前回の記事で,知財高裁のことを書きました。
その時,大合議事件の判決について触れたいとも書いたので,今日の記事では,そのうちのプロダクトバイプロセスクレーム事件について触れようかと思いましたが,えー,断念します。
短い時間でまとめられるようなものではないので(と言い訳…),また今度。
その代りに何を書こうなと思っていたら,Yahooニュースにこんな記事が。
日本ではなく,韓国での話なのですが,今日はこれで行きます。
記事によると,グリコは,意匠権侵害を根拠に提訴したようです。
調べてみると,このポッキープレミアム版「バトンドール」の商品パッケージについて,グリコは日本でも意匠権を取得しています。
こういった商品パッケージは著作権では保護されないので,予め意匠権を取得しておくことが肝要です。
パッケージの構造上の工夫とかがあれば,特許も取得できます。
後は,意匠権を取得できていなかったら(意匠権侵害の主張と共にでもいいですが),不正競争防止法違反を問うことになります。
韓国にも日本の不正競争防止法と似たような法律があるので,グリコはその点も提訴の法的根拠としているかもしれませんね。
ただ,意匠権ですが,ある商品の機能を得る上で,形は自由に変えてしまえるという場合にはあまり有効に作用しません。
本件の商品パッケージでも,今回は似たような形のパッケージを韓国ロッテが使ったので意匠権を問題にできましたが,違う商品パッケージにされてしまえば,意匠権は及びません。
同じ形のものを作らせないという意味では有効ですが,形を変えられるとなかなか意匠権では対処が難しい。
とはいえ,意匠権には,やり方によってはうまく使える場合がある。
たとえば,機能上,構造上,顧客のニーズ等から,ある特定の形にならざるを得ないような場合です。
ごくごく単純な例をいえば,スマホケースのデザインでは,サイドにあるボタン部分には必ず穴を開けないといけないとか。
このあたりの,どうやったらうまく意匠権を取って活用できるかは,商品の性質,流通の実態等,いろいろな点を考慮して判断する必要があります。
単純にデザインしたから意匠登録出願しとけばいい,という意識では,失敗することもあり得るので,その点はご注意を。
で,今日の話題とは全然関係ないですが,ここで他のブログのご紹介を。
「邦人人質事件に思う」(中東の窓)
全くその通りだよなあと思ったので、紹介しました。
後藤さんとヨルダン人のパイロットの方、2人が無事に解放されることを祈って…
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