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安治川(あじがわ)親方の勇気

2010年02月04日 | 大相撲

100204kokugikan_2  横綱、朝青龍が、暴行問題で、きょう4日、現役を引退した。

大相撲界の不祥事には、昔から何度、夢をやぶられたかわからない。

しかし、いまだに人気が衰えないことに逆に、伝統に支えられた相撲の人気の根強さを感じたりもする。

相撲協会は、報道のされ方を含め、不思議な世界だ。
そのことへの不審が相撲人気に及ぼしている影響も無視できない。
今回も場所が終わるのを待っていたかのような各社の報道は仕方のないことなのだろうか。

そんな相撲協会はある意味日本社会の縮図とも言えるかも知れない。

これだけ、外国人力士が台頭してきても、安心?していられるのは、
しかし、逆に彼らが、日本人にも耐え難いであろう大相撲の世界の古いしきたりに耐えてきているからであるという複雑なファンの心理もまた日本的である。

100204kokugikan2朝青龍の問題より、注目をしたのは、

日本相撲協会の理事選挙で、貴乃花親方に投票したことを公表し、協会を退職する意向を示した安治川(あじがわ)親方の勇気についてである。(きのう夜、退職の意向を撤回)

相撲中継のTVは、一日、2~3番しか見ないので、相撲協会の一門のことや部屋のことなど、もちろんくわしくはないのだが、

安治川(あじがわ)親方の相撲は、十両で引退まで何度かTVで見ていた。

安治川(あじがわ)親方は、元前頭・光法(こうぼう)で、鹿児島県熊毛郡南種子町出身。(種子島)

2006年の徳之島巡業では、鹿児島県熊毛郡南種子町出身とアナウンスされると、会場からひときわ大きな拍手が起こった。

それは、沖縄県出身の琉鵬にも劣らないものだった、記憶がある。

まげを落とした現在の安治川(あじがわ)は現役時代の光法(こうぼう)よりも若く見え、表情は非常に親しみやすい表情をしている。幕下の放送席での解説も好感がもてる。

100204kokugikan3また徳之島巡業では、貴乃花親方についての印象もつよく残っている。

貴乃花親方は、徳之島に向かう途中、名瀬港に着いた船の上から、早朝(6時前)にも関わらず出甲板にあがり熱心に名瀬の街の様子を眺めていた。

巡業中の礼儀正しい真面目な態度は現在TVで見るとおりだった。

また帰りの徳之島亀津の港の待合所では、船待ちの間、もくもくと本を読んでいる姿を見て改めて勉強熱心なのだな、と思ったものだ。

その貴乃花親方の相撲協会の改革に対する熱意に、退職覚悟で一票を投じ、それを公表した安治川(あじがわ)親方には、何はともあれ、大きな拍手を送りたい。

翌日、退職の意向を撤回したのも古い相撲協会の人間関係の中で、報道が大きくなり、迷惑をかけたくないという安治川(あじがわ)親方の苦渋の決断だと思う。今後の針のむしろは覚悟の上だろう。

ややおおげさだが、日本の歴史が大きく変わろうとする時には、いつも南の方で動きが起こる。風は南から。

鉄砲伝来の島の安治川(あじがわ)親方の勇気が、貴乃花親方と共に相撲協会に新しい風を起こし、ま、世の中が変わっていく夢をみたのは、朝青龍が引退を表明する一日前のきのうのことだった。