シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

穴八幡宮の一陽来復

2022-12-23 15:51:13 | 神社・仏閣

2022年冬至。

3年ぶりに『一陽来復』を手にできた。

 

東京・早稲田の穴八幡宮。

早稲田駅からすぐ、馬場下町の交差点の角にある。

900年前からの歴史を持ち、

商売や金融の神様として参詣客の絶えない神社である。

 

この神社で、期間限定で配布されるお守りがある。

毎年冬至の日から、翌年節分の日までのわずか40日ほどの間に出る

『一陽来復』というお守りである。

 

いちようらいふく。中国からの言葉で、

一年で一番昼の短い冬至は、運気も底辺である。

しかしこれからは日が長くなってゆく。

邪気を払い上昇していこう、という意味らしい。

 

 

お守りは、10cmほどの筒状の小さな紙。

写真のものだが、最初見た時は正直、

こんなものでご利益あるのかと思ったくらいだ。

しかし、その形や文字は独特で、

少し不気味なオーラを発しているようで

手荒に扱ってはいけない、と感じさせるものだった。

 

形もだが、さらにこれの祀りかたも独特だ。

その年の恵方に向かって、部屋の壁の高い所に貼りなさい、

つまりは、恵方と反対側の壁に貼りつける事になる。

さらに貼る「日時」まで決まっており、

  ①  12月22日の冬至の日の夜12時。(23日0:00)

  ②  12月31日の大晦日の夜12時。 (1月1日0:00)

  ③  2月3日の節分の夜12時。(4日0:00)     [2022年~2023年の場合]

このいずれかの日に、この時刻に先述の位置に貼りなさい、というものだ。

 

チャンスは3回。 貼りつけたら一年間そのまま。

それだけで金運上昇、というものだが、

午前0時まで起きてなさい。しかも②は、年が変わった瞬間に貼りなさい、

というなかなか厳しい祀り方を指定される。

 

最初が一番ご利益あるということで、

①の冬至の日に貼るケースが一番多いようだ。

配布初日の12月22日は、穴八幡宮は大混雑になる。

 

 

もし、貼りつけた一陽来復が壁から落ちてしまったら、

貼り直しは出来ず、穴八幡宮に納めに行ってその年はもう諦めなさい、

ということらしい。

ただ、まだ②と③の日に間に合えば新たに買い直して再度貼ればいい。

なので冬至の①の日に手に入れるのがベストだ。

これだけ厳しい但し書きがつくが、

神様との約束なので守りなさい、との事だ。

ちょっとレアなお守りには違いない。

 

 

4年前、私は初めてここに行き一陽来復を手にした。

その翌年、つまり3年前の2019年は驚くほど店の売上が良かった。

そして、その年の冬至にまた行って手にしたのだが、

翌2020年の春、貼りつけた一陽来復が落ちてしまった。

すぐに穴八幡宮に納めに行ったのだが、この年の売上は振るわなかった。

 

2020年は行けず、昨年は母が亡くなった直後だったので控えた。

そして今年、10月に一度穴八幡宮を訪れて商売繁盛を祈ったら、

その週、3日続けて大口のお客さんが来た。

やはりこの神社には何かある。

 

 

というわけで、昨日穴八幡宮に行き、

一陽来復を授かってきた。

店を閉めたあと、夜8時頃到着したが、

40分ほど並んだ。

しかし、これは例年通り。

朝から行くと、2~3時間待ちの時もあるらしい。

 

多くの人が、スマホを見ながら並んでいる。

歩きだしても目を離さない。

境内は暗いし、前の人が止まった時にぶつかったりすれば、

将棋倒しになるような状態である。

なにより神聖な境内で、

スマホをいじってお参りとはバチ当たりだろうと思うが。

 

 

私も昔から、神社や寺巡りは好きであるが、

「ここはご利益ある!」と本当に思えたのは穴八幡宮が初めてだ。

すべては気の持ちようだと思えるが、

そんなふうに、『ここは!』と思える神社があってもいい。

 

2023年の恵方は南南東。これは恵方巻き寿司も同じだ。

お守りは、対する北北西の壁に貼るわけだが、

南南東はちょうどうちの店の入口にあたる。

お客さんを迎える位置にある一陽来復。

昨年は母の死去、今年はその後の手続きなどで、

気分的にも商売繁盛ではなかったが、

来年は本厄を乗り越えて頑張ってみたい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選び方いろいろ

2022-12-14 17:08:45 | 世の中あれこれ

前回に続いて食べ物の話。

というか、食べ物に絡む人間の心理の話。

 

ある鰻屋には、鰻重の「上」と「並」がある。

お客さんは大半が「並」を注文する。

でも店側としては、なんとか「上」を売りたい。

そこである事をしたら、その後は「上」のほうが売れるようになった。

店は一体何をしたのでしょう?

 

という問題があった。

値段、量、器など「上」も「並」も一切変えていません。

大々的に広告を打った、というわけでもありません。

なぜでしょう?

 

 

答えは、「特上」を設けた。

 

人間、三段階に分かれたものを選ぶ時、

たいがいは真ん中を選ぶそうだ。

鰻は元来値段の張るものだし、

特上ではちょっと・・、でも並だと味が落ちるかな、

という心理から「上」を選ぶようだ。

これは、いろんな商売に通用するかもしれない。

 

 

もう30年前くらいだろうか、

TVで『料理の鉄人』という番組があった。

この中の、フレンチの鉄人・坂井宏行氏が、

ある大学の学園祭でクレープの露店を出すという企画があった。

 

鉄人の作るクレープ。もちろん多くの学生が列を成した。

メニューは3種類で、たしか¥1000・¥1500・¥2500の3つだと思った。

どれが一番人気だったか・・という以前に

当然ながらすべて完売した。

 

私はそれを見て、

「自分だったら一番安い¥1000のにする。

鉄人が作ったものを、安い額で食べられるならラッキー」と言った。

 

しかし妻は違った。

「一番安いのにしてそれが美味しかったら、

¥2500のはどんなに美味しいだろうと考えて後悔する。

なので私は最初から一番高いものにする。」

 

 

では先述の鰻屋に行ったらどうか。

持ち金があると仮定して考えたら、

私は、せっかくだから特上。

妻は、いつでもどこでも食べられる鰻なら並。

と、逆になると思う。

 

ネームバリュー、限定品、

元が高いもの、安いもの、

日常で食べられるか、それともめったに食べられないか、

それによって、選択は変わってくるようだ。

 

 

¥2500のクレープはどんな味だったのだろう?

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひとり焼肉に行ってきた

2022-12-09 12:21:32 | お店紹介

話題のひとり焼肉店、『焼肉ライク』に行ってみた。

 

焼肉、というと私など古い人間なので、

大勢でワイワイ食べるバーベキュー式を想像するし、

また、その方が好きである。

しかし最近、ひとり焼肉の店が増え、

けっこうな人気だという。

でもしばらくは、そんなのつまらないなと思っていた。

 

だが、TVの『孤独のグルメ』で

松重豊さん演じる五郎さんがひとり焼肉の店に入り、

『いいじゃないか!』と美味しそうに食べるのを見て、

私も一度行ってみようかと思った。

そして先日、一人で都内に出た時に寄ってみた。

 

 

焼肉ライク。

まず、思ったより狭いスペースの席に通され、

店員に初めてである事を告げたら、

丁寧に教えてくれた。

 

注文はすべてタッチパネル。

揃うと画面で呼ばれるので、

カウンターまで取りに行く。

その時、QRコードの印刷されている席番号カードを持っていく。

このカードは会計の時まで必要だ。

 

カルビのセット、ご飯キムチ、スープがついて100g650円と、

ホルモン50g250円を注文する。

カルビがメインの店らしく、ロースやタンなどはセットになく、

サイドメニューの扱いである。

ホルモンもそうだった。

 

調味料はテーブル脇にあり、

箸は机の引き出し、水はセルフ、点火はボタン押して、

あとは普通に淡々と焼けば良い。

 

食べてみた。

システムは解りやすくよく出来ているが、

肝心の肉の味はイマイチである。

ホルモンも然り。

タレは、薄味醤油は薄過ぎるし、

濃味醤油は甘過ぎる。

ご飯はまあ美味しいが、キムチは甘過ぎる。

 

淡々と焼いて淡々と口に入れて、

900円のひとり焼肉を味わったが、

まあ、よほどお腹がすいて肉が食べたくなった時、

機会があればまた来てもいいかな、という程度の感じであった。

 

もしかしたら、舌の感覚も衰えているかもしれないし、

若い頃だったら美味しく戴いていただろう。

松重豊さんの入った店は、チェーンではなく焼肉専門店だったからか、

とても美味しそうに見えた。

 

松重さんと同い年の私だが、今回は残念ながら

『いいぞいいぞ、最高じゃないか』とは言えなかった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする