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『神をさがす旅 ユタ神様とヘミシンク 』

2011年04月14日 | 本と雑誌

110414_book_kami 神をさがす旅  ユタ神様とヘミシンク [単行本(ソフトカバー)]
 
山川健一 (著)

図書館の郷土コーナーで借りた。一月の新着図書。

ヘミシンクと読んで、あのアーネスト・ヘミングウェイがナゼ?
と勘違いで借りたのですが、借りた以上は読まねばと思い目次を見たら湯湾岳の話があったので落ち着いて読んでみた。湯湾岳と弘法大師の関係など、ためになった。

カタカナの、これは摩訶不思議な世界というのでしょうか、知識がないし、この歳ではいまさらという気もあり、はじめから、まゆつば、偏見で読んだ。しかし、逆にこの本の読者の興味が離島に対する偏見に転化しない保証もないだから丁寧に読んだつもり。

本土からのマスコミや学者の方たちの取材への地元の方の対応にも興味があるのでこの手の本は実はほかに何冊か注意深く読んだことがある。

この本のおそらく一番面白いところであろう、「5章 神高い湯湾岳で姉妹の霊に会う」

を読んで背筋が寒くなった。よく似た体験を思い出したから(似て非なる体験だが)。

湯湾岳へは桜(本書では桜も湯湾岳もあまりよく書かれていない)を見に週に一回以上行くこともあるのですが、それとは別に先日観光のお客さんと4人で湯湾岳の頂上へ10数年ぶりに行った時のこと。そこで、一人の若い寡黙な美人の女性とすれちがったのですが、先に下りたはずのその女性が下の駐車場にいないではありませんか。
って別に怖い話ではないの省略します。

本書の5章冒頭には次のように書いてあった。

最初にお断りしておくが、この本は小説ではなくエッセイで、つまりは嘘は一つも書いていない。すべてぼくやいっしょに旅をした友人たちが経験したことである。
そして最後の章の話ももちろん実話で、しかも怖い。
そういうつもりで読んでください。

この文章には嘘はないであろう。

この本は「実話」であって(実は道の状況などの断定に疑問点もあるがそれはここでは大きな問題ではない)問題なのは、「しかも怖い」のほうだ。
よく読むと実はそれは少しも怖くなく、不思議ですらない (このタイミングでハブ人に同時に出会うのは不思議といえなくもない)のであるが、背筋がぞくっとするほど怖く感じるのはナゼか。いちど読んだことのある人もんでない人ももう一度。

後日、唐突に登場する地元のSという人からの電話のまた聞きで、湯湾岳で出会って車に載せて会話した姉妹は「この世に生きている人たちではない」と確信し、それは「実際に体験したこと」になるのだが、姉妹が「この世に生きている人たちではない」という事実はもちろん説得力のある説明があるわけではない。
体験したのは、「この世に生きている人たちではない人を車に載せて会話をかわしたということ」だとは言ってはいない。
「神をさがす旅」矛盾に満ちたこのタイトルも魅力的だ。東京のトイレにも神はいるはずだか、それじゃあ、あれなんだろうか。ナゼ屋久島奄美なのだろう。あゝうまく書けない。

======以下amazon より

◆目次
プロローグ/木霊やガイド達よりも大きな存在

1章 空に浮かぶ屋久島

2章 奄美大島のユタ神様

3章 加計呂麻島でソウルメイトに再会した日

4章 奄美のユタ・バーにて

5章 神高い湯湾岳で姉妹の霊に会う

エピローグ/新しい航海へ
「付録」フォーカスレベルの紹介
あとがき

登録情報
単行本(ソフトカバー): 284ページ
出版社: 幻冬舎 (2010/1/26)
言語 日本語

発売日: 2010/1/26
商品の寸法: 18.8 x 13 x 2 cm