横溝正史が編集者時代に翻訳した「鍾乳洞殺人事件」の作者ウイップルによる第1作。
ひたすら「横溝正史」と唱え ながら読まないと、集中力が途絶えます。
行き当たりばったりで適当なストーリー展開(でも伏線は一応あり)、
若干ホラー風味の描写(さほどの効果があるわけでもなし)、
と言いつつも、期待しないで読めばそれなりに面白いですな。
この第1作が出たのは1933年ですが、
その年クイーンは「シャム双生児」「アメリカ銃」を上梓、
カーは「魔女の隠れ家」「帽子収集狂事件」を出しています。
ウィップルとクイーン、カーの差はどこにあるのか。
「ルーンレイクの惨劇」の各エピソードは意外にいいような気がするので、
構成力と文章力がクイーン、カー並にあれば佳作だったような気がしないでもない。
ところで、
某NHKの『シリーズ・Jミステリーはここから始まった!第2回「横溝正史“八つ墓村”』は面白かったですね。
目新しい話はなかったものの、「八つ墓村」には正史の自伝的要素が多く含まれている、
という指摘を逃さないところはよかった。
その「八つ墓村」のネタ元とされるのが、実は「鍾乳洞殺人事件」と言われているようです。
「鍾乳洞殺人事件」は、同じように正史が訳した「二輪馬車の秘密」とのカップリングで扶桑社文庫から出ていますので、
今でも容易に読むことができます。
アメリカ本国ではとうに忘れ去られた作家の作品が、2冊も出る日本は天国なんでしょうかねえ。
「鍾乳洞殺人事件」も連続殺人に宝探しや恋愛がからみ、最後はけっこう意外な犯人が暴かれます。
出来も「ルーンレイクの惨劇」より上。
「ルーン~」は冒頭で、たいていの人が謎を解いてしまうじゃないかなあ。
「鍾乳洞殺人事件」では、宝が発見される場面が非常にビジュアルで印象的。
原文がそうなのか、正史の翻訳の腕のおかげか。
またその宝の結末をヒネってあるところは、クイーン「真鍮の家」を彷彿とさせます。
■ルーンレイクの惨劇 ケネス・デュアン・ウィップル 論創社
■鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密 扶桑社ミステリー
ひたすら「横溝正史」と唱え ながら読まないと、集中力が途絶えます。
行き当たりばったりで適当なストーリー展開(でも伏線は一応あり)、
若干ホラー風味の描写(さほどの効果があるわけでもなし)、
と言いつつも、期待しないで読めばそれなりに面白いですな。
この第1作が出たのは1933年ですが、
その年クイーンは「シャム双生児」「アメリカ銃」を上梓、
カーは「魔女の隠れ家」「帽子収集狂事件」を出しています。
ウィップルとクイーン、カーの差はどこにあるのか。
「ルーンレイクの惨劇」の各エピソードは意外にいいような気がするので、
構成力と文章力がクイーン、カー並にあれば佳作だったような気がしないでもない。
ところで、
某NHKの『シリーズ・Jミステリーはここから始まった!第2回「横溝正史“八つ墓村”』は面白かったですね。
目新しい話はなかったものの、「八つ墓村」には正史の自伝的要素が多く含まれている、
という指摘を逃さないところはよかった。
その「八つ墓村」のネタ元とされるのが、実は「鍾乳洞殺人事件」と言われているようです。
「鍾乳洞殺人事件」は、同じように正史が訳した「二輪馬車の秘密」とのカップリングで扶桑社文庫から出ていますので、
今でも容易に読むことができます。
アメリカ本国ではとうに忘れ去られた作家の作品が、2冊も出る日本は天国なんでしょうかねえ。
「鍾乳洞殺人事件」も連続殺人に宝探しや恋愛がからみ、最後はけっこう意外な犯人が暴かれます。
出来も「ルーンレイクの惨劇」より上。
「ルーン~」は冒頭で、たいていの人が謎を解いてしまうじゃないかなあ。
「鍾乳洞殺人事件」では、宝が発見される場面が非常にビジュアルで印象的。
原文がそうなのか、正史の翻訳の腕のおかげか。
またその宝の結末をヒネってあるところは、クイーン「真鍮の家」を彷彿とさせます。
■ルーンレイクの惨劇 ケネス・デュアン・ウィップル 論創社
■鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密 扶桑社ミステリー
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