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本棚の埃1 SFガイドブック

2008年01月03日 | 本棚の埃
世に数あるSFガイドブックの中で、個人的に一番お世話になったのがこの「SFファンタジア全7巻」【学研】です。福島正実のアイデアを小松左京たちが実現化しただけあって、初心者からマニアまで読み物としても、一種のリストとしても重宝します。地上編、時空編、異世界編、幻想編、風刺編、マンガ編、アート編の7つのテーマに分かれ、SF作家やSF評論家たちがそれぞれの得意分野を紹介するんですから、面白くならないはずがない。中でも異世界編の鏡明パートにある、異世界ファンタジィを設定別に分析した表は有用でした。エルリックを片方の極とすると、コナンがその対極に位置するなんてのはここで知りました。【ハヤカワFTでエルリックシリーズが出る以前のこと】しかも巻末には書き下ろし短編が収録されていて、萩尾望都「左ききのイザン」【後に「銀の三角」の中のエピソードに発展】、竹宮恵子「夢見るマーズポート」【「私を月へ連れてって」へ発展】もここで発表されました。



ところで、この表の外にJ・ヴァンス「Gray Prince」が【参考】というポジションを与えられて、表の中には組み込まれていないのは何か理由があるのでしょうか?


レイアウト優先の文字組はやや読みにくいところもありますが、原書や雑誌の写真が当時としては珍しく、本文より書影を眺めていることが多かったです。ただ扱われているのは1970年代中頃の作品までですけどね。

そして今から10年前【1998年】に出たのがこのSF大百科事典です【グラフィック社刊】。写真中心の紹介なので百科事典というより図鑑といった感じです。見た目もこんなんですし。


こちらは年代別にSF作家やSF映画、コミックス、SFガジェット等を1990年代までカバーしています。イギリスで出版されたものを翻訳したので、本文・キャプションは生硬でいまいち読む気がしません。そのかわり写真が大きくて楽しいです。さすがグラフィック社。でも、「朝」倉久志ってのはキツいじゃないですか、監修の高橋良平【スターログ日本版の元副編集長】さん。
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