各地で桜の便りがチラホラと聴こえる今日この頃ということで
桜に因んだ曲を。
「桜の木の下には死体が埋まっている」と言ったのは梶井基次郎。桜の花が美しいのは、その下に様々な動物や虫たちの醜く腐乱した死骸が埋まっていて、その養分を吸っているから美しいのだ。ということなそうな。
美しきものと醜きものとは対極にあって、しかも繋がっている。
美と醜、生と死、陰と陽は表裏一体。供にあるもの。循環していくもの。
それがこの世の理。
桜花の美しさと、その盛りの儚さに
生命の永遠の循環を観る。
なーんてね、でも結局は、花より団子(笑)
この曲は、京極夏彦氏の小説『絡新婦(じょろうぐも)の理(ことわり)』にインスパイアされて書かれた曲です。
「あなたが蜘蛛だったのですね」この瞬火くんによるつぶやくようなセリフは、上記の小説の中でとても重要なセリフなんです。
陰陽座の初期の曲には、京極夏彦氏の小説から影響を受けたであろう曲がいくつか散見されており、この曲もそのひとつ。
興味がおありの方、『絡新婦の理』はじめ、京極夏彦氏の小説、読んでみたらよろしい。
岩手県でも県南や沿岸部では桜が咲き始めています。
今年は桜の開花がやたらと早い。つまり
散るのも早い。
【散る桜 残る桜も 散る桜】
そうしてまた来年、桜は新たに花を開かせる。
永遠の、命の循環。
京極世界は陰陽座の世界と同じ次元にいますね。時々その沼にどっぷり浸かって癒されています。
泥にまみれてさっぱり洗い流して、すっきりするってあると思う。
そうなんですよね。綺麗なものばかりじゃ面白くないというか、両極あってこそのこの世の醍醐味なのでね。エンタテインメントはその両極を味合わせてくれる。だから良いんだ。
京極作品、しばらく読んでないな。また読み返してみようかな。