音信

小池純代の手帖から

日毎の音 壺 200918

2020-09-18 | 日記

  壺

 石榴大の壺と無花果大の壺並び互みに笑まはず割れず


 まんまるの小壺にまんまるの菊を二連の星のごとく挿したり


 塩壺といふ硝子壺大切の塩を蔵せり昭和の半ば


 肉厚のガラス涼しきインク壺夏は夜明けの青を湛へて


 梅の実を煮詰めて壺に分けくるるいとよきひとのよき日の名残






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