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絞首台の謎

2016年02月28日 | JDカー
バンコランものではおそらくもっとも分が悪いというか、評判の良くない作品ですが、
アマチュア時代の総決算としてみるなら悪くないのでは。
『カー短編全集4/幽霊射手』でカーのアマチュア時代の作品を読んでから
すぐ『絞首台の謎』に取り組むと、おやビックリ意外な犯人が・・・、
ですから『カー短編全集4/幽霊射手』を再版して下さい、創元さん。
『絞首台の謎』の新訳を出す前に。

で、『絞首台の謎』は大人の少年探偵団ものとして読むぐらいの広い気持ちで楽しんでほしいものです。
後年の作品のように「トリックが~」とか「伏線が~」とか、あまり気にせずに。
とはいうものの、カーならではのヒネリは、最初に死ぬはずの被害者を一番最後に殺してみせたところ
(のちの『三つの棺』で集約されるプロットのツイスト技が既にここでも発揮されています)。
幽霊自動車の謎はともかく、被害者がいなければ探偵の存在もないわけで、
レーゾンデートルがゆえバンコランは見殺しに・・・。
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