すか~れっと・どり~む

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ある悪魔と少女の物語

2009-07-27 01:24:00 | 小説
【タイトル】ある悪魔と少女の物語
【ジャンル】絵本風
【説明】
ファンタジーを基本とした絵本風な話。ほのぼのとした作品に仕上がりました。
ファンタジーとか好きな人とか、絵本の文体が好きな人はどうぞ。

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 ここは天空の城。火の悪魔としてとても名高いルビカンテが住んでいます。
 ルビカンテはその恐ろしい容姿のせいで、村人から嫌われていました。
 でもルビカンテはそれをどうとも思っていませんでした。
 悪魔には心がないので、ルビカンテには寂しいという感情がなかったのです。

 ある時、ルビカンテの住む天空の城に1人の少女がやって来ました。
 ルビカンテの住む城は空中に浮いていますが、女の子は魔法使いだったので箒で空を飛んで来たようです。
 その日は急に雨が降り出したので、雨宿りに来たのでしょう。
 ルビカンテはいつもは人前に姿を現さないのですが、何故か女の子の前に出て行きたくなりました。
 ルビカンテが女の子の前に現れると、驚いた女の子は泣き出してしまいました。
 どうしていいか分からないルビカンテは自分の力を使ってみました。
 赤い炎、青い炎、緑の炎、紫の炎。
 それを見た女の子の顔にはさっきまでの雨模様ではなく、明るい晴れ模様が広がっていました。

 気付けば空もすっかり泣き止んでいました。
 女の子は箒に乗って帰って行きました。ルビカンテに手を振って。
 ルビカンテは女の子に手を振り返しながら、変な感覚に囚われていました。
 その感覚が何なのかは分かりませんでしたが、ルビカンテは満足していました。
 それが感情だということにルビカンテは気付きません。
 でも、ルビカンテは少しだけそれを感じることが出来たのかもしれません。

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