私の三丁目

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」と共によみがえるあの頃、そして今

芥川賞

2008-01-19 21:17:48 | 映画「三丁目の夕日」

20年ほど前、ある入門書を書いたことがあります。何回か刷られたこともあって、生まれたばかりの息子のミルク代とおむつ代くらいは稼ぐことができましたが、費やした時間と対価を比較すると、あまり効率のよい仕事ではなかったような気がします。

当時は雑誌への寄稿を依頼されることもあって、本業が終わった後「一太郎」(当時は「Word」ではなくコレでした)に向かうこともありました。中でも、懇意にしていただいていたあるソフトウェア商社が発行する技術情報誌には、3~4回寄稿させていただいたと記憶しています。

本業が忙しくなりこの種の「副業」を控えるようになってから、1~2年後のことです。

帰宅の通勤電車が最寄り駅に近づいて席を立った時、私の目に飛び込んできたのは、「芥川賞決定」と大きな見出しが躍った「文藝春秋」の吊し広告でした。

受賞者はその技術情報誌の編集を担当していた女性と同姓同名でした。「へぇ、こんなこと(同姓同名)があるんだなぁ」と軽く受け流そうとした私は、広告の写真を見て愕然としました。

驚いたことに、芥川賞を受賞したのは、私が存じ上げていた「その人」だったのです。会社を辞められたことは知っていたのですが、まさか芥川賞を受賞するような作家に転身されていたとは....。

今にして思えば、映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」で、茶川商店前に集まった記者達の話を聞いて「え~っ、芥川賞!!」と叫んだトモエさんと同じような気持ちだったかもしれません。ほんの一瞬ですが、私が「芥川賞」を身近に感じたひとときでした。

それにしても情けないのは、私がこのエピソードを思い出したのが「昨夜」だったということ。

「続・三」のストーリーは芥川賞を中心に展開されているといっても過言ではないのに、これまでに8回も観てきた私がこの話を忘れていたとは....。