※ネタバレもあると思うよ…って、どっちやねん!(笑)。
いや~っ、た~のしかった~!!!
もうね、頭空っぽにして、ひたすら怪獣バトルの世界を堪能していただきたい。そういう映画です。
誰しもの心の中にいる幼いころの自分。その頃の自分に心が帰っていく、少なくともこの映画を観ている2時間の間は
”あの頃”の自分に帰れる。
なーんか、そんな映画だったなあ。
全編これ、日本の昭和、平成のゴジラ・シリーズへのリスペクトに満ち溢れてる。これが楽しく
嬉しい。
ゴジラの周りをヘリコプターが追尾しているカットとか、昭和、平成の東宝特撮映画でよく見慣れたカットなのですか、そういえば最近のゴジラではなかったなあ、と思って、それを見せてくれたことに思わず会心の笑みを浮かべてしまう。
アダム・ウィンガード監督。わかってるわー。
本作でのモスラの立ち位置は、完全に『三大怪獣地球最大の決戦』(昭和39年公開)のそれなんだよね。タイマン張ってるゴジラとコングの仲裁に入って共闘を呼び掛ける。
『三大怪獣…』の時は、ザ・ピーナッツ演じる小美人が”怪獣会議”を通訳していましたけど、さすがに今回はそれは無し。でも、ゴジラやコングが何を考えているのか、観客にちゃんと伝わるんですよね。
ゴジラやコングに限らず、本作では登場する怪獣たちが今なにを考えているのかが、すべて観客にダイレクトに伝わるように演出されているんです。これが実に見事でした。
怪獣の”擬人化”を批判する向きもあって、私も基本的にはその考えに賛成ですが
本作では擬人化までは行っていない感じがします。
擬人化の一歩手前で抑えている、といった感じかな。
当然ながら怪獣は喋らない。けれども、ちょっと首をかしげてみたりだとか、目線の動かし方とか、そういったことだけで、彼ら怪獣の考えていることが全部わかるんだな。
当然表情もないわけなんですが、でもほんの少し、本当にビミョーにほんの少しだけ、表情のようなものがちょこっと顔に浮かんだりするんだ。このビミョーさ加減が
絶妙!!
もうね、これだけ見事なものを観せられたら、許す他ないです。ていうか
喜んで受け入れちゃうよ、あたしゃー。
とにかくね、アダム・ウィンガード監督の怪獣好き、日本の怪獣・特撮映画に対する崇拝に近い感覚を強く感じられた、そんな映画でしたねえ。
それと、地下世界に住む人間たち。超古代文明の担い手であった人たちの末裔が、皆東洋系の顔立ちをしているのにも、なにか感じ入るものがありましたね。
まあ、コングと心通わせる聾唖の少女が、東洋系の顔立ちをしているので、それに合わせたのかな、と思いつつ
かつて日本の特撮映画では、南洋の島民を日本人の役者がメイクを施して演じていたということがあって、そのことへのリスペクトかなと、思ってみたり
あるいは、超古代文明と日本人と関りについて、この監督にはなにか見識があったのだろうか、とか。色々考えさせてくれましたね。
そんなことを考えつつも、きっとこの監督は、日本の怪獣映画だけではなく、日本の文化というもの、日本人というものに
強いリスペクトを、想い抱いているのだろうな。
きっとね。
まあ、敢えて何か文句を言うとしたら、今回はコングが主役で、ゴジラはサポート役に回っているところかな。
ゴジラファンの私としてはね、もっとゴジラには活躍して欲しかったなあ、なんてことを思いつつも
十二分に楽しい、混じりっけなしの、完全怪獣映画でした。
次の作品は、ゴジラ主役で(笑)お願いしますよ、ウィンガード監督。
次回作も、監督はあなたで決まりだ!
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