あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

わたしのSILENT HILL

2017-02-17 12:17:01 | 映画
クリストフ・ガンズ監督の2006年の映画「サイレントヒル」を観た。










サイレントヒルとはもともとゲームであるのですが、それを映画にしたものです。
非常に素晴らしい出来だった。その美しい世界観に引き込まれて息を呑んで手に汗握って最後まで観終えました。

それで映画を観るにも、不思議な縁というものがあるのだな、と感じざるをえない。
この映画を観る前に、ちょうどわたしは「Maternal(母性)」という題名の詩を書いたところで
この詩はサイレントヒルのサントラを聴きながらその音の中でのインスピレーションを起こして書いたのであるのだが
この映画を観終わって、この映画のテーマがゲームとは違う「母性」であったということが、これは不思議な縁だと想いました。

何ヶ月か前にDVDを買って置いてたのですが、突如観たくて観たくてたまらなくなって観たのです。


だからか、何故か最初のうちから涙がちょちょぎれそうな感覚で感極まりながら観ました。
それくらい俳優の演技もすごく良かったし、またサントラがゲームのサントラと一緒で感動しないではおれなかった。

実は自分は「サイレントヒル」というゲームをまだプレイしたことがないのですが
ゴア物やホラー物はまったく苦手なわたしが唯一気になって仕方なかったゴアでホラーのものがこの「サイレントヒル」であります。
実際にプレイしたい気持ちは強いのですがプレイするには液晶とプレイステーションを買わねばならないので
お金の問題と、またホラーゲームは昔に一度間違えて買ってしまったとき非常に恐怖して現実とヴァーチャルの世界がごっちゃになって
その中古ゲームを店に返品しに外を歩いていたとき歩いている人間すべてが自分に襲い掛かってくるようなとてつもない恐怖のなか返しに行った覚えがあるほどわたしはこの手のゲームはどうも大の苦手であるのです。

それでもやはり一度はプレイしてみたいと想わせるほどの魅力がこのゲームにはあるわけです。
まず内容とその世界観、音楽、そしてクリーチャー(いわゆる襲い掛かってきたり前に立ちはだかってやっつけなくては先へ進めない敵)たちのデザインのそのセンスにわたしは
嗚呼、これは大変にいいものだ。と唸るくらい魅力的なものであります。
神ゲーだとやってもないのに自信を持って言いたい(苦笑)
ゲームといえばのほほん全開のThe Sims 3しかもうやってない人間ですが、このサイレントヒルというゲームはやらなかったら後悔しそうなほど自分の人生において重要なテーマであることを感じた次第であります。

わたしはとくに、「Silent Hill 2」の内容が大好きで、自分が抱えているテーマとこれが同じものなんですね。
だから余計にプレイすることに相当な覚悟が要ります。
自分にとって、できれば避けて通りたいもの、忌々しく恐ろしくて見たくはないものが溢れている世界だからです。
しかしこの恐ろしくまがまがしいグロテスクな世界にあるのは、それは「深い悲しみ」です。
そして「喪失」「罪」がテーマです。
それを避けて生きるより、痛みにみずから向き合おうではないかと思ったのです。
そしてそれらを愛せるのかどうか、やってみたいと思うのです。

ゲームはプレイしてませんが、最初から最後までのオールプレイング映像をyoutubeで先に観てしまいましたので
だいたいどういうものであるのかはわかります。
ラストはいくつもあってまだ全部は観ていません。
それに英語だったから、まだよくはわかっていない。
何故こんなにグロテスクで異形の怪物たちがうろつく世界がこれほど美しいのか。
それもこの世界がほんとうに哀しく切ない感情でできている世界だからです。
「Silent Hill 2」のwikiを観るだけでだいたいわかると思いますが、わたしはこの3Dでできた人間の
本来人間よりも無機質であるはずのその人物の表情からものすごい感情が伝わってくるのです。




サイレントヒル2の主人公のジェイムス・サンダーランドです。
この男はもともと奥に哀愁を潜めている顔に作られたのか、それとも偶然そうできあがったのか、どちらにせよこの男の存在感と不器用な誠実さがなんて悲しいのだろうと想ってわたしは3Dというものの凄さを見それておりました。







そしてジェイムスを殺そうと彼を陰からずっと見ているような存在、その鉄格子の向こうにいるのがレッドピラミッドシング、通称三角頭です。
彼は映画にも出てきました。
三角頭は処刑人なのです。
この三角頭の存在がまた意味深くて、すっごくかっこいいんです。好きなんです。三角頭が。彼はそしてエロスでもあります。
「Silent Hill 2」のwikiを読んだだけでも「嗚呼そうだったのかあ……!」と大変脚本が素晴らしくて感動しました。
ちなみに自分の机の上にはこのミニチュア三角頭たんがいつも佇んでいて、わたしをその赤い多角錘(たかくすい)の兜の中からじっといつも監視しています。
いつおまえを処刑してやれるかとうずうずそわそわとしています。
可哀想だけれども、今は必須武器の大鉈を持たせてあげていません。








こっからは何故かシムズ3オンパレードになってしまいます。




死んだジェイムスとわたしのシムズ3の正気でない男のツーショット。
これはサイレントヒルとシムズ3がコンビを組んでゲームを作ったわけではなくってシムズ3でサイレントヒルシリーズのものを無償で全国のプレイヤーさんたちが作られたものをダウンロードして撮ったものです。
この正気でない男の顔もダウンロードしてきたお顔をちょこっと変えてこの顔になっています。
ワールドもサイレントヒルワールドをダウンロードしてプレイしています。





夜の遊園地に一人で座り込んでる正気でない男です。
この遊具の配置なんかも自由に置けるわけですが、かなり適当感の出てる遊園地です。




それで三角頭の普段着はこんな感じです。この姿で普通にサイレントヒルワールド内を勝手にこの方は出歩いてスーパーでレジ打ちのパートなどをしております。



もうひとつのこの格好もどうやらお気に入りのようでよく三角頭たんは着ております。この格好でコンビニのテーブルの上にある誰かの煙草を勝手にぷかぷか吸ったりしております。




ちょっと足を広げて、威嚇している▲頭たんです。





ショップや映画館などが並ぶ地下で焼きマシュマロを喰うております▲たんです。




こんどはハンバーガーのパンを楽しそうに焼いていますね。




人が食べているところの何がそんなに面白いのでしょうね。▲たんは食ってるシーエルたんをじっと眺めて興味しんしんです。




正気でない男は天井のない部屋で小説を書いています。




三角頭はサイレントヒルでこうゆうマンションに一人で暮らしています。二階のお部屋はすべて三角頭たんのお部屋です。
三角頭たんは洗濯機から洗濯物を取り出しているところです。




電子レンジを覗いて冷凍食品をあっためて、チンできたものを一人でさびしく食べてる▲たん。




すると正気でない男がやってきたので夜は一緒にピーナッツサンド食べました。▲たんちょっと嬉しそう。




湯船にお湯を溜めて入るのが好きな三角頭たん。汚れが落ちない古いお風呂だけども三角頭たんにとっては居心地のいい我が家なのです。




夜はまたコンビニに行って正気でない男と一緒に踊りました。




三角頭たんは本を読むのが大好き。窓から見えるのはブルックヘイヴンホスピタルです。




次の日、朝に三角頭たんはテレビを観ました。




その同じ時間、正気でない男は知り合いのジンくんのおうちの地下で犬のミレウと遊びました。




夜には▲たんはアイスクリームの容器に兜の先っちょをつっ込んで食べました。




その同じ瞬間に、ダロンたんもまったく一緒のアイスクリームを食べていたのであります。




そしてまたテレビを観て、そのあとは本を読みました。




真夜中の楽しいお出かけ。ブルックヘイブン病院のなかで軽食をとりました。




そのとき、エスケヴェル家では妹夫婦が自分の部屋で飯食ってる間デヴィン兄貴はせっせと水道が故障して漏れた水をモップで拭いていました。




ちょうどそのときシーエルたんの妹のロージーたんはダロンたんと正気でない男が同棲するおうちでテレビを観ていました。




そのあと冷蔵庫のなかに入っていたサンドウィッチを勝手に食べました。




その頃ラウルたんは裸足でお出掛けして正気でない男と偶然会ったのでちょっと話した後おうちへ帰ってトマトソースパスタを食べました。




次の日、ダロンたんはコンビニで正気でない男と話した後シーエルたんのおうちにお邪魔して猫を抱っこして瞑想をしたあとラウルたんのおうちに寄って廃屋のおうちでテレビを観ました。奥で正気でない男は正気でないので野外で風呂ってます。プライヴァシーもなにもないこんなおうちに住みたいですね。




映画のレビューよりシムズ3のショットを貼るのに力を入れてしまいました。
しかも何時からこれやってたんだろう…、うわ、朝の8時40分からってなってる。
今はもう11時48分34秒だ。








俺はいつか必ずサイレントヒルへ向かふ。
君はそこで、待っているんだろう?














Maternal

2017-02-17 03:03:11 | 
彼女は彼の膝のうえにちょこんと載り、彼にキスをして微笑んだ。
アルバートは幸せな過去を想いだすように中空を見つめながら暗い牢屋のなかで呟いた。
「わたしはそのとき想ったのです。わたしは彼女をぜひ食べたいと」
彼は檻のなかからその痩せた手を伸ばした。
かすかにその手は震え、手にした瞬間にくしゃっとドライフラワーのように砕けて地に落ちた。
天井からはいつでも赤黒い血が滴っている。
そう、ここの上階はもう18世紀初頭からずっと殺人者の処刑場だからである。
血溜まりを覗けば懐かしい人がいつも微笑み返してくれる。
わたしはアルバートの手をとって、檻の鍵穴に鍵を差しこみ格子扉を開けなかへ入った。
彼の銀髪は綺麗に油で撫でつけてあるように整っている。
わたしはその老人の望むままに膝のうえにちょこんと座った。
そして彼にやさしくキスをした。
「嗚呼…想いだした。わたしはあなたの味を想いだしたのです」
アルバートは何処も見ていない目でそう耳奥に心地よく響く声でゆっくりと言った。
ランプに大きな虫がなんどもぶつかって羽音を大きく立てた。
わたしは怖くなって彼に抱きついた。
彼はわたしの頭に頬をすりよせて言った。
「あなたはほんとうに…ほんとうに美味しかった…」
わたしは強く彼に抱き締められた。
「神があなたをわたしにお与えくださったのです。最高のわたしを喜ばせる食べ物として。あなたを食べ尽くしたとき、どれほど深い安心と幸福に包まれたことか…まるであの時わたしは愛するあなたを胎内に宿した妊婦だったのです」


断末魔が聴こえる。
あれは…人の声だろうか?
いいえあれは、家畜の声です。
此処の上の上の階は場です。
よかった…。
「人間じゃなくて、ほんとうによかった。あなたが食べたのが人間じゃなくて、ほんとうに」
わたしはもう一度愛おしい彼の頬にキスをした。
すべての壁から水滴が流れて止まることがない。
あなたはご存知ですか?
彼が食べたのは、人間ではなかったのです。
だからその肉は、とても美味しかったのです。