以下の焦点距離で作品を狙いに行くべきなのでしょう。
しかし、僕はそんな短い焦点距離で撮影した経験がほとんどないので、コレから先の楽しみということになります。
画像処理をPhotoshopでやっていたら、RAW現像の段階でAIによるノイズ除去機能があったので、上の写真に対して使ってみました。
ちょっとノッペリした画像になりますが、1枚撮りでコレはすごいなぁ。
コンポジット合成をするのが面倒臭い時は、こんなのもいいかもしれません。
BKP130はネットで検索すると、みなさんずいぶんと改造している様子。
特に接眼筒が眼視に適した長さになっているため、カメラを取り付けると接眼筒が大きく鏡筒内に出てしまうので、接眼筒を切る必要があるみたいです。
ピントをズラしてみると、鏡筒内に突き出た接眼筒が確認できます。
接眼筒の先端をだいたい1cmくらい切って落とせばいいみたいです。
接眼筒を短くしようと思っていながら、なかなかその時間を設けられず、BKP130を購入して2年間も段ボールごと床に放置が続いてましたが、もう面倒くさくなって、無改造のまま使い始めましたが、写真の写りに、僕的には特に不満がないです。
このまま使い続けようかな?(光軸の追い込みはもう少ししますが)
BKP130の撮影もひと段落したところで、もう一つ気になることを確認する作業に入りました。
ネット記事で知ったのですが、今まで僕自身もレデューサーとは、屈折とニュートンでは異なるレンズだと思っていたのです。
ところが、どうも同じレデューサーを屈折でもニュートンでも使えるはずだと。。。
レンズの光学的な知識はございませんが、そんなことが可能なのか?と思ってしまったもので、それを確認したく思いました。
もうすでに深夜0時を過ぎていましたが、EQ6proを組み上げて、ED81Sを載せて、自作のKENKO Close-up lens No.4で作ったレデューサーをつけて撮影してみました。
比較しやすいように同じM31アンドロメダ銀河を狙ってみました。
カメラはEOS 6D(無改造)
ISO 3200, 180sec, 1枚撮り
撮って出しがこれ
な、なんと。
KENKO Close-up lens No.4で作ったレデューサーは、屈折でもしっかりとレデューサーの仕事をしています。
フルサイズは四隅がケラれて厳しいですが、APS-Cなら普通に使えるでしょう。
上の写真をAPS-C程度にトリミングしたのがこれ。
M42オリオン大星雲の撮って出しがコレ。
無改造のEOS 6Dなので発色はこんなものです。
ちょこちょこっと画像処理してAPS-C程度にトリミングしたのがこれ。
ほんと、いいレデューサーを入手しました。
Kenko Close-up lensが¥3,000くらい。
Tマウントアダプターと延長筒などを合わせても1万円以下。
それでこの性能なら文句なしです。
本当に久々のEQ6proだった。
ベルトドライブ化してから長らくお蔵入りでした。
ので、ついでにいろいろデータを取りました。
まずはキャリブレーションの確認。
赤経と赤緯でステップ数に差があるのがちょっと気になる。
ガイドカメラもお蔵入りしていたASI 290MM mini
シンチレーションのことを考えるとbinningした方が良かったか?とも思ったのですが、ガイドアシスタントでその指示は出なかったので、binningする必要はなかったのでしょう。
でもま、普通にオートガイドはできそうな雰囲気です。
ガイドアシスタント。
お目当てのバックラッシュ測定。
今回は西の空だけです。
東の空が見えないところでやっていたのが残念でした。
とりあえず、バックラッシュを少なくする工夫をした成果が上がっているように見えます。
今回1回だけでは断言できませんが。。。
東の空に向けた時のバックラッシュ測定はまたの機会になりました。
オートガイドはこんな感じでした。
ガイド星が流れているのがご容赦。
望遠鏡を動かした後にこの画像をスクショしたので。。。
ひどいグラフに見えますが、でもまあ、シンチレーションの悪い夜はこんなものかもしれません。
写真の星は丸く写っているので、この夜は深く追求しませんでした。
EQ6proで撮影している合間に、巨大ニュートンに、東の空に上がってきていたM81を狙わせていました。
ノートリミング、8枚コンポジット(写真の半分以上はボヤボヤ写真でドロップアウトして、上位8枚をコンポジットしました)
EOS Ra
ISO 6400, 200sec
ガイド鏡 240mm F4,
ガイドカメラ MGEN-3
最後の最後にオチが付きました。
この写真、画面右手の星が楕円形になっています。
最初のM31を撮った写真では認めなかった現象です。
つまり、光軸がズレた。
やはりこの巨大ニュートン、向きを変えると主鏡が動くのでしょう。
向きを大きく変えた後は、「光軸がズレているかもしれない」という認識で最初の1枚目の写真を吟味し、今回のような結果であれば、レーザーコリメーターだけで良いので、光軸を確認し、主鏡の調整をする必要があるということです。
まあ、ニュートン式望遠鏡とはそういうものだと、理屈では理解しているつもりなのですが。。。面倒臭い代物だなぁ。
それにしても、、、です。
MGEN-3、すごいです。
焦点距離240mmのガイド鏡で、BKP130をオートガイドできるのはまだ納得が行きます。
焦点距離2450mmの巨大ニュートンを240mmのガイド鏡でオートガイドできるのには驚くばかりです。
そんなことが可能なのか?!と。
前回来た時、巨大ニュートンの乾燥空気装置のエアポンプを強化しました。
が、鏡筒内でエアホースの先から出てくる乾燥空気の勢いが期待したほどではありませんでした。
(もちろん、以前よりかなりいいのですが)
長さ3mのエアホースが細過ぎて抵抗になっているのかもしれません。
次回、エアホースを内径5mmのものに交換してみようと思います。
あと、BKP130用にも乾燥空気装置を作らねば。
かなり成績の良い撮影ですが、ここまで良く頑張りました。(^0^8
これからのシーズンは観測の好機でもあり、大いに期待しております。
現地は既に冬の気配ですが、どうしてどうして情熱が雪をも
溶かす勢いです。(^0^;
レデューサーですが、実は(^0^)も他のシステムで
再検討しており、SE200N/CRでもFL200㎜のを使って
良い結像を得ております。
所謂、ペッツバール和の適性に供する訳で、これは反射でも
屈折でも同様と思います。(^0^v
数値的に完全と思えるのはメーカの推奨品ですが、そこまで
行かなくてもクローズアップレンズで代用も効く筈です。(~ ~;
(^0^)も以前買った健康のがありますが、今は別のに
組み込んでしまい、分解もめんどいのでこのままにします。
これからも何かと作業があろうかと思いますが、安全第一に
願います。。お互い様ですが。。(^0^)
今回は気合を川越の星さんからいただきました。
僕は寒がりなので、雪と寒さにやる気を削がれていたのですが、川越の星さんが気合を入れてやっているのをみて、こちらも負けていられない!と気合を入れ直した次第です。
ペッツバール和というのがあるのですね。
いずれ僕にも数学的に理解できる日が来るでしょうか。
公私ともやること満載で、なかなか例会に顔を出せません。
なんとか時間を作りたいのですが。
今が頑張りどきと思って次々と目の前のことをこなしている日々です。
観測所での作業、撮影、興味深く拝見してます。
冬場の高層気流の影響で長焦点の望遠鏡では星が肥大化してしまうみたいです。
8cmの望遠鏡が健闘していますね。
これから寒さ厳しい季節となりますが冬季も観測所で撮影されるのでしょうか?。
健康に留意されてご健闘ください。
大きな望遠鏡は魅力的なのですが、被写体を拡大する分だけアラは見えやすくなりますね。
冬の観測は寒さがこたえますが、一旦撮影が軌道に乗れば、隣の休憩室でこたつに入ってテレビを見ながら操作できるので、完全な野外よりは楽です。
それでも寒い部屋と暖かい部屋を往復するの、億劫になりますけどね(^_^;)
がんばります!