シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

区境の妙味

2017-08-30 20:10:13 | 旅・町歩き
上の写真、何の変哲もない街角である。
しかし、極めて面白い家並なのだ。

写真の奥から、それぞれの家が交互に
新宿区と文京区に分かれているのである。
まあ一軒ずつではなく、2~3軒おきだが。

地図を見れば一目瞭然だが、
同じ道に並んでいる家が、
新宿区山吹町と文京区関口とに分かれているのだ。

この家から右が新宿区で左が文京区とか、
道路を挟んで新宿と文京とか、
そんな所はいくつもある。
しかし、ジグザグに区境が連なる家並は珍しい。

実際に、ここの家々のポストや住居表示は、
山吹町と関口が交互に登場する。


なぜこうなったのか、ハッキリした資料がないが、
このあたりは昔の神田川の支流が多く、
それが区境になっていた。
その後河川改修で川の跡がなくなり、
区境はそのまま残ったため、
境にあった家は、道路に面した隣同士になったあとも、
それぞれの区として扱われているのだろう。

国境や県境も面白いが、
区境あたりになると、けっこうコアな場所に出会う。
豊島区と練馬区の境が、
人ひとりが歩けるだけの狭い道だったり、
千代田区と中央区の、西銀座のガード下は、
実は無番地だったりする。

こういった場所に住む人の暮らしをつい思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする