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問わず語りの...

流れに任せて

辻と異界についてちょっとだけ

2024-09-01 03:52:23 | 歴史、民俗

辻、現代風に言うと交差点ですね。

 

 

古来、交差点は異界との接点とみなされていました。道祖神の像や板碑、お地蔵様などが辻に祀られ、悪いものが入ってこないよう、ある種の「結界」が張られていました。

 

 

小野不由美の大長編ホラー小説『屍鬼』で、吸血鬼が村に入り込むために、手下を使って辻々に建てられた地蔵などを撤去する場面がありましたね。日本の古俗を現代のホラーに上手く生かした、名シーンだと思います。

 

 

屍鬼、実写映像化しないかな。アニメにはなってるけれど、やはり実写で観てみたい。ネトフリ辺りで思いっきり製作費をかけて、やってくれないかな。

 

 

それはともかく

 

 

街中で占いをする方々のことを「辻占」と言いますでしょ?実際この方々は大概交差点の角のところに座って、お客さんを待っている。真っすぐな道の真ん中辺りで占っている方はいませんね。

 

 

辻占の本来の意味は、辻を行きかう人々の会話を聴いて、その内容から吉凶を占うというものだったようです。その名残が、現代までも続いているということ、なのでしょうね。

 

 

荒俣宏氏の一大伝奇小説『帝都物語』には、確か橋を行き交う人々の会話を聞いて未来を予見するシーンがあったはずです。橋もまた川や辻と同様の、異界との接点。

 

 

さすがよく学んでいらっしゃる。

 

 

 

 

京都などの一部の地域では、節分の日の夜に辻に豆を置いて、そのまま決して振り返ることなく家に帰る、という風習があるそうです。おそらくは厄払いの意味なのでしょう。

 

 

厄払いと言えば人型に自分の厄を乗せて川に流したりもしますね。川もまた異界との接点です。

 

 

川に流すのも辻に放置するのも、異界に厄を流すという点では同様、ということか。

 

 

 

 

辻といえば、アメリカの伝説的なブルース・ギタリスト、ロバート・ジョンソンの話が有名です。

 

 

ロバート・ジョンソンはギターの腕前を格段に上げるため、辻の真ん中で悪魔を呼び出し、悪魔に魂を売ったといわれています。真偽のほどは定かではありませんが、ともかくも急激にギターの腕が上がったようで、それ故に名声を得ることになりますが、27歳の若さで急逝します。死因には諸説ありますが、よくわからない。

 

 

やはり悪魔に魂を……。

 

 

 

洋の東西を問わず、辻は異界との接点という認識があったということです。

 

 

大変興味深い。

 

 

 

 

 

以上、辻について、とりとめもなく書いてみました。

 

 

 

 

 

ロバート・ジョンソン

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多賀城碑、国宝指定へ。

2024-08-31 04:06:19 | 歴史、民俗

 

多賀城は神亀元年(724)に、大野東人によって設置された、奥州の政治と軍事の拠点で、九州の太宰府と並ぶ「遠の朝廷(みかど)」と称された重要施設でした。

 

 

多賀城碑は多賀城の南門傍に設置された石碑で、762年に多賀城が修復されたことを記念して建てられたもののようです。

 

 

貴重な歴史的資料であり、かの徳川光圀の提案により覆堂が設置され、今日まで大切に管理されてきました。

 

 

私も仙台に住んでいた頃は何度も多賀城史跡を訪れ、この多賀城碑を飽かずに眺めていたものです。その後史跡の裏側にある陸奥総社宮に詣でるのが定番パターンでした。懐かしいです。

 

 

あの多賀城碑が国宝に。なんとも感慨深い。

 

 

多賀城史跡では現在、南門の再建工事が行われており、来年完成予定とか。再建が成ったら

 

 

久しぶりに多賀城史跡を訪れてみようかな。

 

 

もちろん、陸奥総社宮にも。

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ザシキワラシの話を少し

2024-08-28 03:49:22 | 歴史、民俗

ザシキワラシは主に岩手県に伝承される話で、秋田県や青森県などの近隣には伝わっていないようです。

 

 

ザシキワラシが居る家は繁栄し、去ると没落する。家の盛衰を説明する一つの装置として、ザシキワラシが設定されていた面も否定できないと思う。

 

 

ザシキワラシの”正体”については様々な説があり、またその姿も一定してはいません。絣の着物を着た女の子の姿で語られることが一般的ですが、男の子という話もあり、武将の姿をしていると伝えるところもあるようで、要するに見る人によって姿が変わるということでしょうか。

 

 

昔の村落共同体では、飢饉が長く続くと、生まれたばかりの赤子を間引きすることもあったようです。

 

間引きされた赤子は、お墓には埋葬されず、家の土間や台所などに埋められたといいます。

 

 

その間引きされた子供たちの魂が、家の中を彷徨う。それがザシキワラシだ、

 

 

なんて伝承もあるようです。

 

 

家の神様、幸運をもたらすなんて面ばかりじゃない。ザシキワラシ伝承には、村落共同体の闇の側面も反映されている、ともいえるのではないでしょうか。

 

 

 

そんな事どもを考えると、ね

 

 

ザシキワラシに会って、幸運を貰おうだとか、そんな”欲望”を持ってザシキワラシに会いにいくとか、そういうのって

 

 

なんか違うような気がする。

 

 

パワースポット巡りと同じだよ、きっと

 

 

ロクなことには

 

 

 

ならないね。

 

 

 

 

幸不幸は自分自身が作り出すもの。なにかに頼って幸福になろうだとか

 

 

そういうの

 

 

 

よくないよ。

 

 

 

【仏神を敬い仏神を頼まず】この宮本武蔵の言葉を胸に

 

 

人生を歩んでいきましょうね。

 

 

 

見えるものにはもちろん、見えないものに対しても、謙虚さをもって接し、敬意と慈しみの想いを忘れずに、決して

 

 

私的欲望をを持って接しないように。ホント

 

 

ロクなことには

 

 

 

ならないですよ。

 

 

 

絶対。

 

 

 

 

 

 

 

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8月15日

2024-08-15 04:51:22 | 歴史、民俗

 

 

 

正午、黙祷をお願いいたします。

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鬼神に横道なきものを

2024-08-07 04:02:35 | 歴史、民俗

 

 

 

昨日、遠野市立博物館に「遠野物語と異界」展を観に行ってきました。

 

 

楽しかったー🎶

 

 

異界はいいね。異界大好き❤

 

 

 

 

 

で、遠野市立博物館からの帰り道に、凡そ1年ぶりに、北上市立「鬼の館」を訪れました。

 

 

「酒呑童子」展をやっているということで、これは観なきゃと、ワクワクしながら寄ったのですが、予想していたほど大規模ではなかったのが

 

 

ちょっと残念。

 

 

 

唯一印象的だったのが、首を斬られた酒呑童子が放ったとされるセリフ。

 

 

【鬼神に横道なきものを】

 

 

これでしたね。

 

 

源頼光ら四天王が、山伏に化けて鬼たちを騙し、毒の酒を飲ませて鬼たちを弱らせて首を獲ったという卑怯なまねをされたことに怒って言ったセリフなんです。この意は

 

 

「鬼は嘘偽りなど言わず、真っすぐなことしかしない。それに比べて人間は……」ということですね。

 

 

このセリフはどうやら、江戸時代以降に作られたセリフらしい。つまりここでいう鬼とは一般庶民のことで、庶民が権力者の行いに怒っていることを、このようなセリフに込めたもの、らしいです。

 

 

鬼とは激しく動く人の心あるいは荒ぶる神のことも言い、「荒魂」とでも解釈したらよいだろうか。それには善的なものもあれば悪的なもの両方があるわけです。

 

 

『鬼平犯科帳』でいう”鬼”は悪に対して鬼のように容赦なく対処する庶民の味方、善なる鬼ですね。

 

 

江戸の庶民は酒呑童子の中に、時の権力者に滅ぼされるものたちの悲哀を見、そこに自らの状況を重ね合わせたということでしょうね、おそらく。

 

 

人の中に善悪両方あるように、神や妖怪もその時々によって、善にもなれば悪にもなる。

 

 

怨霊も祀れば守護神となるし、河童のような妖怪も祀り方次第で守ってくれる神ともなる。

 

 

しかしいい加減な祀り方をすれば祟りを起こしもする。

 

 

善悪二元論ではない、日本人と”異界”との関係性。

 

 

その世界観というか自然観というか宇宙観というか

 

 

豊か、だよなあと、改めて思わせていただいた1日でした。

 

 

楽しい1日でしたよ🎶😁

 

 

 

源頼光の兜に噛みつく酒呑童子の首。この時に放ったとされるセリフが

「鬼神に横道なきものを」

コメント (4)
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