カッキーYAMA   akihiko tange

手始めに、日常的なことを気の向いたときに載せていくつもり。

夜の動物

2013-12-29 | エッセイ

以前、深夜に家の近所をウォーキングをしていたら、しんとした闇の中のコンクリートの塀の上を移動するものを見つけたことがある。動物だった。音はしない。辺りは静寂だった。闇に薄く浮かびあがるその動物は、俊敏な歩き方でその幅の狭い塀の上を小走りに移動していた。首から先はあちこちに細かく動いていた。背が波打つように・・・、うねうねと・・・。私の狭い知識では狸しかとりあえず思いつかなかったが、そうではないことは分かった。動きが違う。狐でもない。それからしばらくあれは何だろうと思っていた。テンとも思ったが、そんな珍しいものはこの近くにはいないだろう。そしてその疑問はそのままになっていた。ある時また、小動物を見た。これは昼間にアスファルトの道の上を気ままに歩ていた。あまり警戒心はないようだった。人家の垣根に消えていったので、あとから追いついてそこを覗いたら、ちょこんと座ってこちらを見ていた。丸い愛らしい目。小さい。後でこれは、どうもアライグマのようだと思った。それで・・・、昨日、宮ケ瀬ダムへ行ったとき偶然、資料館に付近の動物のはく製が展示されてあるのを見た。狸など・・・。その中に、ハクビシンというのがあった。よく聞く名前で多くの人は知っているのだろうが私はその姿は知らなかった。あの時の、塀の上の動物のようだ。首も器用に左右に動きそうだ。・・・ハクビシンだったらしい。







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