BEYOND GROWTHの著者Herman E.Dalyが大統領諮問委員会が1995年4月に宣言した15原則を、信頼感を与えるほどじゃないが、議論を巻き起こした点で賞賛されるし、枠組みとして受け入れることが重要と述べている。
以下15原則を著者コメント一部付きで引用します。
1.われわれは、経済的繁栄と生命そのものを支える、土壌、水、空気および生物多様性といった自然のシステムの健全さを保存し、可能な場合にはそれを修復すべきである。
確かにそのとおりだ。
2.経済成長と環境保護、そして社会的公平は相互に依存し、相互に補強する国家目標であるべきであり、また、こうした目標を達成するための政策は統合されなければならない。
たぶん、こうした目標は相互に補強的であるべきだが、しばしば相容れない。(略)成長(物質の同化と融合による量的な増加)と発展(質的な改善、潜在力の実現)とを区別すべきだ。
3.適切な保護政策とともに、環境を保護し改善するための民間活力と民間資本を活用するために、市場戦略を利用すべきである。
そのとおり。
4.人口は地球がその住人を扶養できる能力に矛盾しない水準で安定しなければならない。
これはきわめて重要だ。明確にするために、私は「・・・よい生活グッドライフを送るのに十分なだけの一人当たりの富の水準でその住人を扶養する」という条件を付け加えたい。
マルサスの意見は「よい生活とは食卓に一杯のワインと一切れの肉のある夕食を取ることが可能であるような生活。」
5.自然のシステムの保護のためには、社会が天然資源を利用する際の効率性の着実な改善と矛盾しないように消費様式を変化させることが必要である。
何よりも必要なことは、単なる消費様式の変化ではなく、消費水準の引き下げだ。
6.貧困の根絶に向かって前進することは経済的進歩、公平、そして環境の質にとって必要不可欠である。
成長(いずれにしてもこれは貧困の根絶にこれまで失敗してきたが)がない場合、貧困の根絶は、より平等な分配と、より強力な人口抑制と、本書で定義した意味での発展によって実現されなければならない。
7.社会のあらゆる部分が環境の費用と便益を公平に共有すべきである。
そのとおり。
8.経済および環境に関するあらゆる意思決定は将来世代の福祉について配慮し、彼らのために可能なかぎり幅広い選択肢を残しておくべきである。
個々人に個人的な経済的意思決定の際に将来世代に配慮するよう促すことは、必要条件であるものの十分条件ではない。スループットの規模を制限するといったようなマクロ政策を通じて実現される。
9.公衆衛生がマイナスの影響を受ける場合、あるいは環境がこうむる損害が深刻であるか修復不可能な場合には、科学的不確実性にもかかわらず賢明な行動が求められる。
新技術や新しい物質が環境に及ぼす影響が単純化できず、不確実であることは、実際には経済的費用だ。
10.持続可能な発展のためには政府、民間機関、個々人の行為に根本的な変化が必要である。
そのとおり。
11.環境的・経済的な事柄が合衆国と世界の安全にとって重要である。
確かにそのとおり。
12.持続可能な発展は自由な制度が栄えている社会において最もよく達成される。
そのとおり。
13.持続可能な発展に影響を及ぼす決定は公開されなければならないし、その決定は影響を受ける利害関係者に十分な情報にもとづいた参加を認めなければならないが、それに精通した市民と、情報の自由なフロー、そして再考したり是正したりする公正で公平な機会が必要である。
旧GATTと新WTOは非常に懐疑的だ。
14.科学技術の進歩は、人間と環境がどのように関係しあっているかということに関する理解を深め、選択の幅を広げるので、有益である。われわれはエコ効率性を達成し、自然のシステムを保護・回復し、消費様式を変化させるために、科学と技術の両方の絶え間ない改善を追求しなければならない。
誰も知識の進歩に反対できない。しかし、いまとなっては、登場したすべての新技術が人類にとって純粋に有益であるわけでないことが明らかなはずだ。
15.合衆国における持続可能性は世界の持続可能性と密接不可分である。貿易、経済発展、援助ならびに環境保護に関するわれわれの政策は、こうした政策の国際的な含意の文脈の中で考察されなければならない。
経済のグローバル化は経済的な目的のため国境が事実上消滅し、国民共同体の弱体化によって生まれた権力の空白は、共同体の利害によって束縛されない多国籍企業によって埋められるだろう。
今後この議論を進めて行きたい、と結んでいる。
以下15原則を著者コメント一部付きで引用します。
1.われわれは、経済的繁栄と生命そのものを支える、土壌、水、空気および生物多様性といった自然のシステムの健全さを保存し、可能な場合にはそれを修復すべきである。
確かにそのとおりだ。
2.経済成長と環境保護、そして社会的公平は相互に依存し、相互に補強する国家目標であるべきであり、また、こうした目標を達成するための政策は統合されなければならない。
たぶん、こうした目標は相互に補強的であるべきだが、しばしば相容れない。(略)成長(物質の同化と融合による量的な増加)と発展(質的な改善、潜在力の実現)とを区別すべきだ。
3.適切な保護政策とともに、環境を保護し改善するための民間活力と民間資本を活用するために、市場戦略を利用すべきである。
そのとおり。
4.人口は地球がその住人を扶養できる能力に矛盾しない水準で安定しなければならない。
これはきわめて重要だ。明確にするために、私は「・・・よい生活グッドライフを送るのに十分なだけの一人当たりの富の水準でその住人を扶養する」という条件を付け加えたい。
マルサスの意見は「よい生活とは食卓に一杯のワインと一切れの肉のある夕食を取ることが可能であるような生活。」
5.自然のシステムの保護のためには、社会が天然資源を利用する際の効率性の着実な改善と矛盾しないように消費様式を変化させることが必要である。
何よりも必要なことは、単なる消費様式の変化ではなく、消費水準の引き下げだ。
6.貧困の根絶に向かって前進することは経済的進歩、公平、そして環境の質にとって必要不可欠である。
成長(いずれにしてもこれは貧困の根絶にこれまで失敗してきたが)がない場合、貧困の根絶は、より平等な分配と、より強力な人口抑制と、本書で定義した意味での発展によって実現されなければならない。
7.社会のあらゆる部分が環境の費用と便益を公平に共有すべきである。
そのとおり。
8.経済および環境に関するあらゆる意思決定は将来世代の福祉について配慮し、彼らのために可能なかぎり幅広い選択肢を残しておくべきである。
個々人に個人的な経済的意思決定の際に将来世代に配慮するよう促すことは、必要条件であるものの十分条件ではない。スループットの規模を制限するといったようなマクロ政策を通じて実現される。
9.公衆衛生がマイナスの影響を受ける場合、あるいは環境がこうむる損害が深刻であるか修復不可能な場合には、科学的不確実性にもかかわらず賢明な行動が求められる。
新技術や新しい物質が環境に及ぼす影響が単純化できず、不確実であることは、実際には経済的費用だ。
10.持続可能な発展のためには政府、民間機関、個々人の行為に根本的な変化が必要である。
そのとおり。
11.環境的・経済的な事柄が合衆国と世界の安全にとって重要である。
確かにそのとおり。
12.持続可能な発展は自由な制度が栄えている社会において最もよく達成される。
そのとおり。
13.持続可能な発展に影響を及ぼす決定は公開されなければならないし、その決定は影響を受ける利害関係者に十分な情報にもとづいた参加を認めなければならないが、それに精通した市民と、情報の自由なフロー、そして再考したり是正したりする公正で公平な機会が必要である。
旧GATTと新WTOは非常に懐疑的だ。
14.科学技術の進歩は、人間と環境がどのように関係しあっているかということに関する理解を深め、選択の幅を広げるので、有益である。われわれはエコ効率性を達成し、自然のシステムを保護・回復し、消費様式を変化させるために、科学と技術の両方の絶え間ない改善を追求しなければならない。
誰も知識の進歩に反対できない。しかし、いまとなっては、登場したすべての新技術が人類にとって純粋に有益であるわけでないことが明らかなはずだ。
15.合衆国における持続可能性は世界の持続可能性と密接不可分である。貿易、経済発展、援助ならびに環境保護に関するわれわれの政策は、こうした政策の国際的な含意の文脈の中で考察されなければならない。
経済のグローバル化は経済的な目的のため国境が事実上消滅し、国民共同体の弱体化によって生まれた権力の空白は、共同体の利害によって束縛されない多国籍企業によって埋められるだろう。
今後この議論を進めて行きたい、と結んでいる。