私らの年代は、いわゆる第1期ウルトラシリーズ(『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』)の作品群は、リアルタイムでは観ていません。再放送で観た世代です。
私らが子供の頃は、夕方になるとテレビで必ず、アニメや特撮モノが再放送されていましたから、それで繰り返し繰り返し観ていたものです。
リアルタイムで観たのは、昭和46年に放送が開始された、第2期ウルトラシリーズ第1弾、『帰ってきたウルトラマン』からです。
その『帰ってきたウルトラマン』で、主人公・郷秀樹を演じた、団時朗さんが亡くなられました。74歳でした。
歴代主人公の中で、最初にウルトラの星に還られることになってしまった…。
『帰ってきたウルトラマン』は重いテーマを抱えた作品が多く、特に差別問題を真正面から描いた「怪獣使いと少年」は、今観ても凄まじい。
メインライターだった上原正三氏は、この「怪獣使い…」の内容が問題視されて、一時的に干されてしまいます。しかし最終回の脚本は上原氏によるものでした。
帰ってきたウルトラマン最終話、「ウルトラ5つの誓い」。
ウルトラの星へ帰っていくウルトラマンが、当時の視聴者、子供たちに向けたメッセージです。
ウルトラ5つの誓い
一つ、腹ペコのまま学校に行かぬこと。
一つ、天気の良い日に布団を干すこと。
一つ、道を歩く時は車に気を付けること。
一つ、他人の力を頼りにしないこと。
一つ、土の上を裸足で走り回って遊ぶこと。
ついつい怠けてしまいそうなこと、避けたくなるようなこと、そうしたことから逃げずにちゃんとしよう。自然を感じて生きよう。
子供向けに砕けた内容になっていますが、大人になっても、実はとても大事なことを内包した誓いです。
団さん、ウルトラの星に還っても、我ら「ウルトラの子供たち」のことを、
見守っていてくださいね。
団時朗さんへ、心よりの敬意と感謝と哀悼を込めて
合掌。