シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

『炎上』とは

2024-05-29 08:56:30 | 世の中あれこれ
先日、都内の人気ラーメン店が火事になった。
このラーメン店は、色々なこだわりがあり、
常連客も多い反面、
あまり好ましく思っていない人も多い。

この店の火事のニュースがネットに上がったあと、
『○○ラーメン店炎上』という見出しから、
またこの店、何かやらかしたのかという
早とちりな受け止めをした人がいたようだ。
だが、火災と聞いて
「本当の炎上だったのか」というコメントが散見された。

たしかに現代では、
炎上=火災ではなく、
ネットで叩かれる、という意味のほうが浸透している。
なので、早とちりというよりは、
自然な反応とでも言うべきか。


昔、高校生だった時、
ある予備校の夏期講習に通っていた。
その時の国語の授業で、炎上という言葉が出た。
講師の先生が、
「炎上というと、どんな物が燃えるイメージがありますか?」
と一人の生徒に聞いた。
その生徒は、「車」と答えた。
すると先生は、少し驚いたように
「そうか。車も炎上と言いますね。
私が言おうとしたのは、神社やお寺などの
ある程度の大きさがあり、格式のある物。
そういう物を炎上と言うのですが、
たしかに車も、炎上するって言いますね。」

つまりは高価であるもの、も
ワードに含まれるのかもしれない。
高校生の私は、炎上という意味をそう捉えていた。


しかし、今はネットから炎上という意味が、
全く違うニュアンスに変わってしまっている。
Wikipediaでも

『炎上(えんじょう)とは、
インターネット上のコメント欄などにおいて、
稚拙な批判や誹謗中傷などを含む投稿が集中することをいう』
とある。

上の写真は、1950年に起きた
金閣寺の炎上事件である。
小説の題名にもなったからか、
この火災は今でも、炎上という言葉が付く。


ラーメン店の話に戻ると、
『あの店、このまえ炎上したよ』と聞いて、
ネットで叩かれたのか、と思う人と、
火事になったのか、と思う人と、
どちらが多いのだろうか。

いや、もっとわかりやすく
『あの神社、このまえ炎上したよ』
と聞いたら、どちらになるだろう。




コメント
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