音信

小池純代の手帖から

日毎の音 紐 200912

2020-09-12 | 日記

  紐


 あやとりの日々の狭間に真乙女は緋色の紐とともに落花す


 紐付けをして読むべきか自歌自注真白き馬はいづこにつなぐ


 いつぽんのひもに左端と右端あり川だとしたら河口はどちら


 雨がふる大工殺しの雨がふるひとりひとりに垂れてくるひも


 耳に紐かけて出でゆくお作法のつつましきかなこの口覆ひ






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