シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

広重の予言

2013-11-13 12:44:46 | 世の中あれこれ
「広重の予言」という本を読んだ。
坂野康隆著・講談社、1575円の単行本だ。

東海道五十三次が好きな私。
そして、有名な安藤広重の五十三次の、
55枚の絵も好きである。
絵画にはあまり興味がないが、
このシリーズは、原画展を観に行ったほど興味がある。


さてこの絵、
単なる宿場の絵ではなく、
未来への暗示が隠されている・・というもの。

日本橋を、広重が生まれた1797年とし、
以下4年毎に、宿場の順に年号として振っていく。
品川・1801年、川崎・1805年・・という具合だ。

たとえば、絵の中に、
雨や風の風景が描かれている宿場が、いくつかある。
この、4年周期に当てはめてみると、
その前後4年間に、必ず台風や豪雨などの災害がある。

あるいは、絵の中の細かな部分に、
その前後の年に起きた事柄が記されているのだ。


雪の絵として有名な、蒲原宿。
温暖な駿河の、雪の記録などないこの宿で、
なぜ広重は、大雪の絵を描いたのか。

広重が亡くなったのは、1858年だ。
蒲原を、周期に当てはめると1857年。
広重は、自らの死をわかっていたように、
この宿を、あり得ない雪の絵として描いたということだ。


さらに不気味なのは、新居(荒井)宿。
当てはめると1921年。
この絵は、浜名湖を渡る何艘かの船が描かれているが、
その中央に描かれている船には、源氏の家紋が描かれている。

この家紋が登場するのは、日本橋と新居だけだ。
しかもその船は、
なぜか手前の船に吊るされているムシロで、一部が隠されている。
そして、その手前の船には、
ムシロに巻かれている遺体のようなものも描かれている。

ということは、
日本橋の絵が隠され、ムシロに包まれた遺体・・。
江戸に何か起こるという暗示か。

かくして1923年に、関東大震災が起きる。
ちょうど、新居の絵と一致する。
しかも浜名湖というのは、地震で町が流され、
海と一緒になったという湖だ。


金谷宿に描かれている、遠方の奇妙な形の山。
実際に、今も昔もこの地に、そのような山は存在しない。
牧の原台地の、だだっ広い丘陵地帯なのだ。
この山は何か。

この、金谷と一つ前の島田宿が全く同じ、
大井川の川越しの絵になっている。
ここでは、この二つの絵がポイントだ。

島田は1889年に該当する。
島田宿の手前に、二本の松が描かれている。
そして、次の金谷の謎の山を重ねてみると、
1888年、磐梯山が爆発した記録となる。
二本の松は、当時の二本松城を表し、
山は言うまでもなく、磐梯山なのだ。


こういった謎解きというか、ある意味こじつけというか、
それにしては、妙に納得のいく符号の数々・・。
信じる信じないはともかく、
なかなか面白い本である。

本の発行は、おととし2011年だ。
そして、京都の結末2013年の今年だが、
この本による、「前後4年を対象」とすると、
2011年の、東日本大震災が起きている。

しかし、本ではその一つ前、
2009年該当の、大津にその兆候があるとも書かれている。
では、京都に隠された何かが、この先起きるのか・・。

東海道五十三次自体が、様々な因縁によって作られたという。
ミステリアスな結末が、この世に起きるのだろうか・・?