シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

ボルフィー!

2008-01-27 10:08:26 | 音楽を聴く
今日は、モーツァルトの誕生日だ。

1756年1月27日。ザルツブルク生まれ。
しかし、モーツァルトは、
この町が、あまり好きではなかったという。

一昨年の、生誕250年は、
盛大なモーツァルト・イヤーとなったが、
ザルツブルクの町も、
また、静かに今日を祝っていることだろう。


モーツァルトの父、レオポルト・モーツァルトと、
母、アンナ・マリア・ペルトゥルは、
1747年に結婚。
その後8年の間に、6人の子が生まれた。

しかし、
生き延びたのは、三女のナンネルだけだった。
モーツァルトの、唯一の姉である。

1755年、7人目の子を身ごもった時も、
夫婦は不安でいっぱいだったという。
しかし、年が明けて、
1756年の、1月27日。
無事、男の子を出産する。

ヨハネス・クリソトムス・
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの誕生だ。


その後の人生については、
多岐に渡る話の通りだ。
今日は静かに、誕生日を祝いたい。

尊敬するモーツァルトの誕生日に、
今年も記事が書けて嬉しく思う。


妻・コンスタンツェは、
夫のことを「ボルフィー」と呼んでいたそうだ。


ボルフィー、
お誕生日、おめでとう!
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バイオリン発表会の朝

2007-10-23 01:06:00 | 音楽を聴く

4歳から11歳までの七年間、 バイオリンを習っていた。

私の通っていた教室は、 バイオリンとピアノ教室が一緒の部屋だ。

月水金がバイオリンで、火木土がピアノ。 そんな感じだった。

 

11歳の秋。ちょうど今くらいの時期だったかな・・。

発表会の日の朝。 教室で、最後の音合わせをしに行った。

発表会は、ピアノも一緒である。 そのため、ピアノの生徒達も大勢来ていた。

たしか10人くらいで、全員女の子。 時間的に、私が最優先になった。

唯一のバイオリン、そして男の子だった私が演奏することになった。

みんなの眼差し・・。 ちょっと恥ずかしかったが、 真剣に弾いていく。

弾き終えると、女の子達から、思わず拍手が上がった。

バイオリン演奏を、目の前で初めて聴いた子もいたと思う。

 

「ピアノは誰でも弾けるけど、 バイオリンは、そうそう弾ける人はいない。」

これが、私にバイオリンを習わせた、親の持論だった。

 

しかし、「誰でも弾ける」ピアノを、 まったく弾けない私。

あの時、拍手をしてくれた子達の中には、 ピアノで人生を送っている人もいるかもしれない。

だけど、楽器を習った事実と思い出は同じだ。

発表会の記憶はほとんどないのに、 あの、朝の教室の風景だけは、今も鮮明に覚えている。

 

弾いた曲は、モーツァルトのメヌエット。

モーツァルトが五歳の時に 初めて作曲した、とされている曲だ。

結果的に、それが最後の発表会になった。

尊敬するモーツァルトを、最後に弾けて良かったと思う。 

 

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ショパンは心の中にいる

2007-10-17 16:53:02 | 音楽を聴く
今日は、
ピアノの詩人・ショパンの命日だ。

1849年10月17日午前2時。
ショパンは、姉らに看取られながら、
パリで、39歳の生涯を閉じる。


私の一番好きな作曲家は、
モーツァルトとショパン。
いや・・厳密に言えば、
朝はモーツァルト。夜はショパンのファンになる。

それほど、ショパンのピアノ曲は、
夜に聴きたくなるのだ。
実際に、ノクターンは「夜想曲」であり、
イメージを浮かばせなくとも、夜のフレーズである。


私のCDは、ショパンが一番多い。
ル-ビンシュタイン、アシュケナージ、ポリーニなど、
なぜか男性ピアニストの演奏が多かった。

しかし、最近になって、
中村紘子さんの演奏を聴き、ファンになった。
じっと聴いていて、「泣いた」のは、
中村さんの演奏が初めてだったのだ。


男性・女性の演奏の違いはあるのだろうか。
以前、音大生の友人(女性)が話してくれたことがある。

「男性と、ピアノ連弾をしたけれど、
 彼の演奏の強さに付いていけませんでした。
 男と女の力の差は、ピアノにもあるんです」

ずっと、男性の演奏を聴いていた私が、
中村さんの、女性的なタッチに惹かれたのかもしれない。


ある演奏家が言った言葉を思い出す。

モーツァルトは音符で弾く。
リストは向き合って弾く。
そしてショパンは、心で弾く。


演奏者が心で弾くのなら、聴く方も心で聴く。
私の場合、
ピアノ、そしてショパンの曲にまつわる、
せつない思い出が多すぎるのだ。

だから、ショパンが好きで、
それを弾く人が好きで、
それを聴く自分が好きなのである。

ショパンも、
皇帝に献上したような曲は、たくさんあるが、
愛する人に捧げた曲も数多い。

その曲を、創作している時のショパンに近づきたくて、
彼の曲に耳を傾ける。

没後158年。
今夜は、どの曲を聴いて彼を想うことにしようか。



→ショパン関連・過去記事

2006-3.27 「ショパン」
2007-2.11 「軍隊ポロネーズ」
2007-3. 2 「詩人のバースデー」
2007-5.12 「エオリアンハープ」
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エオリアンハープ

2007-05-12 15:02:07 | 音楽を聴く
             
             

「エオリアンハープ」

ショパン・エチュード、作品25-1 変イ長調
この曲の別名である。

しかし、ショパン自らが名づけたのではない。

シューマンが、ショパンのこの演奏を聞いた後、
「エオリアンハープを聞いているようだ」と
言ったことに由来する。


エオリアン・ハープというのは、楽器の一つである。
胴に6本以上の弦を張ったもので、
風の通る場所に置くと、
それぞれの弦が、風の強さによって異なる振動をして、
さまざまな音を奏でる、というものだ。

しかし、エオリアンハープという楽器は、
そこらに存在するわけではない。
国内では、浜松市の楽器博物館にある他、
音大の資料館等に、いくつかあるだけらしい。

楽器ではない、と唱える人もいる。
自然の力で奏でられるものは、
楽器という定義から外れる、というものだ。

実際に、この音色を聴いた人は少ないと思うが、
それほど美しい音色ではないようだ。
しかし、
自然の、風の力で鳴るというメロディは、
おそらく、心に響くものだと思う。


ショパンのこの曲は、まさに風の中のハープだ。
左手が奏でる風のささやきと、
右手が奏でるハープのような調べ。
ピアノの美しさをちょっぴり超えたような旋律だ。

シューマンは、
本当の美しいエオリアン・ハープを、
風の中で聴いたのかもしれない。


5月の風の中。
一度聴いてみたいと思う。
幻のような、エオリアン・ハープのささやきを・・・。
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夜の調べの中で

2007-04-26 09:48:47 | 音楽を聴く
昨夜、犬の散歩で公園に行った。

隣の市にある、広い公園だが、
夜はほとんど誰もいない。
時折、楽器や歌の練習をしている人がいる。

昨夜は、雨あがりのため、
公園の全体にモヤがかかり、
とても幻想的だった。
そんな中、
私も突然、歌を歌いたくなった。

その雰囲気から、真っ先に出た歌は、
「オペラ座の怪人」で、ファントムが歌う
『ミュージック・オブ・ザ・ナイト』だった。


静かに広がる闇
心も 胸もときめく
やさしい夜 やすらぎの夜・・・

きらめく夜の光
その手にとらえてごらん
耳をすませて 聞いてみたまえ・・・

たえなる夜の闇が やさしく君を包む
心開いて夢を咲かせる
君は私のもの 夜の調べの中で・・・



公園のまん中で、
ひとりで歌ってしまったが、
とても気分が良かった。


オペラ座の怪人は、
劇団四季の公演で、一度見に行ったことがある。

パリ・オペラ座の地下に、「ファントム」という怪人が棲んでいる。
生まれついての醜い姿の彼だが、
音楽に、並外れた才能を持っている。

そしてある時、クリスティーヌという、無名の歌手に恋をする。

彼女を次の舞台の主役にさせるため、
ファントムは、さまざまな妨害をする。
そして、クリスティーヌの恋人・ラウルと対決する。

しかし、彼女の気持ちを包みこむことはできなかった。


最後のシーンは、
クリスティーヌに別れを告げ、
自ら身を投げる。

「仮面に隠れ 生きてきたこの人生・・」と歌いながら・・・。


時々、怪人の気持ちになる時がある。
昨夜は、夜の闇の中で、そんな思いを持った。
「君」はいない夜だったが・・。
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すぐ手に入るモーツァルト

2007-04-11 17:58:05 | 音楽を聴く
モーツァルトの楽譜を、
そのままダウンロードできるサイトがある。

『NEUE MOZART-AUSGABE / DIGITAL MOZART EDITION』

すべてドイツ語なので、わかりにくいが、
見たい楽譜の曲・・・
つまりは、KV.(ケッヘル)番号さえわかっていれば、
簡単にたどり着くことができる。

上記のサイトを開くと、ドイツ語のトップページが現れる。
その真ん中の、『Search the NMA Online』 をクリック。
左上の、KVの欄にNo.を入れて、右端の『GO』をクリックする。
すると、目的の曲目が表示されるので、右側のエンジの記号をクリック。
それで楽譜が現れる。

ただ、ページ数が多いなど、
途中の小節を知りたい時などは面倒だが、
ハッキリ表示されるし、かなり良いと思う。
もちろんプリントアウトも出来る。


ショパンのスコアも、ダウンロードできるサイトがあるが、
手軽に読みたい時には、便利である。
でも、モーツァルトが、全身全霊を傾けて書いたスコアが、
ボタン一つ押すだけで手に入ってしまう・・。
便利だが、バチ当たりだな・・と思う。

「頭の中にすべてメロディが出来上がっている。
 あとは、書き写すだけだ。」と語っていたモーツァルト。
天才も、書く手間というのは、普通の人と同じなわけだ。
今、簡単にプリントアウト出来るけれど、
謙虚に、その作品を手にしたい。
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かぐや姫・神田川

2007-03-16 17:15:04 | 音楽を聴く


  貴方は もう忘れたかしら
  赤い手拭い マフラーにして
  二人で行った 横丁の風呂屋
  「一緒に出ようね」って 言ったのに
  いつも私が 待たされた
  洗い髪が芯まで冷えて
  小さな石鹸 カタカタ鳴った
  貴方は 私の身体を抱いて
  「冷たいね」って 言ったのよ

  若かったあの頃 何も怖くなかった
  ただ貴方のやさしさが 怖かった

  貴方は もう捨てたのかしら
  二十四色の クレパス買って
  貴方が描いた 私の似顔絵
  「うまく描いてね」って 言ったのに
  いつもちっとも 似てないの
  窓の下には 神田川
  三畳一間の 小さな下宿
  貴方は 私の指先見つめ
  「悲しいかい」って 聞いたのよ

  若かったあの頃 何も怖くなかった
  ただ貴方のやさしさが 怖かった


かぐや姫「神田川」。
今から34年も前、1973年のヒット曲だ。

今さら、この曲を振り返ったり、
懐かしむようなメモリアルな出来事はない。
しかし、東京に住む私にとって、
この曲はどこか、身近なせつなさを覚える。

神田川、といっても、
この曲の舞台となったのは、早稲田付近だ。
作詞の喜多条忠氏は、早稲田大学の出身で、
実際に同棲していた、自身の学生時代を基に作られた。

三畳一間の小さなアパートは、
今は都区内にはないと思われる。
十数年前、テレビで、
「神田川沿いの三畳部屋のアパート」を探した番組があった。

高田馬場に一件あった。
歌詞の通り、三畳一間の小さな部屋。
流し台の窓を開けると、眼下に神田川。
外国人が住んでいた部屋だった。
もう今はないだろう。

そして、ふたりで行った横丁の風呂屋。
現在の、西早稲田交差点近くにあった銭湯がモデルだった。
この銭湯も、もう廃業されている。

1973年は、
大学の学園闘争や、国鉄のスト、光化学スモッグなど、
日本は経済成長真っ只中にあって、
犠牲を払っていた時期である。
神田川も、この当時は悪臭漂う川だった。

そんな中、未来に夢を持ったり悲観したり、
いったりきたりの現実の中にいた大学生。
そんな二人の恋人が同棲した小さなアパート。
この曲は、喜多条氏の学生時代の回想ではあるが、
見事に、この年の時代背景にマッチしている。


あなたのやさしさが こわかった・・。
優しさに包まれた恋は、
失ったときに大きいもの。
一緒に銭湯から、神田川沿いの道を歩いて帰った思い出は、
一生残るのだろう。

アパートがなくなっても、
銭湯がなくなっても、
神田川がきれいになっても。

私の中で、一番せつない名曲である。

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詩人のバースデー

2007-03-02 17:41:33 | 音楽を聴く
昨日、3月1日は、
ピアノの詩人、ショパンの誕生日。

しかし、これだけの人物でありながら、
誕生日には諸説があって、
はっきりしていない。

3月1日が、もっとも正確とされているが、
2月22日という説。
そして今日3月2日説もある。

ともあれ、1810年のこの日、
ワルシャワで生まれたショパンは、
39年の生涯をピアノ曲に捧げ、
故郷の地、ワルシャワで没することになる。

ショパンに関しては、
私も何度か、ブログで取り上げているし、
詳しく語れば語るほど奥が深くなってくる。
今日は、さらっと詩人を語りたい。


生まれた日は定かでないショパンだが、
作品に付けられた番号は、実に整然としている。
「24のプレリュード」
「12の練習曲・作品10&25」・・・

破天荒なモーツァルトも好きだが、
ピアノの鍵盤のように、
美しく整ったショパンも好きだ。

朝はモーツァルト、
夜はショパンを聴きたくなる私。
昨夜は、「軍隊ポロネーズ」を聴いた。
今、引き続き練習中である。

目をつぶって聴くショパン。
まばゆいシャンデリアよりも、
うっすらと、ほのかに明るい部屋。
そこで静かに弾くピアニストの姿を想う。

その、ピアニストは、
フレデリック・ショパン、
あなた自身のようです。


詩人のバースデーによせて・・・
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軍隊ポロネーズ

2007-02-11 11:18:30 | 音楽を聴く
F.F.ショパン作曲
ポロネーズ第3番 op.40-1 A-dur 「軍隊」
「軍隊ポロネーズ」・・・

ショパンが好きで、
曲を聴くたびに感動してしまう私。
しかし、その中でも、
特に気に入っている曲のひとつ。

初めて聴いたとき、
その力強さとテンポの良さに、
感動を覚えた曲だ。

この曲については、
私のもう一つのブログでも、少し触れている。
「第六話・ショパン」


今回、友達のピアノ指導を受ける機会があって、
この曲に挑戦した。
以前から、好きなように弾いていたことはあったが、
譜面通りに、きちんと習いながらは初めてだった。

和音が強調される曲。
オクターブが続く。
四つの音を同時に弾く。
フォルテシシモが入る。

ピアノ歴の長い友達でさえ、
指がつったという難曲。
一日目にして早くも挫折しかける。


やめるなら今のうち・・。
しかし、友達の一言がひびく。
「何をもってやめようと判断するの?」

そう・・あきらめちゃダメ。
最初から・・。


なによりもこの曲が好き。
ショパンが好き。
ピアノが好き。

そして
必ずマスターしたい理由もある私。

そう、
弾きたい曲なんです。
頑張ります。
よろしくお願いします!
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251歳の貴兄へ

2007-01-27 10:39:06 | 音楽を聴く
お誕生日おめでとうございます。

モーツァルト殿。


昨年の、250年フィーバーも、
今日で一段落つきそうですが、
貴兄のもたらすものは、
まだまだずっと続きそうですね。

貴兄が駆け抜けた35年よりも、
そのあとの215年がなんと美しかったことか!
その中の43年を
私も今、駆けています。


音楽。
名のごとく、音の楽しさを、
貴兄は地球にもたらされました。

今の、音楽の教育は
どう映っているのでしょうね。
権威やしがらみに反発し、
音の楽しさを訴え続けた貴兄には。


私、わかるんです。
貴兄のしたかったことが。
自分もどこか、
似たようなスタイルで生きています。

五線譜は夢の階段。
音符は人のつながりを表わしていませんか?
そういえば、
貴兄の音符は数が多いですよね。


出過ぎたことを申しましたが、
251歳、
心よりお祝い申し上げます。
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